医療ブレーク50・メタボ撲滅は本当に正しいのか?

医療ブレーク50・メタボ撲滅は本当に正しいのか?
(なんでも掲示板 07年03月 投稿済)

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厚生労働省ぐるみでメタボ撲滅に走る「リスク」 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 3月 1日(木)21時39分25秒


http://www.nikkei.co.jp/news/keizai/20070227AT3S2400E26022007.html

厚生労働省が、各健保に「メタボ削減」を強要しようとしている。
しかし、そこまでして「メタボ削減」は達成すべき目標なのか?

http://www.yomiuri.co.jp/iryou/news/iryou_news/20060522ik05.htm
>心臓病などの予防に内臓脂肪症候群を重視するのは
>合理的と言えるが、「中高年男性の半数が危険水域」というのは本当だろうか。
>診断基準のうち、腹囲(ウエストサイズ)は、米国では男性で102センチ超と
>なっているのに対し、日本人男性は85センチ以上と、かなり厳しく設定されている。
>女性の基準が、日本人は90センチ以上と米国人(88センチ超)より緩やかなのと対照的だ。

いろんな識者が指摘している素朴な疑問、
「なぜ諸外国では女性の基準の方が男性より厳しいのに、
 日本では男性基準の方が女性より厳しいのか?」
どうも厚生労働省から納得行く説明がない。

>この調査について、大櫛陽一・東海大医学部教授は
>〈1〉調査対象が数百人で少なすぎる
>〈2〉危険因子を一つ持つ場合の内臓脂肪面積を算出しており、
>複数の危険因子を併せ持つこの症候群の診断基準データとして不適切――などとして、
>「腹囲85センチ以上という数値には科学的根拠がなく、
>不必要に患者を増やす恐れがある」と指摘する。

つまり「あるある大辞典」と五十歩百歩。

>薬の過剰使用につながる懸念もある。
厚労省は「内臓脂肪を減らすのは、運動と食生活の改善が基本。
>薬を第一に勧めるものではない」と強調するが、
>この病気に対する製薬業界の関心は高い。

>予備軍を含め約2000万人も該当者がいると厚労省が認定し、
>業界にとって巨大な市場が出現したも同然だ。
>各種の医学会では、この症候群に関する製薬会社協賛のセミナーが
>相次ぎ開かれるなど、激しい販売競争が展開されている。

>この事情は、薬の処方を収入の柱の一つとする医療機関でも変わらない。
>通り一遍の生活習慣指導では、血圧などは容易には下がらないため、
>安易に薬を出す場合もあるとみられる。

「メタボ特需」は何も薬品業界だけではない。
食品業界も「特保」狙いで儲かるし、フィットネス業界もウハウハだ。

そもそも、
「多少『小太り』の方が、寿命は長い」という調査結果もある位である。
国中総出でメタボ撲滅にまい進しなければならない、というまで
「科学的定説」には、決してなっていないのである。

一学説を「信じ切って」、国ぐるみで不毛な対策に狂騒した例としては
東海地震」がある。

東海地震が起こらない、とは言わないが、今となっては
「東海・東南海・南海トリプル地震」の蓋然性の方が
高くなってしまった、といえよう。

メタボ対策が「第二の東海地震」にならなければ良いが。



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健康2題 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 3月19日(月)08時15分2秒


1.高齢者はむしろメタボがいい?

  いわゆる40代。50代では、
  「健康のために腹8分目に」
  「脂っこい肉とはは避けましょう」と口すっぱく言われる。

  それは間違っていないのだが、これが70代・80代になると
  事情が異なる。

  70代・80代の場合、どうしても「食が細く」なり、
  タンパク質等の摂取が不足しがちになる。
  この年代は「むしろ積極的に肉を食べましょう」となる。

  研究結果で、「若干小太り=メタボの方が長生き」というのは
  このことを指しているのか?

  あるいはこうも考えられないか?

