バブルは東京にマンション文化という遺産を残した

1月3日

関東大震災は、その後の日中戦争・太平洋戦争の伏線になった点ではマイナスだが、「東京を世界最大の電車都市」に構造変換させた点でプラス/バブル景気は、その反動で日本経済に「失われた20年」をもたらした点ではマイナスだが、東京圏に「マンション文化」を定着させた点でプラス

80年代的な「一戸建て至上主義」が今でも蔓延してたら、東京圏は通勤輸送等が今頃マヒしてる/結果的に80年代末〜90年代前半の「マンションでもいいじゃないか」価値観の普及が、東京圏の効率的土地利用に寄与

大阪圏は都市規模の割には「別にマンションでもいいじゃないか」な価値観が浸透。私見だが、長谷工が関西で積極的に商社と組んでマンション供給した結果/平野が少ない福岡・広島、積雪が激しい札幌は、人口の割にマンション価値観が普及/他方、名古屋はマンション価値観が人口の割には全く普及せず

東京の価値観転換は、まず80年代末に「一戸建て入手は不可能」と一戸建て価値観が崩壊し、次に92〜93年頃に「でも、マンションなら何とか入手できるかもしれない」となった。先に一戸建て価値観が崩壊し、価値観の空白の隙にマンションが侵入

東京23区などは、80年代当時から、実は人口100万人以上増えている/人口受け入れの受け皿が、23区内の分譲・賃貸マンション/「別にマンションでもいいや」という価値観の転換が、23区の人口増をもたらしている

実際、80年代から今にかけての23区内の変化って、2階建ての家が3階建てになり、5階建ての古いマンションが10階建てマンションに建て替わったり、の些細な変化。なかなか気づきにくい/でも、平均利用階数が2階⇒2.2階と10%増になるだけで、23区の収容人数は800万⇒900万に増加

@arkanal1 いわゆる「パワービルダー」という形態が出現したのが90年代。飯田のいい家みたいなもの。/80年代までは、都心から50キロ圏とかに、強引に宅地開発するパターンが主力。成田線沿線とか鳩山ニュータウンとか。

パワービルダーって、90年代の「市街化区域内農地への宅地並み課税」に合わせて出現したような気がする。確証はないが/定年退職したら、都市計画学のエアポケットであるパワービルダーについて研究してみたい気もする。