高齢者のスイッチングコストが日本を滅ぼす

http://twilog.org/shinjukujiro/month-1509/allasc-7

9月16日
@haruboo0 @dorondoron333 でも、自分の親も、妻の親も、ネットショッピングしてないから、高齢世帯も含めて計算すればそんなものかと。ウチは妻が利用してますが。

9月19日
先日『シニア世代では、ネットショッピングは(若い層が想像する以上に)あまり使われてない』なツイートをした/『何故』シニア世代は便利なものを使わないのか?/『ネットリテラシーが足りないから』というのも回答の一つなんだろうが、ネットリテラシーがあるシニアでも、利用率は高くないんだよね

これって、つまるところ、『なんとなく』ネットショッピングを使ってない、というのが『最大の理由』なんだよね。習慣化・常識化していない人々に、いくら『便利ですよ』と啓蒙しても、それに感化されて行動を変容させる人は、想像以上に少ない/つまり、『理由なんて、ない』が『最大の理由』

高齢者ほど、日常の行動は保守化しているから、『○○に変えると、便利ですよ・経済的ですよ』というプロモーション・啓蒙の効力が、なかなか奏功しなくなる

20代だと、『ほぼ毎日、行動を変容させていた』のが、40代だと『行動変容の頻度は1週間に1回』に減り、60代には『1か月に1回しか、行動変容』しなくなり、80代だと『年に1回しか、行動変容させない』てな感じ

『行動変容の頻度が、最大でも1年に1回程度』な老人にとっては、『引っ越し』とか『新しい家電製品』とか『新しいマイナンバー制度』とかが導入されるのは、『激しくストレス』なんだろうな

こういう『高齢者の行動変容の啓蒙・プロモーションの社会的研究』なんてのは、老人学の一環として、ないのかな?

勿論、こういうのは個人差は大きくて、例えばはるぶー様のご両親は、ネットショッピングを駆使していらっしゃるらしい/でも、そういう『若々しいシニア』は少数派なんだろうな。

『気が若い人』というのは、行動変容のコストが限りなく低い。『今まで1,000円のA商品を買ってた』が、『900円のB商品』があれば、つまり価格差10%でも、行動を変容させるのが若い人。

新しもの好きな人の場合、価格差ゼロでも、敢えて新しいモノの方を試そうとする。チャレンジリスクを、ストレスと思わず、逆に『快感』と感じる/一方、高齢になればなるほど、スイッチングコストのハードルは上がる。高齢になれば、2〜3割以上の価格差がないと、スイッチしなくなる

気が老人な人は、極端に言えば『A商品が1,000円なのに対し、新商品Bは0円、つまりタダ』という100%引きな環境下でも、スイッチングそのものに物凄い抵抗感を示して、スイッチングしなくなる。もはや、合理的な経済行動ではない。

『マンション一括受電にした方が、経済的にはどうみてもオトク』なのに、『一定数の反対層』というのが現れる。反対者にはいろんな人がいるが、『スイッチングのハードルが高い、経済合理性に欠いた人』というのも、一定数存在する

『日本が高齢化する』というのは、つまり『スイッチングコストに耐えられない人が増える』ということであり、『経済的に合理的な制度であっても、導入出来ない』というシーンが急増することになる。

子供の場合は、行動変容への柔軟性が高い。というか、そもそも行動そのものがまだ固まってない/加えて、親や教師が口うるさく行動を指導する/大人になってしまうと、『目上の立場から、行動を指導する』人が少なくなるのがヤバい。特に老人になってしまうと、誰も指導できなくなる。

省エネ家電とか、最新の住設機器って、なかなか70代80代のシニア家庭に普及しない。それは経済的理由以外にも、『買うカネはあるけど、替えること自体がメンドクサイ』という心理的理由も、無視できないと思う。

『高頻度な行動変容に、耐えれるようなトレーニング』的なものを、60代70代の高齢者に、半強制的に受講させた方が、本当はいいんだろうが、そこまで強権国家じゃないからな、日本は。

@salon_ena 『同じ利便性・品質で、価格差が存在してるなら購入商品をスイッチするのが若い人』という趣旨で書きました。高齢になると、『明確な価格差が存在しても、スイッチングしなく』なります。

