地震報道でのマスコミの分担

今回の報道でも、「どの局を見ても同じような内容」の批判が多い。

必要な情報を分類すると

1.災害の全容を伝える報道・・・今回、民放は全局これに終始していた
  申し訳ないが、これは1社でいい。
  「不必要にヘリを飛ばして、救助を求める声を掻き消した」
  なんてことの二の舞は避けるべし。

2.現地の交通状況、ライフラインの現況を伝える報道

  例えば新潟県の地図を画面に出して、通行止めの箇所を
  ×点を付ける。
  現在、そんな簡単な情報も入手しにくい。
  (どこかのHPにあるのかもしれないが、探すのも一苦労)

  「臨時航空便が●●時に飛びます」
  「磐越西線の臨時列車が●時に出ます」
  「国道●号線は▲▲まで走行できますが、その先は
   緊急車両のみしか走行できません・・・」 
  「電話は●●市●●地区では不通です」 

  全国から現場に入るべき復興関係者にとっては必須の情報である。

3.安否情報
  「●●さん連絡下さい」といったような放送をしていたようだが、
  全く無意味。
  やるならば、
  「●●小学校に避難している方のリストです」を
  読み上げて、TV見ている側がそれを見て安否を確認するように
  すべきではないか?

  あと、今回完全にNHK教育はパンクしたので、民放が
  数社分担すべきだ。

4.被災者支援の放送
  「●●小学校に紙オムツが届いた」とか
  「●●中学校にお風呂の巡回サービスが来た」とかを放送する。

このうち
「1.」「2.」「3.」は全国に放送しなければ意味がない。
「4.」は地元民向けの放送になる。

なので、例えば次のように分業する。

NHK総合:災害の全容を伝える
NHK教育:交通・インフラ状況放送
日テレ/テレビ新潟:安否放送(1・長岡市
TBS/新潟放送:安否放送(2・小千谷市十日町市栃尾市見附市
フジ/新潟総合テレビ:安否放送(3・北魚沼郡
テレ朝/新潟テレビ21:安否放送(4・中魚沼郡南魚沼郡

中越方面に被害が集中した、と判った土曜日の22時位から
この分業体制で放送する。

安否放送が落ち着いた頃(今回であれば日曜の夕方?)から、
民放キー局は安否放送から撤退し、その後は新潟地元民放が分担して
地元向け「被災者支援放送」を行う。

いきなりこのような「分業」を行うのは難しいから、
平素から分業の「訓練」をすべきである。
全国どこでも災害はあり、民放4大ネットが網羅していない所で
発生することも考えなければならない。
(例:福井で地震があっても、民放は2局のみ)


エリア毎に局を固定するのにはいくつかのメリットがある。

★限られた取材要員を、例えば長岡市内に「貼り付け」ることにより、
 取材能力を高める

それ以上にメリットなのが

★被災者側が
 「自分は小千谷市居住だから、新潟放送をチェックしていればいい」
 というように「チャンネルを固定できる」ことである。

 避難所では恐らく「体育館にテレビがたった1台」のような状況だろうから、
 「情報を求めてザッピング」なんてする余裕はないのである。

 ならば、「この市町村については、このチャンネルが独占的に放送する」
 という決め方をした方がいい。