マスコミブレーク71・推理小説的事件はマスコミは取り上げない

マスコミブレーク71・推理小説的事件はマスコミは取り上げない

(なんでも掲示板 05年01月・07月 投稿済)

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推理小説的事件は、果たして全マスコミが取り上げるか?
  
  今日の「めざましテレビ」で「以前、当時49歳の母親を殺害された娘が、
  今度は自分が49歳で殺害された」というニュースをやっていた。
  どうも、他の「ワイドショー」はこのニュースで持ちきりのようである。

  「推理小説的には」非常に「興味深い」事件である。

  しかし、今日の日経新聞では、この事件は全く取り上げられていない。
  恐らくNHKでも取り上げられていないか、取り上げても「わずか」の
  ようである。

  「推理小説的に面白い」事件というのは、ワイドショーや夕刊紙、スポーツ新聞には
  向いているかもしれないが、いわゆる「クオリティーペーパー」的新聞には
  向いていないのかもしれない。

  なので、書店に売られている推理小説で、
  「マスコミはこの事件の話題で持ちきりである」というような描写が
  されることが多いが、現実の世界では
  「ノンクオリティーペーパーはこの話題で持ちきりだが、クオリティーペーパーでは
   その話題には全く触れられていない」というのが実情だろう。

  世の中の人間には
  「ノンクオリティーペーパー」ばかりしか見ないという人間もいれば、
  「クオリティーペーパー」ばかりしか見ない、というあじあ号様のような
  人間もいる。

  あじあ号様、「49歳」の事件、ご存知でしたか?

  そう言えば、20年前のいわゆる「ロス疑惑」も、週刊誌やワイドショーでは
  盛んに報道されていたが、朝日新聞その他では、殆ど報道されなかった。

  「クオリティーペーパーもノンクオリティーペーパーも、どちらも過熱して
  報道していた事件」といえば、
  ★無差別大量殺人(例:オウム事件・宅間被告)
  ★未成年者による殺人(例:佐世保女児殺人)
  ★変質者殺人(例:奈良女子殺人)
  ★政治的事件(例:北朝鮮拉致) 
  などであろう。
  そしてそういう事件というのは、あまり「推理小説」として成立するものじゃない。
  (パニック小説としては成立するかもしれないが)

  「クオリティーペーパーもノンクオリティーペーパーも、どちらも過熱して
  報道した事件」で、かつ「推理小説に置き換えても面白い事件」としては、
  戦後では「3億円事件」と「グリコ森永事件」しか思いつかない。

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推理小説のフィクション性  投稿者: スルッとKANTO  投稿日: 7月16日(土)17時17分15秒

以前、「推理小説的事件はマスコミは取り上げない」と書いた。
http://itaru-m.hp.infoseek.co.jp/m/71.htm

推理小説というのは本当にフィクションであり、実際にはありえないだろう、
というネタの1つが「ダイイングメッセージ」

はてなから
http://www.hatena.ne.jp/1121013103

>ミステリーの小説や漫画などでおなじみの「ダイイング・メッセージ
>(被害者が最期に探偵役や読者に「推理のヒント」となるような
>メッセージを残しておくこと)なんですが、歴史上の有名な人物その他で、
>フィクションではなく本当にダイイング・メッセージを残して死んだ人と
>いうのは実在するのでしょうか。するとするなら、それは誰で、
>どのようなものだったのでしょうか。