  Aさん=肉好きのメタボ
  Bさん=肉嫌いで痩せ気味
  Cさん=あまり肉好きじゃないが、70代から積極的に肉を摂取

  Aさんは50代に成人病で若死に
  Bさんは70代で死亡
  Cさんは90代まで長生き

  つまり、過度のメタボな人は50〜60代に成人病で死に、
  逆に非メタボな人は70代に死に、
  ほんの少しメタボな人が長寿をまっとうする。

  死亡年齢とメタボの相関を調査すれば面白い。





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健康ファッショ 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2007年 4月29日(日)10時36分9秒


今日の日経から。
健康目標値の数値目標の達成率を評価する「健康日本21」の
到達が危ういことは、以前ここでも指摘した。

今日の日経では
「そもそもこの種の数値目標を掲げて予防効果を上げよう、という手法自体が
 効果がないことが世界的常識になっている」とのことである。

さらに、小生が批判するメタボについても、
「メタボ・メタボ、と官民一体になって追い込むこと自体が、
 心理的ストレス要因になる」とすら書かれている。(筑波大学・宗像教授)

さらに佐藤純一高知大教授曰く
「健康至上主義は一種の健康ファッショ」とまで言い切っている。
健康増進法は日本人は健康でなければならないとしている。
>病気だと国民として義務違反ということだ。

また
>健康は定義できない。
>病気でない状態をそう呼ぶなら、どうやって証明するのか?
>個々の病気に検査法はあるが、病気は数え切れない。

>病気は新たに作られる。
>メタボリック症候群も新しい病気の概念だ。

このように、観念上の病気の概念をこねくりまわして、その結果
「日本人の95〜98%は病気」なんて閾値設定を疑われかねない報告書を
出すことに、なんの意味があるのか?

その結果、ナイーブな日本人に、さらに恐怖感とペシミズムを煽っただけである。
得をするのは、「病気の人が増えた」として需要増を目論む製薬業界と保険会社だけである。

教授は最後に
ファシズムの時代にも健康はもてはやされた。
と締める。

遺伝子解析がどんどん進み、
「Aという病気の遺伝子を持つ人の比率が全体の20%」
「Bという病気の遺伝子を持つ人が全体の10%」
・・・
という形で解析が進む。

個別では
「Aという病気を持つ人は少数派で、持たない人が多数派」
「Bという病気を持つ人は少数派で、持たない人が多数派」
だが、では
「A・B・C・D・・・・・Zという病気を全て持たない人」は
多数派か、少数派か?

仮に全病気の保有比率を「10%」と仮定したとして、
26種の病気すべて有さない人の比率は「6.4%」、
実は多数派(=93.6%)は「なんらかの病気を有する人」である。

医学界、および厚生労働省は、そろそろ
「健康は正常で、病気が異常。
 健康人を国民の最低でも過半数にしなければ」という強迫観念を取り去ってはどうか?



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なぜ日本のメタボ関係者は日本独自基準に拘泥するのか? 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2007年 6月17日(日)11時48分37秒


ここまで来れば、科学的論争じゃなくて、メンツなのか?
40歳以上の男性人口の半分をメタボにする基準を作って、
喜ぶのは製薬会社だけじゃないのか?

http://www.asahi.com/life/update/0617/TKY200706160291.html

>メタボリック症候群の診断基準作りに取り組む国際組織が、
>「男性85センチ、女性90センチ以上」とする日本のウエスト基準値と
>異なる「男性90センチ、女性80センチ以上」という独自の日本人向け
>基準を決めた。心筋梗塞(こうそく)などを起こす
>リスクのある人を正しく判別できるとの説明だが、日本の基準を作った側は
>反発している。
(中略)
>ただし、日本人は太らなくても糖尿病になりやすいなど、生活習慣病の発症には
>人種による違いがある。このため、IDFは主な地域や国ごとにウエスト値を
>設定した基準を05年春に定めた。
>このとき、日本人向けは日本の基準と同じ「男性85、女性90」だった。
>女性の値が男性より大きいのは日本だけで、中国などアジアの「男性90、女性80」
>とも違いが際だった。異論が出て、IDFは今春、新しい研究結果も踏まえて
>「男性90、女性80」に改めた。
>日本の基準作りに携わった松澤佑次・住友病院長によると、2月にIDF側から
>改訂の打診があり、拒否したが押し切られたという。
(中略)
>松澤さんは「日本の予防医学のために作った基準なのに、海外から介入される
>いわれはない。ただ議論があるのも事実で、必要ならば再検討も考えたい」と話す。



