読書ノート・介護ビジネス業界の動向とカラクリがよーくわかる本

★有料老人ホーム=定員10名以上の筈だが、10名未満(違法)の業者も
★有料老人ホーム:介護保険では「特定施設扱い」
 ⇒ここでの介護は在宅介護扱い
グループホーム:福祉先進地のスウェーデンの制度
 「要介護」の人は入れるが「要支援」の人は入れない
★事業者サイドから見たグループホームのメリット
 ・訪問介護のような人件費負担がいらない
 ・有料老人ホームやデイサービスセンターのような大規模施設いらない
 ⇒NPOがよく参入する
訪問介護は赤字だがグループホームは黒字
★まだまだ都内ではグループホームが足らない
★福祉車輌:身障者自らが運転する「自操式」車輌と、
 介添者が身障者を乗せて運転する「介護式」車輌の2種ある
 ⇒自分の好きな車輌を自操式車輌に「改造」するビジネスも
 (お仕着せの車輌じゃイヤだ)
★手すり増設などの住宅改修も介護保険の対象に
 しかし給付額の上限は20万円と少ない(自己負担1割)
 ⇒多くの工務店が撤退
 (株)高齢者住環境研究所だけは着実に儲けている
★住宅改修サービス:ケアマネージャーを通して申請された案件しか認められない
 (そういう基本的なことを知らずに撤退した工務店もいる)
★遊休社員寮を有料老人ホームへコンバージョンするサービスも
ニチイ学館:車椅子等の輸入販売・レンタル事業開始
 (高齢者用の超軽量車椅子はドイツ製)
★高優賃:高齢者向け優良賃貸住宅
 建設費用の補助、賃料一部補助
 基本的に高齢者は自立して生活
 ・1棟当り戸数5戸以上
 ・バリアフリー
 ・緊急通報装置の整備
★高優賃の中には1階にデイサービスセンターや訪問介護サービスステーションを
 設けるケースも
クラブツーリズム・ライフケアサービス:異業種からの参入で成功
 当初有料老人ホーム参入を考えたが、不足気味のデイサービスに参入して成功
 利用者を温泉旅行に連れて行くなど、本業との相乗効果も
★要支援者向け出張理容サービスや、
 要介護者向け旅行サービスなど
★提携病院:文書を取り交わし
 協力病院:口約束
★介護サービスの第三者評価ビジネス
 都内だけでも100社強の第三者評価会社あり
 報酬=30〜50万円
★有料老人ホーム紹介ビジネス:利用者から金取らず、ホーム側から金取っている
 ⇒ホーム側に不利な情報を告知しない恐れ
★紙おむつメーカー:紙おむつの選び方や排泄介護の仕方をレクチャー
 しかし理想は「自力排泄」・・・紙おむつメーカーはそこまでレクチャーしない
★車椅子レンタル:本来はレンタル終了後に消毒して保管する必要あり
 ⇒小資本だとそこまでやっていない
三菱商事三井物産:消毒保管までする車椅子レンタルに参入
 (日本ケアサプライ、ケアレックス)
ユニバーサルデザインフード:咀嚼しやすい食品
アメリカンファミリー生命:民間介護保険用意
★医療法人が社会福祉法人を立ち上げて介護ビジネスに参入するケースも
 メリット:医療サポート受けられて安心
 デメリット:グループ内で顧客たらい回し
★シルバー産業:情報開示が遅れている
★有料老人ホームの居室面積:もっと広さを求める
 アッパーミドル老人が増えるのでは?
★施設入居者の8割に認知症の症状
 医学側の認知症対策(認知症予防)打ち出しが遅れている
★自宅介護、施設介護以外の「第三の道」はないか?
★住所地特例:特養施設など(介護保険3施設)の入居者の
 介護保険料・健康保険料は、旧住所地の自治体側が負担
 しかし、有料老人ホーム、グループホームは住所地特例非適用
 ⇒有料老人ホームが多数立地する自治体は保険料負担が過大
 (例:町田市、青梅市
 ⇒町田や青梅では有料老人ホーム増設締め出しへ
厚生労働省の「理念」:「介護は在宅が基本」
 なので施設介護が増えるのは「理念に反する」
介護保険制度改正⇒地域密着型(小規模型)サービスを強化したい厚労省の考えを反映
 (自宅介護強化)
 民間の評判:芳しくない
★地域密着型:市町村が権限
 介護保険料が苦しい市町村は、小規模型を避けようとする
★そもそも、市町村を介護市場の単位とするのは「小さすぎる」との声
厚労省のホンネ:従来型特養を「解体」したい?
