鉄コの部屋 (63)時間調整の真実

(なんでも掲示板 01年10月投稿済)

あるHP↓で、山手線など都会の電車が遅れた際の「運転調整」について、
誤解の元に批判した記事がありましたので、その反論を掲載します。

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世の中で、ダイヤが乱れた時の「時間調整」ほど誤解されているものはありません。

例えば、銀座線銀座駅の浅草行きが、
14時00分発
14時03分発
14時06分発
14時09分発・・・
と3分毎で発車しているとします。

で、もし、14時00分発が発車する直前に、「後続の14時03分発が
虎ノ門駅でトラブルがあり、10分ほど遅れそう」という情報が入ったと
します。
この場合、もし14時00分発電車を「時間調整」させずに、
後続の(本来14時03分発の)電車が銀座駅を14時13分に発車する場合、
銀座駅からは普段の4倍以上の乗客が殺到することになります。
(つまり、普通であれば14時〜14時03分の3分間の乗客のみを
 捌くところを、14時〜14時13分の13分間の乗客を一手に
 引き受けることになる)
同様に次の京橋駅でも、日本橋駅でも、三越前駅でも、4倍の乗客が
殺到する理屈になります。

田舎の乗車率20%くらいの電車であれば、4倍の乗客が殺到しても
80%になるだけですが、東京の乗車率80%の電車であれば、
4倍殺到すれば320%になります。
ラッシュ時は元々が200%ですから、それが800%に
なってしまいます。
これではとても乗車しきれませんし、危険です。
第一、80%→320%に乗車率が上がれば、それだけ乗車に手間取ることに
なり、電車の遅れの原因になります。
つまり、
電車が遅れる→後続の電車が混む→それが原因で更に遅れる→そのために
その電車が更に混む・・・の悪循環です。

それを防止するために、14時銀座発の電車を14時06分発にずらして、
14時〜14時06分の間に銀座駅に来た乗客を「収容」するのです。

もっとも、利用者はそういうことをあまり知りませんが。
鉄道側も、「後続電車の混雑防止のために・・・」とアナウンスすれば、
もっと理解が得られると思います。

http://www.kt.rim.or.jp/~sugasawa/index.html