犯罪者は都市圏の反対側へ移住する

11月23日
真保裕一繋がれた明日」読了。主人公は千葉出身の悪ガキで、刑務所出所後は、保護観察の関係もあるのだろうが、昭島に住んでいる設定/やはり、犯罪者は、過去の犯罪事実がバレないように、昔の生活圏とは反対側に住みたがるのか?

真保裕一は無意識に設定したと思われるが、「首都圏の反対側に、転居する」という設定が、なかなかナイスな設定に思える/多分、DV被害者なんかも、無意識のうちに首都圏の反対側に逃げてるのでは?横浜の被害者なら、逆に浦和に引っ越してるとか。

昔であれば、「首都圏で犯罪を犯したら、関西方面に逃亡する」という犯罪者心理が働いてたが、最近はどうなのか?関西は逃亡犯にすら「選ばれない街」になってしまっているのか?

別に犯罪者でなくても、人間関係のトラブルとかあれば、首都圏から関西に転居とかしてたのが昔だった。中にはそれで成功した人もいる/今だと、首都圏の情報が氾濫して関西は存在すら意識されてないから、「何かあっても、首都圏の反対側に逃げる。関西に逃げることは、思いつきもしない」のか?

この原作は2003年だが、「マイルドヤンキーエリア(千葉)」から「逆のマイルドヤンキーエリア(昭島)」に行ってるのが興味深い。23区は素通り/ムショでできたダチは、更に別のマイルドヤンキーエリア(蓮田)に住んでる設定で、真保裕一は無意識にマイルドヤンキーエリアを知っていた

あと、ムショで6年間過ごしてるうちに、ケータイが一気に普及してることに主人公がビックリしている。/確かに、「刑務所で過ごしてる」という設定だと、「浦島太郎」を描写できるな。「ムショに入っているうちに、2ちゃんが衰退して、LINEが流行ってることにビックリした主人公」とか

6年前だと「そんなん流行らんだろう」と言われてたフェイスブックが、主人公がムショから出所したらそれなりに使われていて、主人公が目を丸くするとか

今ムショに入れられてしまったら、6年後に出所した時に「ツィッター無くなってました」「はてな、無くなってました」だと、非常に困る。ありそうで、困る