★要支援、要介護1の段階に「留まっている」人に、それ以上の悪化をさせない
 「介護予防」に、介護保険適用へ
 体操や筋力トレーニン
 しかし筋トレマシンが高額、インストラクターも不足
ナムコ:リハビリ用ゲームを開発
トヨタ:介護事業に関心(有料老人ホーム建設へ)
 福祉車輌とのシナジー効果期待?
 表向き理由は「社員親族に介護者が増えたから、建設した」
★特養:株式会社は参入できない
★介護業者の経営を指南する「介護コンサルタント」業も
★横出しサービス:配食、出張美容、移送、リネンサプライ
 しかしこれらサービスは介護保険対象外
コムスン:介護美容、介護ツーリズムと先走り、失敗し撤退
ニチイ学館:介護者向けにお笑いが必要、と吉本興業と提携、そんなの意味あるか?
介護保険の2000年当時:介護バブル、各社が参入・スタディ
★2005年時点では、「介護は甘くない」という認識が浸透し、バブルではない
★それでも介護ビジネスセミナーは盛況
★住宅改修サービス:セミナーニーズはあるが、セミナー講師不足
 (住宅改修に精通した人いない)
★介護参入業者:保育にも参入しているケース多い
 しかし介護と保育、あまりシナジー効果なし
玩具メーカーのタカラの子会社コティ(保育業)⇒コムスングループ入り
★介護保育の双方参入のリーダー、ベネッセ
ホームヘルパー資格:今は所定の時間の研修受ければいい
 ⇒受講態度がいいかげんな受講者がいたり、いい加減な養成学校もあったりで、
 ヘルパーの質ダウン
 国のホンネ:ホームヘルパー資格を廃して、介護福祉士に1本化したい
★2003〜老人ホーム等への医師・看護師派遣解禁
 しかし医師・看護師不足で、あまり派遣されず
★2004年10月:公取が有料老人ホーム広告に対し告示
 (誇大広告の禁止)
 ⇒業界大混乱、一時広告出稿ゼロに
 通常であれば、業界団体がガイドラインなど定めるものだが、
 老人ホーム業界はそのような団体がなかった
★介護段階=6段階
 要支援>要介護1>要介護2>要介護3>要介護4>要介護5
 しかし、実際の介護症状と、認定値が不一致のケースも多い
 (軽度の人なのに「要介護5」、重度の人なのに「要支援」)
介護保険スタートの2000年⇒2003年で、
 訪問介護事業者数やデイサービス事業所数は倍増
 収益も徐々に安定してきている
 その証拠に介護関係業界の株式上場相次ぐ
介護保険外ビジネス(例:配食)でいかに儲けるか、が鍵
 介護保険内ビジネスは、どうしても介護保険の予算制約を受ける
 国が財政危機である以上、介護保険の予算は厳しくなる
★介護ビジネスを展開して介護保険を貰うには、
 県知事に「介護サービス提供事業者」の指定をしてもらう必要あり
訪問介護業界:コムスン・ニチイの2強と、地元系NPOの争いに
介護保険の「メリット」
 介護利用者自身が、サービスを選べること
 従来の介護行政:措置制度(利用者は行政の定めたメニューを受け入れるしかない)
★福祉機器の売上:コンスタントに増加(おむつ、住宅施設用設備、ベッド、福祉車輌)
★利用者の不満:「福祉機器の情報が得られない」
★地方の介護事業者の首都圏進出保険料
 岡山のメッセージ、大阪の日本ロングライフ、ケア21
★23区内:従来は地価高く、施設が立地しなかった
 (青梅市・八王子市に集中)
 ⇒23区側も反省し、小中学校廃校を施設転用して、業者に貸し出す試みも
 (一種のPFI)
★重度介護になるにつれ、在宅介護でなく施設介護になる
★介護付き有料老人ホーム:タテマエは「居宅介護サービス」、でも利用者の意識は「施設介護サービス」
 本来の施設介護サービスである特別養護老人ホームが満杯で、介護付き有料老人ホームが
 その代替を果たしているため、このようなことになる
★デイサービス:よくクルマで利用者を送迎しているやつ
 訪問介護よりも効率的(一箇所に集めるため)
 あと、「風呂を楽しみにする利用者が多い」
NPO介護保険外のサービスも行うケース多い
 例:高齢者外出付き添いサービス
★住宅改修事業:給付限度=20万円、本人負担=その1割
 しかしそれを説明せずに「全額保険対象」と説明する悪質業者も
★訪問入浴サービス:要介護度が高い人が利用
 (軽度の場合はデイサービスで施設に来てもらう方が合理的)
訪問看護サービス:医療機関が提供
デイケア:利用者が医療機関を訪問
 デイサービスの医療版
★訪問歯科サービスが急増
介護保険導入理由:老人福祉(行政サービス)と老人保健(健康保険)の制度融合
★モデルはドイツの介護保険制度
 =全成人が保険料負担、一方で若年障害者も支給対象になる
 ドイツの介護保険:サービス給付と現金給付がチョイスできる
介護保険料=65歳以上と40〜65歳で制度違う
 65歳以上=老齢年金から天引き、保険料に地域格差
 40〜64歳=医療保険と一緒に徴収、保険料地域格差なし
★要介護認定:2段階
 調査員による一次判定、介護認定審査会による二次判定
 介護認定審査会に不服審査申し出可能
★ケアマネージャー:どういう介護サービスを受ければいいか、利用者にアドバイスする
 ・・・本来公平中立であるべきだが、所属している事業者のサービスを進めがち
 厚生労働省も放置(公平中立じゃない、とケアマネを検挙すれば、益々人手不足に)
 「ケアマネの事業者所属を禁止して、その分準公務員として給与あげるべき」論も
★介護報酬:大都市や離島では加算
★介護報酬:身体介護が高く、生活介護(調理掃除など)は安い
 ⇒事業者は身体介護ばかりしたがるのでは?
