沖縄談義・沖縄に転勤してくる人が少ない/沖縄の識字率は低かった?

10月8日
最近、横山秀夫の警察小説・事件記者小説をよく読む/横山秀夫の小説で、確か「全国紙の沖縄支局上がりの記者」の話があったな。全国紙記者からすると、沖縄支局というのは「基地ネタを拾って得点を稼ぎ、東京本社へ栄転するためのステップ」的に描かれていた
つまり、全国紙記者から見たら、沖縄について「左の立場からでも」「右の立場からでも」、何でもいいからネタを拾って得点稼ぎする、それが沖縄支局の立ち位置。記者の目線は東京栄転に向いてる(と横山秀夫は描いている)
横山秀夫は元上毛新聞記者上がりだから、その辺の新聞記者の出世心理に詳しい。全国紙記者沖縄支局員の心理については、横山秀夫の設定でそんなにズレは無いだろう
本音ベースで「早く東京に栄転したい」という全国紙記者沖縄支局員と、そもそも東京に行きたくないという沖縄地元紙の記者とでは、基地報道の視点がズレてくるんじゃないか?とも思う
本土の企業の中でも「那覇に支社、営業所を構えてる会社」は、他の本土の県庁所在地より、格段に少ないんじゃないか?/例えばハウスメーカーでも、所謂8大メーカーの中で沖縄進出してるのは2~3社だけで、積水ハウスは進出してなかった筈
つまり、那覇という都市は、他の県庁所在地みたいな「東京からの支社赴任者」が少ない都市だったりする/言い換えると、「東京の本社勤務が名誉で、栄転だ」という出世文化・思考パターンそのものが、那覇では希薄だということ
NHK中学生日記は、NHK名古屋の製作だったが、生徒の保護者が東京転勤になったのを、先生が「栄転だな、おめでとう」と祝って、「○○君のお父さんが、この度東京栄転になって、○○君も転校することになった」とクラスで挨拶するシーンがある/この先生、「東京転勤=栄転」を当然の前提としてる
この先生、生徒の父親が名古屋本社の会社である可能性は最初から排除されてるんだな。トヨタ系以外にも、松坂屋とか東海銀行とか名鉄とかパロマとかリンナイとかブラザーとか敷島パンとか、名古屋本社企業も色々あるだろうに/それとも、東京本社企業勤務者の多い東山線沿線の中学校なのか?
例えば那覇の中学校で、生徒が「自分の父親が、東京に転勤するので、自分も転校します」と挨拶したとして、先生が「栄転だな、おめでとう」とは絶対挨拶しないと思う。つまり、「東京転勤=栄転」という価値観そのものが、那覇では通用しない
そういう面で考えると、マスコミというのは「数少ない、沖縄進出産業」なんだろうな。東京栄転文化の進出
まず、沖縄に「工場を進出させている全国メーカー」というのが、ほぼ皆無だからな。他の46都道府県のような「東京新卒採用で、先ずは地方工場勤務」的な赴任者が、沖縄には殆ど存在しない
「東京で新卒採用された総合職が、最初の数年間地方工場勤務になって、そこで嫁さん見つけた」的な話は、他の46都道府県ではよくある話で、つまり全国企業の地方進出・社員転勤ローテーションは、「首都圏人と地方人の、通婚範囲の拡大」に寄与している/が、沖縄はその範囲外なんだろうな
電力会社というのは、その地域において人事シャッフル装置になる。四国電力なら高松勤務、徳島勤務、松山勤務、高知勤務、全て転勤の可能性ある/が、沖縄は電力すら「独立」してるからな。九州電力社員が転勤してくる可能性も無い
ただ、沖縄問題というのは、マスコミにとっては「稼げるコンテンツ」だから、恐らく新聞社は「将来のホープ級の若手記者」を沖縄に投入してるんだろうな、とは想像できる/普通の営業会社だと、那覇支社にはB級戦力しか投入しないんだろうが
あと、那覇拠点を他の県庁所在地より拡充させてる業態としては、航空各社と観光各社があるんだろうな。推測だが、日本航空全日空JTBも、将来の社長候補な人材を那覇に送り込んでるんじゃないか?
あくまでイメージ論だが、普通の全国メーカーの場合、「将来の社長候補な人材」は名古屋に送り込んで、「社長レースに破れた、反社長派な人材」を大阪に送り込んで、「大阪支店長、西日本支社長を、『アガリのポスト』にしてる」気がする
更に大胆な仮説で、全くエビデンスは無いが、「全国企業が、名古屋支社に『次の社長候補』を送り込んで」、一方で「全国企業が、大阪支社長として『終わった人材』を名誉ポスト的に送り込んでる」ことが、「名古屋と大阪の経済成長に、影響させている」可能性が、あるのではないか?
