図書館貸出数が増えなくて何が問題か?

1月2日
館数は2倍、蔵書数は4倍。つまり1館当り蔵書数も2倍になってる/実際、一利用者から見ても、蔵書数の増加は感じる / “図書館に異変?館数激増でも利用者増えず…ハローワークと連携し貧困者支援? | ビジネスジャーナル” http://htn.to/YyyJJAQY

ビジネスジャーナルの図書館記事に相当違和感。年間貸出総数が7億冊で伸び悩み、と「問題視」してるが、国民一人当り6冊って結構多い(飽和状態)では?/基本、「図書館を利用したいのに、近くに図書館がないから利用できない」状態は殆ど解消されたのでは?

図書館を利用したい人が利用できる状態であれば、それは十分「理想的状態」/特に利用する意欲が乏しい市民に、無理やり図書館の利用を促す政策が正しいとは思えない。図書館貸出総数は永遠に増え続けなければならない、的な「成長主義」は、図書館行政的に不健全だと思う

武雄市図書館みたいに「年中無休」「開館時間の延長」は利用者目線ではありがたいが、それがもっぱら「貸出総数の増加」を企図しているなら、意味がない。「利用者満足度の向上」なら、意味がある

図書購入費や図書購入冊数が1998をピークに減少してる点を記事は問題視しているが、20〜15年前は「図書館の蔵書体制を構築していた時期」だからそれなりに蔵書を買っていただけじゃないのか?図書館蔵書体制が完成した現代なら、新規蔵書購入数が落ち着く(減少する)のは、ある意味当たり前

国会図書館みたいにアーカイブ性が重視される中央図書館なら、それなりに蔵書購入数が問われるが、市民が普段使いする図書館なら、蔵書の「量」より、蔵書の「質」の方が問われる。むやみに蔵書を購入しまくる図書館が、本当に使い勝手のいい図書館か?