愚行権の行使として、レアハンバーグを食べる権利を残せ

7月30日
こういうのは確率論だろ?レアハンバーグで食中毒起きるのは多分1%程度。その1%を避けたい人は食べなきゃいいし、自分は残りの99%だと信じる人は食べ続ければいい / “レアハンバーグの危険性 | 一般社団法人 日本洋食協会” http://htn.to/4Bosgi

ところで、西新宿に、自分がよく行くレアハンバーグの店があるのだが、「健康警察」的には「そんな店は即刻メニュー中止すべき」になるんだろうな/自分は美味しいから、多少の食中毒の可能性があっても、通い続けるつもりだが。

行政としては「1%でも、食中毒の危険性があれば、健康警察的に禁止する」のだろうが(ユッケみたいに)、一方で老人の餅食は「文化」ということで禁止しないダブスタなんだよな / “『レアハンバーグ』は危険…?「ステーキのレアとは事情が…” http://htn.to/joCPvH

結局、ユッケでも、豚生食でも、レアハンバーグでも、「食べる側の抵抗力」と「運」の掛け算な訳でして。抵抗力が弱い子供と高齢者は避けた方がベターだが、腸に自信がある人の「食べたいという愚行権」を止める権限が、行政に果たして存在してるのか?

レアハンバーグが「人気」というのは、つまり「ウェルダンなハンバーグより美味しい」ということだろう。人間の本能には逆らえない/となると、下手なパターナリズムでレアハンバーグを禁止するより、レアハンバーグを安全に提供する方法を考えた方がいい。放射線殺菌とか。

数年前に「放射線照射のカレースパイスは、風味が全く違う。激ウマ」みたいな記事を見かけたので「是非食べたい」と思うのだが、妻にその話をしたら「アホか!」と一喝されてしまった

「レアハンバーグ」で検索して、ヒットしたいくつかの「まとめサイト」や「オールアバウト」が、削除されてる/なんか、豚生食禁止の流れに似てきている

「健康警察」な方が、お節介にも「レアハンバーグは禁止すべきだ!」な動きを始めてるが、タバコの広告みたいに「レアハンバーグは、食中毒の危険性が○%あります」と注意喚起を義務付ける、ということで、禁止は勘弁してくれませんかね?愚行権を認めない世の中は住みづらい

多分、レアハンバーグを食べた1万人の中で、「翌日少しお腹を壊した」という人は30人程度はいるんだろうな/健康警察的には「そんな危ないものは規制すべきだ」となるだろうが、自分は「30人程度なら、規制しなくていいんじゃね?」と思う/自宅調理で食中毒になる確率の方が、多分高い

そもそも、健康警察的に「食中毒になりそうなものは、全て禁止すべきだ!」ならば、真っ先に禁止すべきは「愛妻弁当」だよな。間違いなく、コンビニ弁当より食中毒リスクは高い/ところが、何故か「食育の観点」からなのか「専業主婦神話」からなのか、愛妻弁当は「作るべきもの」とされている

因みに、自分はその西新宿の「レアハンバーグの店」に10回は行ったが、病院のお世話になるような腹下しに遇ったことはない。/下痢はあったかもしれないが、そもそも下痢体質だから、その店の料理が原因かどうか定かじゃない

少なくとも、自分に関する限り、レアハンバーグでの食中毒リスクは「10%以下」ということになる/会社の人間も行っていて、腹下しした、という話は聞かないから、実際は3%未満なんじゃないか?

はてなブックマークで「レアハンバーグで食中毒になるかどうかは確率論」とブコメしたら、「確率論なんて未開人がいてクラクラする」というブコメが付いていてはてなスターが付いてる/でも結局は、ユッケも豚レバーもカキも、食あたりは「確率論」だよ

レアハンバーグについては、静岡のローカルチェーン「さわやか」も話題になってる。「さわやかの調理法は安全かどうか?」も論議に/結局それも確率論な気がする。チェーン店だから個人店よりは食中毒確率は(衛生管理がしっかりしてるから)低いだろうが、ゼロリスクじゃない

「レアハンバーグとか豚レバーとかユッケの愚行権を認めてはいけない」論者の論点は2つあって、1つは「健康保険財政を圧迫して、他人に迷惑掛ける」というもの。そういう時の為に健康保険適用除外規程を作っておいて、「レアハンバーグの食中毒は自己負担」なルールを作ればいいのか?

もう1つは「こういう愚行をする輩に限って、いざ食中毒になったら、提供した店を訴える」というもの。だからレアハンバーグ禁止法は「モンスタークレーマーから飲食店を守る善法でもある」のロジック

というか、そういう愚行権者は、飲食店を訴えるのみならず、「適正な規制を怠った厚生労働省に、監督責任不行き届きあった」と国を訴えたりするからなあ

でも、結局「愚行権の行使を認めない人」の論拠の根幹は、究極の「善意、お節介」なんだろうな。同時に「俺はこれだけ、おまえの健康のことを考えてやってるんだぞ」という上から目線な優越感意識、パターナリズムな快感もあるんだろうな

そういう「上から目線なパターナリズム」ほど、受け止める側の生理的反発を買うことを、愚行権禁止論者は気付かない。/メタボ健診とかで、中年が医者の言うことを聞かない理由が、そこにある

因みに日本に対して「ヒジキはヒ素が危険!」とか「カツオ節に発ガン性!」とか注文つけてくる欧米なWHOからすれば、「日本国民に愚行権の行使を認めさせてはいけない」というキリスト教的な利他精神の発露なんだろうな

@tkyoukey スポーツ、という観点だと、冬山登山と共にボクシングも愚行権なのかも知れない。実際、有意な確率で寿命を縮める/あるいは今後、ボクシングを禁止する国家が現れるかも

「冬山登山も愚行権」なツイートがあったが、植村直己クラスの冒険家だと、まあ一種の「プロ」だから、自らの命と引き換えに冒険記でメシ喰ってると考えたら、「愚行」ではないわな。

SNS時代だと、ネタ消費的な愚行権も無視できない。典型的なのは「アイスのショーケースに入った画像をツイッターにアップするバカッター」。経済的利益は全くないが、自己承認欲求は満たせる

ただ、愚行権は「愚行の犠牲者が、本人に限る」ことが大前提/ユッケやレアハンバーグを「子供に」食べさせるのは、マズイ/ユッケとかは「判りやすい愚行」だが、ホメオパシーは、親が「愚行と全く自覚してない」から、タチが悪い

消費期限の切れた食材が冷蔵庫にあった場合に「食べる」派と「捨てる」派が分かれると思う。自分は「食べる」派。今まで消費期限切れの食材を食べて、トラブルになったことは無い/これも「愚行権」なのか?