夏目漱石「行人」メモ

1月24日
5年程前から、小説以外の本(ビジネス書、評論、ルポ)を読んだ際に、自分が知らなかった点を手書きメモにして、それをpdfにしてる/手書きメモpdf、従来はSDカードに保管してたが、SDカードには寿命があるらしいので、今日ワンドライブに移行する作業してた

移行作業は概ね7割程度の完了だが、既に読書メモpdfが400件を超えてる点について

こんな調子でメモしてたら、そのうち1000件2000件にメモが達しかねない/ビジネス書とかノンフィクションの読書量を減らして、メモ不要な小説の読書量を増やさないとヤバイ

で、「メモ不要」である小説として、夏目漱石「行人」読んだが、ここで描かれてる神経衰弱な「一郎」が、自分の知人の官僚の姿にダブって見えて仕方がない/自分はお気楽な「二郎」

「行人」の中で出てくる「お貞さん」という下女が謎。何故、長野家は、わざわざ下女(女中)の縁談を纏めないといけないのか?女中が結婚してしまって居なくなったら、何かと困るのでは?/それとも、当時は、下女も適齢期になったら、雇い主は結婚の斡旋する責務があったのか?

当時は下女が適齢期になったら嫁に出して、まだ適齢期に達してない新しい下女を雇うのだろうか?この辺の事情をネット検索しても出て来ない

今気付いたが、「行人」の登場人物は「一」郎、「二」郎、そこまでは判るとして、三番目が「三」沢なんだな。夏目漱石はわざと二郎の友人を「三」沢にした/めぞん一刻の登場人物ナンバリングの原点が、ここにある

「行人」で興味深いのは、一郎、二郎、母、嫂が、連れ立って大阪から「和歌山」に旅立ってる点/現代の感覚だと、大阪に旅行した場合、ついでに足を伸ばす先は、「京都」「神戸」「奈良」であり、「近畿のオマケ」である和歌山は選択肢に入らない

わざわざ大阪から「和歌山」に行ってるのは、漱石自身が和歌山に講演に行った体験に根差してあるのだが、と同時に「当時の和歌山は、かなり大都会だった」のかもしれない/有吉佐和子の「紀ノ川」を読むと、当時の和歌山の繁栄が判る

そして、関西の水先案内人である「岡田」は、大阪の中でも「南側」に住んでることが判る。天下茶屋とか浜寺とか出てくる/つまり、小林一三の箕有電鉄登場以前は、大阪の高級住宅地は「南」だったことが判る/だから、南大阪から行きやすい和歌山に行ったとも言える

よく考えてみたら、当時「大阪の隣の都市」は「堺」だった。京都は当時の感覚としては離れすぎてるし、神戸はまだ大都市じゃなかった/だから、大阪は「南に向かって発展」し、「大阪、堺都市圏」を形成してたんだな

@nagao_fpdl 関西の表舞台から姿を消した和歌山が、関空LCCで「もっとも関空から近い都市」としてインバウンド観光客がスゴいらしい。和歌山100年ぶりの復活か?

結局、小説読んでも、PDFメモは作らない代わりに、いろいろ所感を並べたりするんだから、手間は一緒だなあ