これについて、殆どの回答が否定するものであったため、
当初質問者自身が「やはり実際にはなかったんですね」と結論づけていた。

しかし、次のようなことがあったらしい。
http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20050713
# truely_false 『お初にコメントさせていただきます。
お尋ねの「ダイイング・メッセージ」の件で、要件は少し異なりますが、
20年ほど前に、『朝日新聞』の縮刷版で見た記憶があります。
それは、なにか金銭がらみの事件だったようでしたが、被害者を
殺そうとして、自動車に乗せた被害者を、自動車ごと谷底へ転落させると
いうものでした。ところが、被害者は、即死にはならず、自動車内部の
天井部分に、「犯人は○○○○」(○○○○は苗字。あるいは「ハンニンハ
○○○○」)という血文字を残していました(新聞にはこの血文字の写真が掲載)。
その後の事件の経過は見てませんが、“こんな事件ってホントにあるんだ”
ということで、記憶していました。また、その具体的な日時というのも
見てませんが、おそらく、“83〜“85年ごろの事件だったと思います。
あやふやな記憶で申し訳ありませんが、ご参考いただければ幸いです。』
# truely_false 『上述の件について、『朝日』の縮刷版を調べてみたところ、
昭和60年5月3日、徳島の池田町で起こった、保険金目当ての偽装自動車
転落死亡事故でした。被害にあったのは、男女ふたりで(保険を掛けられていたのは
男性)、男性は死亡、重傷を負った女性が、「犯人 ○○○○ ○○○」
(伏字はカタカナで実名)と、血文字で「ダイイング・メッセージ」を
残していた、というものでした。これがきっかけとなり、完黙していた
容疑者が、自供に追い込まれたそうです。
(縮刷版 昭和60年5月号 P167・199・239(写真はP239に有り)』

あと、
http://d.hatena.ne.jp/ishmael/20050711#p1
によれば、ダイイングメッセージを「発明」したのはエラリークイーンらしい。

                                                                                                                                                              • -

推理小説ネタとマスコミ好きするネタと市民が関心持つネタ 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2008年 3月29日(土)17時13分10秒


以前、
http://itaru-m.hp.infoseek.co.jp/m/71.htm
で、「推理小説的に面白い事件は、必ずしもクオリティーペーパーは取り上げない」
と書いた。

ロス疑惑が再燃しているらしいが、よく「30代は知らない事件」と解説される。
しかし、40代以上の人は、この事件を知ってはいるが、では関心があるのか、と言えば
「?」である。

刑事訴訟的には、一事不再理の問題とか興味深い点があるにはあるのだが、
その点を除けば、「1ヶ月に1回程度の頻度で報道される保険金殺人」と
あまり差はない。

なので、「マスコミは過熱」しているようだが、「ブロガーは興味ない、冷めている」
という感じがする。
正式にはテクノラティーとかのブログ検索サイトで、キーワード「三浦和義」とか
ロス疑惑」のヒット数を調べないと断定的なことは言えないが、
体感的には「マスコミが一人で舞い上がって、視聴者はシラけている」事件のような
感じがする。

マスコミが盛り上がっている原因としては、「推理小説的に面白い」ということなんだろうが、
推理小説的に面白い事件を好むのは、推理小説愛好家程度しかいないのではないか?

一般市民は、どちらかといえば「自分が被害者になるかもしれない事件」、
つまり「通り魔的事件」の方が関心がある。
この場合、推理小説的要素はゼロである。(犯人は分かっている)

そういえば、「被害者と加害者が顔見知りの殺人が9割」らしく、
「この場合死刑制度があってもあまり意味がない」とMunchener Bruckeに載っていたが、
http://d.hatena.ne.jp/kechack/20070114
「一般国民は、残り1割の被害者と加害者に接点がない事件に関心が有る」ため、
死刑制度が支持される次第である。

あと、ロス疑惑云々の頃は小生は関西にいたのだが、体感的にはロス疑惑
「東京マスコミが勝手に舞い上がっている遠くの事件」という感覚があり、
「あまり面白くなかった」。
同時並行して関西でリアルタイムに展開されていた「グリコ森永事件」は、
推理小説的にも、クオリティーペーパー的にも、一般市民的にも、
「圧倒的に面白かった事件、事件の三冠王」(不謹慎で失礼)であり、
「せっかくこんなに面白い事件があるのに、どこにでもある保険金殺人ばかり
 取り上げて、東京マスコミはツマラン」と感じていたものだった。