名古屋に送り込まれた「次の社長候補」は、社長を目指して実績上げようと必死になって、名古屋支社の社員を鼓舞。名古屋支社は業績を上げ、個々の企業のミクロの業績アップが累積すると、マクロ的には東海圏の経済は成長する
一方、社長レースに破れて「関西支社長」という名誉だけは立派なポストを拝命した人物は、社長レースに破れたので士気は低く、その結果関西支社の業績も上がらない。そのミクロが蓄積して、関西経済そのものが低迷する、的な。
まあ、生命保険会社とか損害保険会社で、「那覇営業所勤務を命ず」だったら、どうみても左遷人事だよな。もしくは「キミは、社長レースから外れたよ」人事
30歳で「那覇営業所勤務を命ず」な総合職と、30歳で「名古屋支社勤務を命ず」な総合職、有意な確率で後者が出世するんだろうな。航空会社でない限り
沖縄は食文化にクセがある。そういうのが好きな人にはいいが、そういうのが苦手な人にとっては、沖縄転勤命令は地獄だろうな
神一行「自治官僚」という本に、当時の自治省都道府県の部長ポスト等に出向して、県政を霞ヶ関がコントロールしてる様子が描写されていた/これは仮説だが、「米軍占領」というシチュエーションの為に、沖縄県庁に自治官僚を出向させられなかったのが、霞ヶ関の「沖縄政策の失敗」の原点なのでは?
つまり、他の46都道府県なら、出向している霞ヶ関キャリア官僚による人脈とかのネットワークが働くが、沖縄県庁にはそもそも出向している人材そのものが居ないから、人脈ネットワークが機能しない、的な。
@tarepandism 恐らく今の沖縄県庁は、琉球政府の組織人材がベースになって成立してると思うのですが、1973時点で琉球政府なりの「人事ローテーションルール」が確立してたと思うのです/それを沖縄県庁になったからと言って、霞ヶ関か「部長ポストを寄越せ」と県庁に要求しても、容易には応じなかったんじゃないかと
逆に言えば、1945時点で都道府県庁の組織というのは「霞ヶ関出先機関」だった訳で、単に首長だけが公選に替わったに過ぎない。46都道府県において、部長ポストの半数が霞ヶ関出向ポストになってたのは、ある意味「当然」なのです/戦前の沖縄県庁もそうだったのが、戦後「琉球政府」として強制独立
何が言いたいのか?と言うと、「沖縄・那覇は、民間企業での総合職転勤組が、他の県庁所在地より有意に少ない」上に、「役人の世界までも、霞ヶ関キャリアの出向者が、有意に少ない」ということ
これ、子供の世界にも多分影響していて、他の県庁所在地の小学校だと「全国企業の総合職の子供で、転勤族」な子供がクラスに数人いたりするのが、那覇の小学校だと珍しい存在になってしまう、ということ。それが子供の世界観に微妙に影響する気がする
単純に考えて、「給与水準の高い大企業総合職やキャリア官僚出向者が少ない」ということ自体、沖縄の所得水準を引き下げる方向に、働くよな?
北海道に総合職が転勤させられると、伝統優良企業だと「寒冷地手当」が付くケースがあるらしい。暖房代ということ/沖縄に転勤させられる総合職に、「猛暑手当」とか「遠隔地手当」は出ないのか?冷房代や航空代見合い
一行ネタ/沖縄戦で、アメリカ軍は沖縄本島は占領したが、先島諸島は占領しなかった/が、戦後、何故か先島諸島も含めて米軍施政下に入った/歴史のIFだが、先島諸島は「中華民国」が保障占領していた歴史だって、あり得たのでは?その場合、沖縄本島先島諸島は別の県になっていたのでは?
高度成長以前の日本において、地域の人口数というのは、つまり地域の農業生産力と正相関だった/現代から見たら、沖縄本島先島諸島とで人口比が「10対1の格差がついてる」のは奇異に見える。沖縄本島先島諸島で、農業生産力はほぼ同程度なので、であれば先島諸島に人口100万人いてもおかしくない
「何故先島諸島は、せいぜい10万人の人口しか抱えられなかったのか?」、その答えは「マラリア」にあるらしい。西表島が、豊富な農業生産性を抱えながら、事実上無人島同然なのは、西表島が「マラリアの島」だから
先島諸島自衛隊受入に前向きなのは、「先島諸島は人口減少が深刻な課題なので、自衛隊員という人口そのものが魅力的だから」との説明。なるほど/沖縄本島は人口過多、先島諸島は人口過少。バランス的には、本島の人口50万人程度を先島諸島に移して丁度なのでは?
