基準地価よりマンション価格を公示しろ

9月19日
先日「基準地価」が公表された/基準地価・公示地価って、建てつけとしては「素地価格=建物の経ってない更地価格」の公示/でも、リアルな不動産取引の現場で、なかなか素地の取引って少ないしなあ/都内とかだと、取引の大半は中古マンションだったりするし

古家付き建物の取引とか、店舗付きの土地の取引とか、いろんな「素地以外の取引」から、行政の委託を受けた不動産鑑定士が、「鉛筆をナメナメして」、素地の価格を「類推」している、それが基準地価。公示地価の「作られ方」。

今回、都内・名古屋(基準地価上昇)と、都市でもない地方(基準地価下落)を除くと、概ね「前年比+1%〜−1%」のレンジに収まった数値が発表されてる。が、その作成作業が先述のような状況だから、実態は、「もっと上がっているスポット」もあれば「もっと下がっているスポット」もあると思われる

というか、最有効利用可能な取引単位じゃない土地は下落し、最有効利用可能な取引単位な土地だとそれなりに上昇している、それが実態なのでは?例えば、パワービルダーが好むような、住宅地エリアの100〜200坪の土地はそれなりの値が付くが、それ以上の大きさ・住宅不適地の土地は下がるとか

一般庶民が関心がある、そして暮らしに直結するのは、「素地の取引価格」なんかじゃなくて、「70平米マンションの中古取引価格」とか「30坪建物付き土地取引価格」の方。そっちの方を公的機関が集計してインデックス公表する方が、圧倒的に意味がある

いや、公示地価基準地価って、行政が土地を公的買収する際の参照数値となるから、その意味では「行政内部で、意味がある」のだな。/巡り巡って、路線価とか固定資産税課税標準額の決定に、影響を及ぼす

東京カンテイが70平米中古マンション価格インデックスを公表してるケド、あれ「成約価格」じゃなく「売り出し価格」なんだな。惜しい/カンテイのデータは、あくまで「23区」とか「大阪市」というエリアの数値でしかない。基準地価みたいに「三鷹市下連雀〇丁目〇番の価格」と定点観測化されてない

各種取引から、不動産鑑定士が「恣意」で素地価格を擬制して作り上げる「基準価格」より、単純のマンション取引事例から追い出す格好で「三鷹市下連雀〇丁目〇番地の、想定70?マンション価格」を類推算出する方が、不動産鑑定士も作業しやすいし、恣意が入りにくい

あと、賃料もインデックス的に公的機関が集計して公表するとか。家賃賃料の他、「20坪の路面店舗賃料」とか「100坪事務所賃料」とかも、集計して定点観測的にインデックス公表すると、使いやすい

実際「名古屋の名駅が全国の基準地価上昇トップです」と言われても、リアルな素地取引は滅多にない訳で。これは恐らく、事務所そして飲食店舗の賃料が上昇しているから、地元の不動産鑑定士が「素地価格も、それに比例して上昇しているだろう」と「類推して、作文」しただけのこと