旅行会社のビジネスモデルと、今後の不動産業界

日経ビジネスに書いてあった。

かつてネットが普及する前は、旅行会社が、宿と観光客をつなぐ唯一のチャンネルだった。
旅行会社は宣伝をして観光客を囲い込み、宿に大量送客していた。

そのビジネスモデルがネットの出現で崩壊した。
観光客はネット上で宿の中身を吟味し、直接ネット予約する。

そのような時代において、旅行会社が果たす役割は何か?
日経ビジネスによれば
「対観光客=旅行アドバイスコンシェルジュ
であり、
「対宿(地域)=地域活性化アドバイザー」
である、とする。

つまり、具体的に「グアムの●●ホテルに泊まりたい」という旅行者を
相手にするのでなく、
「イルカを遊びたいが、どこに行けばいいのか?」とか「一人旅で秘湯に漬かりたいが、
どこに行けばいいのか?」という来店者の「漠とした旅行ニーズ」に対して、
自らの知識経験をフル動員して、「それならばこの観光地がお勧めです」
「この宿がお勧めです」とコーディネートする、という役割。

で、末端の店舗で「イルカと遊びたい」とか「秘湯に漬かりたい」という
ニーズが多い、ということがわかれば、それを本部が集約して、
「最近の消費者ニーズとしてこのようなニーズがあるので、
 例えば久米島でイルカウォッチングの船を傭船しよう」のような
提案を久米島町に行なう、これが旅行会社の対地域提案力になる。

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はてな」を見ていると、
「急に休暇取れたので、どこに行けばいい?」とか
「家族旅行でお勧めのスポットを教えて」のような
「漠とした質問」が多い。
小生は時間が許せば回答するようにしているが、本来これは旅行会社がすべき仕事である。

実は、「はてなの漠とした質問」は旅行以外にもあって
「どの街に住めばいいか?」
「どこで家を建てればいいか?」という不動産ジャンルも、「漠とした質問」が多い。

不動産も今後ネットによる中抜きが進行すると思われる。
宅建による重要事項説明が必須なので、完全な中抜きはありえないが)

そういう時代に不動産会社が果たす役割、というのは、
インテリアから住宅ローン、引越し等に至るまで、不動産購入(賃貸)に関する
総合プロデュース能力ではないのか?

なので、業界としては、従来の宅建資格を「最低限」として、
さらに不動産周辺知識について民間検定を行なって、
不動産総合プロデュース力があるかどうか、を消費者に訴求する、という
活動が必要なのでないか?