行政の内部に、一定数の『80歳の老人』を入れておいて、彼らがモニターするような制度を、取り入れた方がいいのかな?老人をも対象とする行政の制度変更って、年に十数件はあるだろうが、それに対して80歳老人が耐えれるかどうか、『ストレステスト』が必要

スイッチングによるストレスそのものが、認知症発症の引き金になったりするかならあ

だから、まだスイッチングへのストレスが弱い60代のうちに、『散歩の際は、常に別のルートを通りましょう』とか『現役時代と違う趣味を身に付けましょう』とか『新しい本を絶えず読みましょう』な『スイッチングトレーニング』を励行すべきなんだろうな

その意味では、60代で『孫の相手をする』というのは、極めて『スイッチングのトレーニングとしては効果的』で、『ボケ防止になる』んだよな。赤ん坊なんて、毎日どころか、毎時スイッチングしてるからなあ。

今後、『高齢者の半数が孫無し老人になる』という予測も出ているが、となると、認知症発症比率も急増するんだろうな。

アダムスミスの時代だと『100%の個人は、行動が経済合理的』という前提で経済学を作っていたんだろうが、さすがに現代経済学は『一定数の個人は、経済非合理的行動を取る』というように学説を変えている/でも、現代経済学でも、『企業は、100%経済合理的行動する』としてるのでは?

実際には、零細企業とかワンマン企業なんかだと、企業オーナーである個人の経済非合理的判断に振り回され、結果として非合理的な行動を取る企業が、少なくないと思う

大企業でも、実際のところ『100%、経済合理的に振舞える』という完全無欠な企業の方が、レアなのでは?一部上場企業であっても、経済合理的な経営判断は、まあ70〜90%程度であり、10〜30%程度は非合理的決定をしている気がする

これが個人だと、100%経済合理的判断を出来る『超人』というのは、まあ存在しない。良くて70%程度。/これが老人になると、良くてせいぜい30%、悪くて10%、認知症になるとマイナス%になる。

個人にしても法人にしても、経済合理的行動を取れない理由は、『1.スイッチストレスを過大に感じる』『2.見栄、メンツとか感情を先行させる』『3.家族の情愛、あるいは性欲を優先させる』辺りが挙げられる

そして、それ以上に『個人にしても法人にしても、合理的経済行動を取るだけの経済情報収集能力に不足している』、或いは『経済情報を正しく解釈できるリテラシーに不足している』なんて要因も、結構大きい。

だから、その個人(法人)の経済資力&経済リテラシーに合った、カスタマイズされた経済情報・生活情報を与えてくれるサービスなんてのがあれば、世の中はもっと効率化するんだろうな。スイッチングへのストレス耐性が低い人に、ネットショッピングを推奨するとか

まあ、国民の100%が経済合理的な国民ばかりになっちゃうと、長期的に国が亡ぶけどな。『子作り子育て』という、経済非合理の極北みたいなことを引き受けてくれる人がいなくなる。

経済合理性の極北みたいなツイートを繰り返したが、ツイートの最中に、下の子にせがまれ「お祭り」に行くハメになり、金魚すくいで金魚2匹飼うハメになった。/自分に関する限り、全く経済合理的じゃない

9月22日
政治・宗教・信念的なスイッチングコストの話/社会的に「誤っている」情報を信じている人に対し、「正しい情報を与え続ければ、訂正してくれるだろう」というのが従来的な社会啓蒙の考え方だが、心理学的には「逆効果」らしい。「かえって偏見への信仰を強めてしまう」

例えば「ホメオパシー」を信仰している人に、「科学的に間違っている」と材料を沢山提供すれば、ホメオパシーの呪縛から離れられるか?というと、真逆で、ますます信仰を強めるのが人間心理らしい。

はてな」で紹介されていたのが「少年犯罪は減っている」という統計事実。「増えている筈」と盲信している人に、「へっている」という統計事実を突きつけても、全く信用しなくて、自身の盲信を深める効果に終わってしまうらしい。

では、「ホメオパシー」とか「少年犯罪の増加」を盲信している人の「洗脳」を、どうすれば解けるのか?、この部分の具体案が存在しなかったりするから、悩ましい。