コミックブレーク (2)「はだしのゲン」の読まれ方

コミックブレーク (2)「はだしのゲン」の読まれ方
(なんでも掲示板 00年11月 投稿済)

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ども。

小生が幼少時過ごしていた北大阪地区とかは、結構「革新」が強くて、
修学旅行先を伊勢から広島に変えたりしてました。
で、そういうところの学校の図書館には、通常の本に並んで、
マンガとして唯一「はだしのゲン」があったりします。

はだしのゲン」の連載は昭和40年代だったと思うのですが、
昭和50年代以降、いわば「日教組・PTA唯一公認マンガ」の地位を
獲得して行きました。

しかし、このことは作品としての「はだしのゲン」の読まれ方を
限定的にしてしまうのではないでしょうか?

この辺り、マンガ評論家の呉智英は、「もっとも不幸な読まれ方をしたマンガ」と
形容しています。
呉智英曰く、「はだしのゲン」の登場人物の心理描写等は、通常のマンガと比較しても
遜色のない、優れたマンガである、とのことです。
「人間の業」を感じる、とも言ってます。

にもかかわらず、「反戦マンガ」と単純なレッテル貼りをするのは、本当の
はだしのゲン」の面白さを半減させるようなものだ、と言ってます。

小生も確か小学生のころにクラスの本棚にあって、7巻位まで読んだ記憶がありますが、
大人になった今、反戦云々以外の「魅力」を求めて読んで見たい、という気がします。
※「はだしのゲン」の反戦マンガとしての効果を否定している訳ではありませんので、
 念の為。

それにしても、「はだしのゲン」以外に、太平洋戦争を取り上げたマンガが
少ない、というのは残念なことです。
単なる反戦とか、そういうことを超えて、太平洋戦争には様々な人間ドラマが
あるハズなんですが。

小生の知ってるのは手塚治虫アドルフに告ぐ」、安彦良和虹色のトロツキー」、
あと強いて言えば大和和紀「紀元2600年のプレーボール」(かなりギャグマンガ
なのですが)、これ位ですからねえ。

杉原千畝をキーパーソンとして大作マンガを描けば結構面白いと思いますが。

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