マスコミブレーク92・毎日の報道は統計的に有意か?

マスコミブレーク92・毎日の報道は統計的に有意か?

(なんでも掲示板 06年04月 投稿済)

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統計的に有意といえるのか? 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 4月24日(月)08時03分14秒


http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/wadai/news/20060424k0000m040113000c.html
毎日新聞HP
>身寄りのない認知症の高齢者や知的障害者らを権利侵害から守る
>「成年後見」の市町村長による申し立てが、04年度、都道府県の7割で
>10件以下にとどまり、3県では1件も行われていないことが分かった。
>実施した自治体でも人口10万人当たりで20倍の差があった。
(中略)
>申立件数が多かったのは東京109件▽神奈川76件▽大阪47件。
>逆に奈良、徳島、宮崎はゼロで、青森、岩手、福井、和歌山、鹿児島は1件。
毎日新聞が同データで10万人当たりの件数を算出した結果、
>上位は鳥取1件▽山口0.93件▽東京0.88件。
>最も少ない鹿児島(0.05件)と鳥取は20倍の差だった。

上位は「鳥取1件」と「毎日新聞の算出」は高らかにうたっているが、
鳥取県の人口はわずか60万人。
つまり、6件の申し立てがあっただけ。
これくらいの数であれば、「たまたま申請が重なった」という可能性も否定できない。
つまり、母数自体が「有意な母数」とは言えず、統計学的には疑問の残る
調査結果だと思う。



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Re: 統計的に有意といえるのか? 投稿者:くろだ 投稿日: 4月24日(月)12時52分57秒


>> 逆に奈良、徳島、宮崎はゼロで、

>> 最も少ない鹿児島(0.05件)

って時点で統計も何もないわけですが(最も数ないのは0です)、

> 鳥取県の人口はわずか60万人。
> つまり、6件の申し立てがあっただけ。

鳥取県でゼロになる確率は (1-6/600000)^600000=0.002479
なので、ゼロの県とは有意な差があると言えます。



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レス 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 4月24日(月)19時16分8秒


くろだ様、計算どうもです。
鳥取県が(件数ゼロの)奈良県等よりも上位にある」という分析は
有意かもしれませんが、
山口県・東京都よりも上位にある」とは有意には言えないのではないか、
と思います。





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レス 投稿者:くろだ 投稿日: 4月24日(月)22時10分2秒


> 「山口県・東京都よりも上位にある」とは有意には言えないのではないか、
> と思います。

確かに言えませんね。これは統計に意味がないのではなく、
毎日新聞の読解に意味がないということで。
# ちなみに、この手の分布関数は「ポアソン分布」になります。





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統計でウソをつく法 投稿者:あじあ号 投稿日: 4月26日(水)01時01分20秒


これはブルーバックスにある古典ですが、新聞記事も、統計的に有意か不明どころか、
滅茶苦茶な世論調査を載せたりします。
有名(?)なのが、毎年のように社会経済生産性本部(元日本生産性本部)が公表していた
サマータイムを支持する国会議員は多い!というアンケート結果です。
有効回答数は200名(27.6%)だそうで、回答率が低すぎますね。
関心のない議員は、回答さえしなかったということでしょう。

以下HPより
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
サマータイム制度の導入に関する国会議員アンケート」について

記 者 発 表 文
平成14年3月18日
担当 渡邊慎司 ? 03(3409)8875

サマータイム制度導入 133名の国会議員が賛成
◆ 制度導入に賛成議員を結集し、超党派の推進議連発足へ

経済界、労働界、学識者など各界で構成する財団法人社会経済生産性本部(亀井正夫会長)は18日に記者会見し、生活構造改革フォーラム」(代表=茅陽一・東大名誉教授、木元教子・評論家)の発足にあたって実施した「サマータイム制度の導入に関する国会議員アンケート」の調査結果を公表した。
アンケート調査は欠員2名を除く衆参両院の全国会議員725名を対象に、平成14年2月12日〜3月8日の期間、調査票の郵送発送・郵送回収法により、回答した議員名を公表する記名式で実施された。有効回答数は200名(27.6%)。
アンケートに回答した200名の国会議員のうち、133名(回答者の66.5%、衆議院議員78名、参議院議員55名)がサマータイム制度の導入に「賛成」「どちらかというと賛成」と回答。また、115名が早期実施(「ただちに法案化し実現」29名、「ここ2〜3年のうちに実現」86名)を主張したことから、「生活構造改革フォーラム」では今回の調査結果を踏まえ、賛成議員に呼びかけて超党派の「推進議連」発足を求めていく予定。調査結果の要旨は下記のとおり。

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アンケート結果の要旨

質問1.サマータイム制度に対する関心(2P参照)

○ 初めに、サマータイム制度についての関心の度合いを質問したところ、回答議員の157名(78.5%)が関心があると回答(「かなり関心がある」「どちらかというと関心がある」の計)する結果となった。

質問2.サマータイム制度の検討度合い(2P参照)

○ 次に、サマータイム制度に関するこれまでの検討の度合いを質問したところ、回答議員の22名(11.0%)が「すでに十分な検討がなされてきたと思う」、117名(58.5%)が「ある程度の検討はなされてきたと思う」と回答する結果となった。

質問3.サマータイム制度の導入に関する賛否(3P、5P参照)

