宅配便は最速配達した方がコストは安い

11月23日
早く届くこと自体は、そんなにコスト掛かってないかも。個々の配達はスピード化した方が、効率がいい、回転率が高いから、固定コストが薄まり経済的 / “半日ちょっとでAmazonから荷物が届く社会は狂っている - シロクマの屑籠” http://htn.to/fqa31HN

スピード化させることは、一見コストが掛かるように見えるが、回転率が上がるから、「むしろ、経済的」になるパラドックス。タマホームは、施工がスピーディーだから、大工の回転率が高いから、安くなってる

アマゾンの配達も、ヤマトも佐川も、個々の配達スピードが速くなれば、一人の配達員が一日で配達できる量が増えるから、荷物に占める人件費は薄まって安くなる。「早い配達はクレージー」という印象論で議論せずに、数値を見るべし

LCCなんかもそうで、空港での折り返しの所要時間をトコトン短縮化している。それによって、一機での運航びんすうを最大化させ、コストを抑えている

ブコメにあったケド、アマゾンは「最速配達に配達体制が最適化され、コストが安くなってる」から、「配達時間、配達日指定」されちゃうと、最適化から外れるから、高くなっちゃう / “「半日ちょっとでAmazonから荷物が届く社会は狂って…” http://htn.to/jeprXe

今後、ドローンとかペッバー君がアマゾン配達するなら、彼らは最速で届けようとするでしょうな。その方が効率的で、そして「経済的」だから

JRから夜行が姿を消したのも、全く同じ文脈だよ。一編成で一日に一回転しか出来ない夜行より、同じ距離を一編成で一日に三回転はできる新幹線の方が、結局は「コストが安い」

確か、東京〜博多な高速バスがあっても、LCCと運賃あまり変わらない。それは、高速バスは1台が一日に一往復も出来ないのに対して、LCCは何往復も、出来るから

だから、感情的に「スピードがアップされるのは、どこかに無理があるに違いない」と決めつけるのではなく、スピード化は是認した上で、「でも、都合の悪いときの再配達も、欲しいよね」とカスタマイズサービスの御願いを論じるべき

新幹線で3時間で行ける距離を、敢えて夜行で行くのも、カスタマイズサービスの一種なんだよね。夜行は「宿泊サービスの変形」でもある/インバウンド拡大によるホテル不足で、宿を取れない人が夜行高速バスに押し出されているらしい。今なら夜行列車を復活できる

11月24日
以前タマホームを研究していて、「タマホームは、施工が速いことが、回転率を高め、下請けの安定稼働につながり、結果的に原価削減になってる」という結論に達して、目からウロコだった。工程をスピードアップすることが、実はコスト削減になる

その理屈で言えば、今マンションの工事費がとてつもなく上昇してるが、施工のスピードアップを突き詰めれば、施工能力の増大になりコストダウンになる筈だが、そうなると杭問題が、、

タマホームの場合、施工のスピードを上げるために、プランを事実上限定してる。その方が施工ミスが発生しない/そして、「営業マンが、プランを作成できる」「設計者が、不要」となるから、ますますコストダウンになる

アマゾンのドローンによる最速配送も、最初は導入コストが嵩むが、その後は、「ヒトによる配達より、効率的で、結果的に経済的」になるロジックだよ。

都内みたいな地価の高いエリアだと、配送に時間を掛け、倉庫スペースを余分に確保するより、ジャストインタイムで配達しちゃった方が、スペース代が嵩まない

トヨタカンバン方式が、いろんな意味で「効率的」なんだが、「カンバン方式純化させてしまって冗長性を失われると、災害時の対応が出来ない」という問題はある。でもそれは感情的に反対する問題じゃない。

ジャストインタイム配達、最速配達が、労働者の過重労働とか、社会的不経済の基に成り立っているのなら、それはそれで糾弾されるべきだが、コンプラ的に問題ないのなら、最速配達を感情的に非難するのは筋違い

超音速旅客機(コンコルド)も、騒音とか事故とかの問題でお蔵入りになったケド、本来的には「大陸間をスピーディーに運航する→回転率が高い」から、結果的には「経済的」になる可能性もあった。惜しいことをした

リニアについて、一部に反対論があるようだが、自分はそういう文脈で、「速くなることは、むしろ経済的になる」というロジックで大賛成。推進している葛西天皇国粋主義者だとか軍事転用云々は、別の話

多分、「のぞみ」の運行コストの方が、「こだま」の運行コストより、安く済んでるよね。「こだま」に空席が目立つから、政策的に「ぷらっとこだま」でテコ入れしてるだけ。

1960年代は、まだ国鉄の輸送は、在来線とか夜行列車に輸送最適化されていたから、イレギュラーな新幹線輸送は、実際にコストは割高についた/その後、新幹線投資の償却が進むにつれ、新幹線輸送が国鉄にとって最適化輸送になった。そうなると夜行の方が割高になる

リニアも、導入当初は割高。JR東海が、まだ新幹線に最適化してるから/JR東海が徐々にリニア最適化していったら、リニアが安くて新幹線が高くなってくる

首都圏の朝ラッシュ、以前は輸送需要が過大だったから、各駅停車のスピードに全てを合わせた「平行ダイヤ」にしなければ、ダイヤが組めなかった/これから団塊世代が退職したら、輸送需要が減少するから、「実はコストが少なくて済む」快速運転を増やす(その分各駅停車を減らす)ことが可能になる

快速運転が増えれば、黄昏ニュータウンからの通勤時間も短縮され、黄昏ニュータウンへの転入も増える

道路物流について話しても、圏央道の開通とか、中央環状線の開通とか、新東名の開通とか、ジャストインタイム配達の為のインフラがもの凄い勢いで整備されている。折角のインフラだから、最速配達で使い倒さなきゃ、ソンソン

「実は、最速配達の方が、経済的」と気付く力があるか否かが、今後の世の中を渡っていけるか否かの別れ道だと思う

日本郵政を見てると、「最速配達が経済的」と気付いてるのか、かなり疑問。本当に気付いてるなら、利益の額は大きいが利益の率は小さい「年賀状」なんかは、とっくに縮小している筈