不動産よもやま話(21) 建築士が日本は多すぎる
(なんでも掲示板 04年7月 投稿済)
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もろもろ 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 7月31日(土)13時41分57秒
2.建築士
正月のエスバイエルの広告に「人口当たりの建築士の数は、日本はアメリカの6倍」
というセリフがあった。
「だから建築士を活用せよ」というのがエスバイエル側の言いたかったことの
ようだが、小生には「土建国家ニッポン」の象徴にしか見えない。
公共工事を抜きにしても、住宅建築において日本ではアメリカ以上に
建築士が多用される。
この理由として、日本の住宅ではオーダーメイド(自由設計)の
住戸が多くて、他方アメリカではレディメイドの住宅が多い、ということが
挙げられる。
オーダーメイド住宅は、いちいち設計図面を引かなければならないので、
設計料が100万円程度はかかる。
(単なる間取りだけの問題ではない。設計には間取り(意匠)以外に
構造がある為、オーダーメイド住宅の場合、その為に構造計算
(平たく言えば、震災・火災・台風に耐えられるかどうか)を
いちいち行わなければならない)
加えて、特注の寸法の部材を使用した場合、特注品制作費が上乗せされるし、
施行手間(人件費)もかかる。
特殊な構造(例:1階が車庫)の住宅の場合、耐力壁や強化材を使用しなければ
ならないので、余計にコストが掛かる。
この設計の差だけで、1割は割高になっているのではないか、と思う。
なんでも自由設計をありがたがる風潮は、そろそろ止めにしてはどうだろうか?
「面白みのない」2階建てで立方体のような住宅が、一番コストも少ない
(壁面積・屋根面積・内装面積・使用部材が最小に抑えられる)し、かつ
震災等には一番耐えられるのである。
あと、特注の「こだわり」の物件が、中古市場では必ずしも評価されない。
お金を掛けた「こだわり」が、買う側から見れば「邪魔」になるだけ、という
面もある。
「自分の代だけ住めればいい、子孫の代には取り壊せばいい」と考えて
「こだわりまくる」日本と、永く使い続けられるようにオーソドックスな
間取りの欧米(実際、100年続いている住宅もしばしである)との差、と
言ってしまえばそれまでだろうか。
あと、施主側が自由設計ではない、規格住宅を欲していても、規格住宅が
「入らない」日本の(都会の)敷地の狭さの問題もある。
やはり、規格住宅が入らないような都会では、一戸建てではなくマンション住まいの
方がいいんじゃないか?(そこへ持ってくるか!?)