都内のマンション価格と建売価格が逆転した!

5月8日
日経首都圏版には「23区の3月新築戸建価格は5458万円」と載ってる/不動産経済研究所発表、3月の23区新築マンション平均価格は6011万円。つまり、23区ではマンションが戸建より高い(郊外も同様) / “東京カンテイ、「新築と中…” http://htn.to/atmYcdd

肌感覚として『区部でもマンション価格が高騰して、オープンハウス等の建売よりも高くなっているのでは?』との疑念を持っていたが、東京カンテイ&不動研のデータによってそれが実証された/「区部における中古戸建と新築戸建の逆転現象」以上に、「マンションと戸建の逆転現象」の方に報道価値がある

先日TBSの番組で、『区部のマンションは2020に3割下がる、もし都内で家を買いたいなら、外人の投機買いなどがない戸建の方が、相対的に価格崩れリスクがない』とどこかの社長が言っていたが、まさにこういうこと。

マンション創生期の昭和30〜40年代は、マンション(=「邸宅」)とは「戸建よりもはるかに高く」て、「都心にしか存在しないもの」「エリートしか買えないもの」だった/その後昭和50年代になって、マンションは「大衆化・郊外化」し、「戸建を買えない人が、仕方なく買うもの」に変質

ここ最近の「マンション価格が戸建より高い」という傾向は、「本来の意味での(昭和40年代的な)マンションへの回帰」ということなんだろう

「都内戸建てより500万円高い」都内マンションを、それでも買う層というのは、交通利便性とか眺望とかも買ってるのだろうが、それ以上に「マンションという、パッケージ化されたステイタスブランド」を買っているんだろうな。スイス製腕時計を買うのと同じ理屈

「スイス製腕時計なんて、時間を見る機能しかないじゃん。時間も判るうえに、通話もできアプリも見れてゲームもできるスマホの方が、コストパフォーマンスが1万倍はいい」とツッコミを入れるのは、野暮というもの

戸建というのは玉石混淆で、ピンは建築家の手による豪邸から、キリは飯田グループの2,000万円建売まである。質の格差が著しい/その点、マンションだと、格差はそこまでないから、ブランドとしての品質を保ちやすい。

昭和50年代の、マンションの「大衆化」「郊外化」というのは、ひとえに長谷工の尽力による/今の「マンション価格が、戸建を上回る」という状況は、長谷工やオハナの頑張りが足りないということか。