北陸資本主義

12月17日
「下北沢ものがたり」の感想はこの辺で止めて、「北陸資本主義」という本のコメント/福井県の小学生の学力が高い理由の一つに「福井県の教師は教育学部卒が過半数。他県は教員免許は持ってるが教育学部出身じゃない、という教師が過半数」という目鱗指摘があった

あと、「大企業が少ないから、教員が人気の職種」とか「教師が保護者や地域からリスペクトされている」とかの理由が書いてあった/でも、その辺は他の地方県でも一緒

これも成る程な指摘なんだが、「福井県世帯年収が高い一因として、正社員比率が高い」という理由があるらしい。旦那は勿論、奥さんも正社員なら、それぞれの給与は東京の正社員給与より低くても、2馬力だから豊かになる。東京みたいに「非正規で1.5馬力」じゃない

大企業が少ない、中小企業が多い分、きっちり正社員になってもらってきっちり働いてもらってる、ということかも

正規・非正規に関係する話かもしれないが、北陸と九州東北の工場の差異について言及していた/昭和50年代、北陸は工場立地競争で劣勢だった。当時は「シリコンアイランド」で九州がもてはやされ、又東北新幹線効果で東北も人気。東京の大メーカーが九州や東北に大工場設置

が、そのような「外からやってきた工場」の逃げ足は速く、90年代になって円高になると、これら九州東北な工場は軒並み海外に逃げて行った/北陸の工場は「マザー工場」であることが多く、海外流出はあまり起きなかった

多分、「北陸に正社員が多い」も、この文脈で理解できる。マザー工場が多いから、地に足を付けた正社員比率が多くなる。

名古屋三河地域もモノづくり大国であるが、乗用車の世界需要の波動に即応するために、非正規やパートに依存している面が強い。その点、工作機械とか「シブい」業種の多い北陸エリアは、波動が少なく雇用の安定性が大きく、結果正社員比率が大きい。