法律ブレーク12・労働法制と規制緩和

法律ブレーク12・労働法制と規制緩和
(なんでも掲示板 00年5月 投稿済)

                                                                                                                                                              • -

小生の知人の某公務員氏(って、バレたかな?)が言っていましたが、
規制緩和の精神を貫徹すれば、労働諸法の改訂に繋がる。」ということです。
蓋し正論です。

つまり最低賃金制度も、法定労働時間も、規制緩和の流れに棹差すものです。
その辺をマスコミは分かって規制緩和を主張しているのか?

で労働法制に絡めたハナシ。
今でこそ「労働団結権」や「労働争議権」は確立された権利になってますが、
これは刑法の「脅迫罪」に該当します。
つまり、雇用契約に反して、労働力を提供しないぞ、という「脅し」を労働者が
経営者へ行なっている、と解釈できるのです。
少なくとも戦前の刑法学界ではそれが確立した見解でした。
(実際には刑法でなく特別法で取り締まり・処罰がされてました)
刑法学の概念は基本的に不変ですので、当然その解釈は現代でも有効です。

ではなぜ現代において労働者は逮捕されないのか?答えは刑法に対して上位法たる
憲法」によって、労働団結権労働争議権が保証されているからです。
それにより脅迫罪の違法性が阻却されているのです。

とまあ労働者の権利って、結構脆いんですよね。
刑法や規制緩和に対しては結構アブナイんで、温かく見守ってあげましょう。

ついでに。
ドイツでは「労働Gメン」というのがいて、深夜いきなりオフィスを抜き打ち検査して、
もしサービス残業してるようだと、有無をいわさず経営者をブタ箱へしょっぴくそうです。
(日本の労基署のような「なれあい検査」とは訳がチガウ)
さすが反ナチ法・闘う民主主義の国はチガイます。

                                                                                                                                                              • -