介護保険財政:2005年段階で、早くも悪化
★介護予防のための筋トレ:「できない人が自信喪失してヒキコモリになって、逆効果?」
★2003〜障害者支援費制度
 原資は税金だが、行政の「支援措置」(利用者は措置を甘んじる)から
 「サービス事業者との契約」(利用者はサービスを選べる)へ転換
★障害者支援と介護保険の統合議論
 (日本でもドイツ型を目指す)
厚労省介護保険導入目的「老人医療費抑制」(=社会的入院の抑制)
 果たして目的は達成されたのか?
★介護制度改正案
 介護度合に2段階プラス、軽度の場合は「介護予防」に主眼を置く
特別養護老人ホーム:食費、居住費、光熱水道費も「介護保険持ち」
 ⇒在宅介護とのバランスを欠き、必要以上の「特養希望」を生んだ
 ⇒食費等を介護保険から外す方向で検討
地域包括支援センターの創設
 いわば高齢者版の児童相談所
 財産管理や高齢者虐待の相談にも乗る。中学校区に1箇所設置
 及び、ケアマネージャー等の悩み相談にも乗る
 ・・・保健師が確保できるか?
コムスン:福岡で創業、モットーは「24時間訪問介護
 1999にグッドウィルグループに買収される
グッドウィルの折口氏
 「訪問介護は急増する」として、ステーションを2,000箇所設置
 ⇒案に相異して、伸びず
 「高齢者はヘルパーと言えども自宅に入れたくない」
★施設型介護:行政の政策次第で業績左右される
 (介護保険依存度が高いゆえ)
 食費等を介護保険から外されたら、影響大?
★ケアマネージャー月収、平均30万円未満?
訪問介護業者:登録型ヘルパーを多用
 非正規社員・非常勤、月給せいぜい6万円
 しかも移動交通費自腹
★介護報酬不正受給額=62億円、これも「氷山の一角」
北海道庁:悪徳業者から賄賂貰い、不正見逃し
★行政側:利用者の「どの会社を選べばいいか?」の相談に、「行政としては答えられない」とのスタンス
 利用者側の「どこを選べばいい?」の相談ニーズが急増
★介護業界でも内部告発相次ぐ
★山間・離島における事業者不足
★2000年の介護ブームに乗じて介護系学校設立相次ぐ
 ⇒しかしその後、介護の低報酬実態が報じられ、入学希望者伸び悩み
★介護系学校の質のばらつき
 低レベル学校の卒業生は採用しない、と明言する関係者も
★たんの吸引:2005年まで、ヘルパーは吸引できなかった
 本人・家族以外は「医師看護師しか吸引できなかった」
 (日本医師会の反対による)
★難病要介護者:受け入れ先なし(例:ALS患者)
★介護する側の心のケアが重要
★高円賃>高専賃>高優賃
 高円賃=高齢者を拒まない
 高専賃=専ら高齢者を入居
 高優賃=手すりなど設置
 ⇒2011に高円賃・高専賃・高優賃は統合され「サービス付高齢者向け住宅」に
★有料老人ホームの3大メリット
 ・一時金を支払ってしまえば追い出されない 食費等もかからない
 ・健康トラブルに対応してくれる
 ・孤独がない
★有料老人ホーム展示場を開設した中村寿美子
★日本の高齢者福祉:自己申請主義 当事者にとっては大変
 ⇒その象徴が「所在不明高齢者問題」
★介護審査:認知症患者が、たまたまその日だけ受け答えスムーズで、結果認定受けられなかったなんてことも
★介護判定:一次判定はコンピューターによる