宗教・非科学ブレーク(4)・非科学シリーズ4・皆が信じれば「迷信

宗教・非科学ブレーク(4)・非科学シリーズ4・皆が信じれば「迷信」も本当になる
(書き下ろし)

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非科学を科学する、その4.

以前、巨泉の「こんなものイラナイ!?」という番組で、「姓名判断」が取り上げていました。
その中で、姓名判断の非科学性をいろいろ挙げていましたが、「姓名判断で、人の採用を決める」という企業がありました。
巨泉はそこで、「だから姓名判断は根拠が無い」と言っていましたが、小生は「皆が信じれば本当になる」と逆に悟りました。

つまり、そういう風に、姓名判断で採用の合否を定める企業(多分少数派でしょうが・・・)が増えてくると、姓名判断で
「悪い姓名」と判断された人は、どこの企業にも採用されなくなります。つまり「運勢が悪化」するのです。
で、例えば人の採用のみならず、取引先の選定を姓名判断で決める企業があったとします。
その場合、姓名の「悪い」人が営業担当の時に、「あんたは姓名が悪いから、あんたの会社とは取引しないよ」と門前払いした場合、
その人を雇っている企業は、その人を解雇する「合理的理由」が出来ることになります。たとえその元の原因が非科学的であっても、
相手先が「姓名のいい営業担当をよこせ」と言って来ているのですから、応じざるを得ない。
こういうことが積み重なると、人事担当者は、「やはり姓名判断は本当なんだな。姓名の悪い人は成績が悪いな」として、姓名判断自体を
徐々に信じるようになるのです。
こうなれば、社会全体で迷信のスパイラルが起こります。

世の中の迷信・タブーは、出発点は非科学的です。しかし、人間心理学・社会文化学上、こういう迷信は、スパイラル化して、
やがて「科学的根拠」を得ることになるのです。
つまり「皆が信じている迷信は、自然科学的には誤りだが、社会文化的には正しい」のです。

世の中の迷信・タブーの打破には、こういう心理学・社会学的アプローチが必要でしょう。

因みに、小生は、東京に若者も企業もあこがれる「東京ブランド信仰」も、こういう「迷信スパイラル」で
成立した根拠の無いものだと思っています。詳しくは首都機能移転掲示板をご覧下さい。

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