稚内送電線が完成しない安全保障上の理由

稚内〜留萌〜道央の風力発電用送電線計画がご破算になり、ソフトバンク等の風力発電計画も中止されてしまった/これ、純粋な経済学な話じゃなく、国際政治・安全保障な話なんじゃない?/この送電線が完成してしまうと、サハリンからの送電プロジェクトを断る理由がなくなる。

サハリン等の安価な天然ガスを現地で火力発電し、宗谷海峡を超えて送電しても、「日本国内で発電するより、ずっと安い価格の電力になる」のは明白。だが、経済的には合理的なこの計画を、日本は採用する気はない

一旦サハリンの安い電力を受け入て、サハリン電力の依存率を高めてしまった場合、万一日ロが外交的、そして軍事的に対立した場合に、ロシアに「サハリン電力カード」を握られてしまう。つまり、ロシア天然ガス依存度が高いために、ロシアにノーを言えない東欧の二の舞になる

孫正義氏は、こういう「エネルギー安全保障」の観点を考慮した上で、それでも「稚内から道央の送電線を増強しろ」と言っているのか?