○ 次に、サマータイム制度の導入について賛否を質問したところ、133名(66.5%、衆議院議員78名、参議院議員55名)がサマータイムの導入に「賛成」「どちらかというと賛成」と回答。導入に「反対」「どちらかというと反対」とした56名(28.0% 衆議院議員25名、参議院議員31名)を大きく上回る結果となった(なお、「わからない」10名、「不明」1名)。

○ 政党別に見ると、自民党議員では塩川正十郎財務大臣斎藤十朗参議院議長、川崎二郎、斉藤斗志二、中曽根弘文など33名(回答議員の71.7%)が賛成(「賛成」「どちらかというと賛成」)と回答。民主党議員60名(70.6%)、公明党議員15名(75.0%)、自由党議員8名(61.6%)、社民党議員5名(45.5%)、保守党議員4名(80.0%)が賛成と回答した。

質問4.サマータイム制度の導入に賛成する理由(2P参照)

○ 次に、質問3でサマータイム制度の導入に賛成と回答した133名に対し、その理由を2つまで選択する複数回答方式 で質問したところ、100名(質問対象議員の75.2%)が「夕方の明るい時間が増えることで生活スタイルが変わり、家族とのふれあいやボランティア活動への参加、文化・スポーツに親しむことが容易になるから」と回答。次いで95名(71.4%)が「省エネ効果が期待されるから」と回答、35名(26.3%)が「夕方の明るい時間が増えることで新しい生活産業や雇用の創出につながる可能性があるから」と回答する結果となった。

質問5.サマータイム制度導入の時期(2P参照)

○ 次に、質問3でサマータイム制度の導入に賛成と回答した133名に対し、サマータイム制度を導入する時期を質問し たところ、29名(質問対象議員の21.8%)が「ただちに法案化し実現すべきだ」と回答、86名(64.7%)が「ここ2〜3年のうちに実現すべきだ」と回答する結果となり、115名が早期導入を求めている結果となった。

質問6.サマータイム制度の導入に反対する理由(2P参照)

○ 次に、質問3でサマータイム制度の導入に反対と回答した56名に対し、その理由を2つまで選択する複数回答方式 で質問したところ、26名(質問対象議員の46.4%)が「現状に問題があるわけでなく導入の必要性を感じないから」と回答、21名(37.5%)が「結果的に労働時間の増加や労働強化につながる恐れがあるから」、15名(26.8%)が「東西に長い日本の地形や風土に合わないから」と回答する結果になった。



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Re: 統計でウソをつく法 投稿者:くろだ 投稿日: 4月26日(水)05時30分25秒


> これはブルーバックスにある古典ですが、新聞記事も、統計的に有意か不明どころか、
> 滅茶苦茶な世論調査を載せたりします。
> 有名(?)なのが、毎年のように社会経済生産性本部(元日本生産性本部)が公表していた
> サマータイムを支持する国会議員は多い!というアンケート結果です。
> 有効回答数は200名(27.6%)だそうで、回答率が低すぎますね。
> 関心のない議員は、回答さえしなかったということでしょう。

でも国会議員アンケートですよね。

国会議員は「政治の世界では回答をしないのは白紙委任と同じ」
ということをだれよりもよく知ってなきゃいけないはずなんですが。



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Re:統計でウソをつく法 投稿者:なかだ 投稿日: 4月26日(水)09時40分28秒


>国会議員は「政治の世界では回答をしないのは白紙委任と同じ」
>ということをだれよりもよく知ってなきゃいけないはずなんですが。

そりゃそうなんですが、よく新聞が国会議員にアンケートをすると、未解答というのが多く出ます。
とくに信頼のおけないメディアやくだらない質問ほど未解答が多いですよね。
あれはとても白紙委任していると議員が考えているとは思えないなあ。
やはりただのアンケートと議決とは違うんじゃないですかね。



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Re: 統計でウソをつく法 投稿者:くろだ 投稿日: 4月26日(水)12時53分18秒


白紙委任」と書いたのがよくなかったようで...すみません。

> やはりただのアンケートと議決とは違うんじゃないですかね。

ええ。ですからあれは「議決で勝てるか否か」を調べているのではなく、
超党派の議連を作るに値する議案かどうか」を調べているのです。

統計は嘘をつきません。統計で嘘をつくのです。



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れ:統計でウソをつく法 投稿者:あじあ号 投稿日: 4月26日(水)20時57分50秒


>ええ。ですからあれは「議決で勝てるか否か」を調べているのではなく、
>「超党派の議連を作るに値する議案かどうか」を調べているのです。
よーく読むと、社会経済生産性本部は、国会議員の多数が支持しているとはしていません
(笑)。
なお、これを報道した朝日新聞は、大文字のヘッドラインで「66.5%が賛成」としつつ、
記事文末で、ちゃんと回答率を記していました(回答率の問題についてはコメントせず)。
誤解しやすい記事ですが、本部は、そう報道されることまで予想したのかも。それなら賢い!新聞も、コメントして欲しいですね。

ちなみに、知り合いの議員秘書に聞くと、聞いたこともない団体や研究者から、山の
ようにアンケートが来るので、正直とても全部は回答できないとのこと(多忙な議員が
パンクする)。無回答が「白紙委任」とは実態上とても言えないでしょう。
社会経済生産性本部は、有名な団体だという方もおられるでしょうが、大企業
関係者には知られていますが、医師や教師(出身の議員)は、多分知りませんよ。

この手の方法で、今度はマスコミを操作してみようかな。