「人生に疲れたから、沖縄に移住したい」なのがブームだったりするが、こういう「人生逃避型沖縄移住希望者」って、目指す先は先島諸島なのか?沖縄本島北部なのか?/それとも、実質100万都市な那覇都市圏に「人生疲れたから、移住したい」のか?
沖縄県庁にはキャリア官僚出向受入が少ないのではないか?」仮説を唱えてみたが、沖縄県警察はむしろ中央(警察庁)キャリア向けポストが多いのか。1973琉球政府警察から、いかにして「ポストをもぎ取った」のか?
あと、沖縄本島は昔から人口過多に悩まされてきたから、どんどん南米とかハワイとかに移住していった歴史はあるわな/戦後の沖縄問題というのは「移住先が無くなってしまった問題」というのもあるんだろうな、と。
沖縄県民の所得が少ない、どうすれば解決できる?」という命題に対して、従来なら「南米に行け」「ハワイに行け」「大阪大正区に行け」というアンサーが許されていたのだが、昨今のリベラルの言説だと「沖縄本島から脱出しないで、経済向上の策を考えよ」だから、無理ゲーに近いんだよな
世の中の価格設定に妥当性は無い。年金収入のある高齢者は原価スレスレで商売しても気にしないし、不動産資産を相続した者は「税金対策」で喫茶店開業できたり。そういうアドバンテージのない新規参入側は圧倒的不利 / “値上げって悪いことな…” http://htn.to/ocNWuFd
@aka1you 木質系の住林、三井ホームミサワホームが進出してないのは「タチの悪いシロアリが沖縄にはいるからだろうな」で納得ですが、鉄骨系の積水ハウスが進出してないのは、別の理由があるんだろうな、と
@aka1you 数年前のデータだと、8大メーカーの中で沖縄進出してたのは大和ハウスパナホームだった。最新データがどうなってるかは知りませんが。
農水省のキャリア官僚の知人の話/アメリカは兎に角日本に農産物の自由化を迫るが、唯一自由化を迫らない農産物があるらしい/答えは「サトウキビ」/サトウキビの自由化による農業メリットより、沖縄本島への自由化ダメージが、基地維持に悪影響をもたらすデメリットの方が多大という政治判断
琉球時代、沖縄では庶民の文字使用が禁止されていた」という未確認ツイートを見つけたのだが、本当か?ウラが取れないのだが。
「沖縄で庶民が文字使用を禁止されていた」の真偽は判らないが、沖縄は寺子屋の類が無かっただろうから、明治維新時点で庶民の識字率が本土比で有意に低かっただろうな、とは想像できる/流石に現代では識字率は100%近いだろうが、大卒比率とかは有意に低いだろうなあ、とは想像できる
沖縄の識字率がいくらだったのか、気になって調べてるが、ネトウヨ系のサイトばかりヒットする。「沖縄の識字率琉球王朝の怠慢で低かった。それを明治日本が引き上げた」的なサイト/客観的なデータとして、どうなのか?
しかし現代の沖縄は、「女性蔑視の風土は希薄」だから、女性の知識水準は「女子への三角関数の教育を禁じられてる鹿児島県」よりはマシなんだろうとは想像できる
沖縄の学力水準について、男女別のデータがあったら見てみたい。なんか、男性は学力最低クラスだが、女子が学力頑張っていて男女平均引き上げてる、的なデータになってる気がする
因みに、散々沖縄関連ツイートをしてるが、実は「沖縄県には、未だ足を踏み入れたことが、ない」ことを、告白しておこう。47都道府県の中で唯一の未訪県/ゆいレールの延長が完成してから、行こうかと思ってる
那覇都市圏って、冗談抜きに後背地の全く無い土地なんだから、株式会社神戸市以上のペースで埋め立てして市域拡大していかないと、都市機能追い付かないんじゃないか?
いや、那覇は「山が無いから、埋め立てが出来ない」(埋め立ての土砂が無い)のか?
環境破壊云々を無視した暴論を書くと、那覇都市圏は西岸を100平方キロメートル埋め立てで拡大して、やっとこさ人口過密が解消されるレベルなんじゃないか?
沖縄本島の工業化が進まないのは、工業用水が絶対的に足りないからだ」との仮説を書いたが、よくよく考えると、「工業用地も、絶対的に不足してる」んじゃないか?