相続人を探して三千里

こんな事例もある

Aさん(独身男性)に配当を振り込んだところ銀行エラー。
郵便が転居先不明で返送される。
電話も「現在使われておりません」
⇒転居したと思ってAさんが住んでいるB市役所に住民票請求したところ、
「17年●月●日頃死亡」の記載が。

※「頃」というのが物悲しい。
 恐らく死亡後数日経ってから発見されたので、「死亡推定日」と
 なったのだろう。

兎に角、相続人を探し出して相続手続をしてもらわなければならない。

まずはB市に除籍謄本を請求。
すると離婚歴があり、前婚時はC市に居住していた。
C市から除籍謄本を取り寄せたところ、婚姻前はD市に
住んでいたらしい。

でD市の除籍謄本を取り寄せて、初めて父母の死亡の事実と
Aさんの姉の存在が判明した。

姉は婚姻後E市に籍を移しているので、E市役所に戸籍謄本を請求。
しかし姉は婚姻後離婚していることが判明したので、離婚後の籍がある
F市に戸籍謄本請求。
これでようやっと「姉の現在有効な本籍地」が判ったので、
F市役所へ戸籍の附票請求をすることにより、やっとこさ住民票上の
住所がわかる。

「あなたの弟さまが当社の商品に出資いただいたのですが
 お亡くなりになりましたので、ようやっと法定相続人のあなたを
 探し出しましたので相続手続して下さい・・・」
とような文書をこしらえる。

その文書を住所地に送ったところ、音沙汰無し。
配達記録で送っても「保管期間超過」で戻る。
宅急便で送ったら「転居したんじゃないか」の情報。

どうも市役所に転居届を出さないまま、引っ越したらしい。

仕方ないので、姉の子供(つまりAさんの姪)について
今戸籍調査・住民票調査して居場所を探している。

冷静に考えると、
「なぜ相続が発生しただけなのに、ここまでして
 相続人の居場所を追いかけなければならないのか?
 「債権者不確知」で供託すればいいだけじゃないか」とも
思ってしまうのだが、債権者不確知による供託はできない。
その話は後日に・・

はっきり言って、小生の仕事の2〜3割は相続処理である。
お蔭様で、戸籍謄本の読み方には詳しくなりました。