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でか盛り 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2007年 9月 2日(日)13時19分33秒


最近、「でか盛り」のコンビニ弁当やインスタントラーメンがヒットしている。
その原点?は「メガマック」であろう。

で、日経の解説記事に
「ダイエットしている消費者が、その反動として、たまに大食いしているのでは」という
担当者の解説があったが、これは「違う」と思う。

ダイエットしている人(女性とか)は、基本的にいつまでもダイエットしているし、
生活習慣病黄信号の大食い人は、毎日大食いなのである。

従来、大食い人は「弁当+おにぎり2個」のような買い方をしていたから
(あるいは「弁当2つ」という猛者もいるかも知れぬ)、コンビニ側で
統計していなかっただけであろう。
多分、「弁当2つの猛者」というのは、コンビニ側は「家族2人で食べる」と
把握していたのだろう。

どうも厚生労働省に限らず、日経系の知識人は、
「これだけメタボメタボと警告しているから、生活習慣病黄信号の人は
 (全員とは言わないまでも)過半数はダイエットに着手しているハズだ」と
思い込んでいるフシがある。

これら大食い種族は、
「別に厚労省が騒ごうが、関係ない。
 自分が食べたいから食べて何が悪い!!
 それで早死にしても本望だ」と開きなおっているのである。

所帯持ちの場合、妻による強制食事制限が加わるからまだマシだが、
急増している「30代独身男性」とかの場合、制限が効かないから、底なしである。
「別に早死にしても、独身で誰に迷惑を掛けるでもない」という開き直り。

ヘルシア緑茶が、花王の予想(というか期待)に反して20代のダイエット女性に
売れているという現実を見てもわかるように、
「国民健康学的に、望ましい食生活にモードチェンジする」のは、大変難しい、というより
不可能なことである。



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パンツをはいたサル 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2007年 9月 2日(日)13時55分1秒


経済学の原理というのは
「古代の物々交換社会が発展して、貨幣経済になった」としている。

その始まりは、
「古代、肉が採れる地域の住民が、野菜が取れる地域の住民に対して
 肉←→野菜の交換を始めた」というようなモノである。

これに対して、栗本慎一郎氏は、出世作「パンツをはいたサル」の中で、
「原始時代に、このような物々交換経済は成立しえなかった」と看破しています。

「栄養学の知識などなかった当時の古代人が、
 『栄養バランスを考えて、漁民にサカナを貰いに行こうか?』なんてことを
 思いつくハズがない」
その上で
「現代栄養学のセンセに言われれば、「お前らもっと野菜を採れ」とか
 「お前らもっとたんぱく質を採れ」ということになるのだろうが、
 それでも充分に社会が成立していた(=人口減少しない程度に栄養が足りていた)
 のである」として、
「現代栄養学のセンセが考える以上に、ヒトというのは栄養の偏りに
 適応できるのかもしれない」と栗本センセは皮肉っている。

因みに栗本慎一郎氏によれば、物々交換の始まりは、純経済学・栄養学的理由ではなく、
「本来生活圏を分離していたにもかかわらず、不幸にも生活圏の接触が起こってしまった
 別々の食生活を有する部族同士で、「うちの部族はあなたの部族に敵意を抱いていませんよ」
 という友好(少なくとも非戦闘)のメッセージを伝達する為の道具」
だったということらしい。



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Re: パンツをはいたサル 投稿者:diggy 投稿日:2007年 9月 3日(月)07時11分7秒


物々交換の件、これって、栄養学の話ではなく、単に味覚の話なのではないでしょうか?
古代人だって、いつも食うに困っていたわけではなく、贅沢だってしたい。
いつも肉だけ食べてりゃあきるので、たまには野菜だって食べたい。塩で味付けしたい
し、遠い異国の地には胡椒というものがあるらしいじゃないか。。。。

あと、物々交換って、食べ物同士の交換ではなく、道具との交換もあり得る。

あと、他部族との接触は、かならずしも不幸なことではなく、近親婚の解消にとって不可欠なことです。近親婚がタブーであることは、科学を知らないはずの動物だって知っていることです。