宅建業法や介護労働とコンプラ

12月19日
とある役人との会話で、「不動産仲介は、現状は接道義務違反などの不適格物件も仲介してますが、例えば宅建業法で、不適格物件の仲介を禁止したら、どうなりますかね?」と言われた。

仮に宅建業法で不適格物件の仲介を禁止した場合、売り主は合法化の努力(例えば、無接道の解消の為に隣地に土地の一部買収をお願いする)に走って合法化物件が増えるのか?それとも、「闇の不動産取引市場」が出来、地下取引されるのか?後者な気がする

宅建業法の現状の立て付けは、「不適格は不適格の事実をそのまま受け止めて」、その旨を重説に説明するだけ/言ってみれば「大人の解決法」だが、ある意味子供っぽい原理主義者が国交大臣になって、「なぜ不適格物件の仲介が合法なのか?」と叫んで宅建業法を「改正」したら、どうなるのだろう?

それをいい始めたら、「不適格物件からのリフォーム依頼は断るべきなのか?」とか「水道局は不適格物件からの水道開設申請を却下すべきなのか?」な話になるなあ

「損保ジャパンのメッセージ買収は上手くいかないだろう。なぜなら、彼ら一流企業は、立ち位置的に、介護スタッフの過重労働をコンプラ的に許容出来ない為、適法な労働時間に抑えざるを得なくなり、労働力が確保できないから」のツイート。一流企業はある程度の過重労働を見てみぬフリが出来ない

というツイートを見て、昨日の「宅建業法では、不適格物件も仲介する大人の対応してる」な話を思い出した。申し訳ないが、介護業界は、そしてそれを所管する自治体や厚生労働省は、介護スタッフのオーバーワークを杓子定規に摘発してしまったら、マンパワー不足で介護が崩壊することを知っている

だから、介護業界そして厚生労働省は、「スタッフの労働時間については、見てみぬフリをする」という「大人の対応」をして、なんとか業界を維持してきた/果たして、損保ジャパンは「大人の対応」が出来るか?それとも金融業界の感覚でコンプラ原理主義で行くのか?

で、その役人とのテーマは「不適格な空き家に対して行政が支援すべきか、否か?」/都市部の空き家の数割は、接道義務違反で再建築不可の敷地故に、流通性なく空き家になるパターン/政府が本気で空き家対策したいなら、都市部の接道義務違反空き家の対処法を本気で考えなきゃ解決出来ない