市民脳内の『社会統計』と実際のズレ★

http://twilog.org/shinjukujiro/month-1501/allasc-10

1月28日

自分はダイヤモンド・東洋経済が好きだが、ニッセイ基礎研究所のレポートも好きだ。生保系の研究所なので、人口・出産・老後といった厚労省的レポートが多いのが特色

そのニッセイ基礎研のレポートで、「一般市民が、社会統計データを脳内でどう想像してるか?」の話があって面白かった。一般市民に「日本の高齢者人口比率は何%と思いますか?」と尋ねたら、実際の高齢者比率(25%)より高い回答。つまり一般市民は実態以上に「高齢化は深刻」と悲観バイアス

「一般市民の、脳内社会データ」を測定すると、日本市民の「悲観バイアス」がいろいろ確認できそう。例えば「老後に何万円貯金が必要ですか?」と質問したら、多分実際必要額より多額の資金が必要と回答あるだろう

「日本社会に凶悪犯罪が増えてますか?」と脳内治安レベルの質問をしたら、多分過半数は「治安が悪化したと思う」と回答するだろう。実際は減少してるのだが

「誤った常識の定着」も、このニッセイ基礎研流の市民脳内調査で確認したい。例えば、家庭でCO2排出が増える、エネルギー使用が増えるのは「夏」と誤解している人が多いが、実は冬だったりする

例えば「日本の都市の中で、若者人口比率が高い都市はどこだと思いますか?」と脳内人口統計テストをしたら、多分大多数は「そりゃ東京でしょ?」と回答するだろう/正解は1位京都2位福岡/不動産会社幹部ですら、この統計を知らなかったりするから困る

恐らく、今後東京23区の高齢者比率は恐ろしく急増するだろう。今いる人の高齢化に加え、地方から高齢者が流入する/多分、あと10年もすれば、全国10大都市の中で、東京は「高齢者比率が多い方の都市」になる/だが仮にそうなっても、日本人の脳内では「東京は若者が多い都市」のママになってる

自分がニッセイ基礎研レポートが好きなのは、データでもって、日本人の「間違った常識」を覆すレポートが多いから/是非とも「東京は若い街」という市民常識をあぶり出して、それをデータで否定して欲しい

1月29日
先日、日経朝刊に載ってた特集見てビックリした/「東アジア若者調査」として、若者に年収や欲しいもの、「生活に余裕があるかどうか」質問/東京の若者とソウルの若者の収入比較で、円安の効果もあるのだろうが、「ソウルの若者の方が収入高い」

シンガポールには抜かされたとは知っていたが、まさかソウルに抜かされているとは/先日ツイートの「ニッセイ基礎研の市民脳内統計調査」じゃないが、「東京若者とソウル若者、どっちが収入多い?」と日本人に質問したら、9割は「そりゃ東京でしょ?」と答えるのでは?

自分の知人キャリア官僚の父親(戦前生まれ)が、ソウルを旅行してビックリしてたらしい。「こんなに発展してるとは想像外。てっきり、インドみたいにスラムや物乞いが溢れてると思い込んでた」/この世代の脳内常識だと、韓国はいまだに最貧国のママなんだろうなあ

「韓国は初任給が高い分、年功賃金カーブはゆるく、トータルでは日本の方が全世代年収は多い」との反論がある/でも、日本も運悪く非正規雇用だったら賃金カーブはゆるい(というか賃金が全く上がらない)よね?

1月30日

因みにシンガポールとは圧倒的に引き離されているのだが、「東京の若者の方がシンガポールより収入多い」と30年前の常識で脳内フリーズしている日本人の方が過半数じゃないか?

多分、日本は50歳代のオジサン達が、高給をもらってるから、それが日本人平均の給与を引き上げて、全世代平均比較だと韓国より日本が上なんだろうなあ/使えない50歳代オジサンを厚遇してる日本と、30代でも使える人材を登用する韓国。多分潜在成長力は2〜3%は違う(韓国が上)

今で、韓国の一人当りGDPは日本の7掛け程度らしい/「なんだ7掛けか、まだ安心だ」じゃない。韓国と日本の潜在成長力差が2%なら、15年で追い付かれる計算になる。3%なら10年