社内ブログ・社内SNSは、本来霞ヶ関こそ導入せよ

Googleの急成長の秘密として「社内ブログの存在」を挙げる人が多い。
これは、社員にのみ閲覧可能なブログを全社員が執筆し、
社員が仕事の進捗状況や私的なこともブログにカキコする、と
いうものである。
社員にのみ閲覧可能、という性格を見れば、
SNSソーシャルネットワークサービス)に
近似しているともいえる。

従来なら
「今日の打ち合わせ結果を、A部長とB課長、あとCさんにも
メールしなければならなかったな」ということで個別メールし、
うっかりメールし忘れてB課長に怒られ、他方で別の部のDさんは
「打ち合わせの結果って誰が知っているのかな?」と社内を探し回る、
という非効率な世界が広がっていた。

それが、ブログを書いてしまえば、A部長もB課長もCさんも、
そして本来対象外のDさんも見ることができ、場合によっては
Dさんがコメントを入れる、ということによりさらに社内議論が
発展する、ということになる。

平たく言えば「知の社内共有化」である。

で、企業が社内ブログを入れるかどうか、は、その会社の「勝手」である。
「ウチは別に効率的な経営を目指さない、アナログで進む」という
社長がいて社内ブログ導入を拒否するのなら、株主には何か文句を
言われるかもしれないが、ある意味では「自業自得」である。

しかし、霞ヶ関は違う。
国民のための行政効率化を目指すのなら、霞ヶ関こそ「社内ブログ」
もとい「省内ブログ」を導入すべきだ。

農林水産省課長補佐 A氏のブログ
 3月20日
 今日は厚生労働省と共同で○●審議会の準備打ち合わせがあった。
 その中で・・」
 と執筆すれば、そのブログを厚生労働省のみならず
 財務省経済産業省の官僚も閲覧することができる。

ここで目指すべきは行政の効率化であるが、将来的には情報公開の
1ツールとすることも考えられる。
つまり、10年以上経過したら、このブログを一般に公開するのである。

というか、今でも内容によっては「SNS」にせずに、一般公開しても
いいのではないか?
時々役所が仰々しく「パブリックコメントの募集」をしているが、
そんなことしなくても、各官僚がブログを執筆して、そこへのコメント受付で
用が足りる、とも言える。