北朝鮮が親中衛星国になる可能性と、高句麗論争

極東ブログはとことん参考になる。

韓国首相が、「北朝鮮で権力闘争により権力の空白が生じた場合に、
中国が傀儡政権を樹立するのではないか」と懸念しているとのこと。

http://japanese.chosun.com/site/data/html_dir/2004/08/27/20040827000102.html
参考のこと

今回の高英姫死去に絡んで、権力闘争が熾烈になっていると想像されるが、
闘争当事者の一方が、中国を味方につけようと考えていても不思議ではない。
逆に言えば、中国も後継者争いに「口出し」して、影響力を誇示しようと考えていても
不思議ではない。

その結果、「自主独立の金正日」路線から、「中国の衛星国の北朝鮮」に
代替わりする可能性も充分考えられる。

その方が東アジア情勢が安定化する、という考えも成り立つが、
一方の韓国から考えれば、「隣国が同じ民族」、という状況から
「隣国が他民族(の衛星国)」という状況に変化するので、
意識過敏にならざるを得ない。

そう考えれば、「高句麗論争」で中韓が一歩も譲らなかったのは
納得が行く。
高句麗が今の北朝鮮の役回りである。

実際、北朝鮮に政治的混乱が発生した場合において、韓国が介入する
法的根拠はあるのか?
アメリカがイラクに介入する権限が無いのと同様に、韓国が北朝鮮
介入できる権限は無いのである。
「同じ民族だから」というのは、国際法上通る理屈ではない。

となると、国際社会が韓国を北朝鮮を実質有効支配する正当性を
認めるかどうか、に議論は行き着く。
とどのつまり、「アメリカが認めるかどうか」である。
中国の影響力を殺ぎたいアメリカとしては、韓国の北朝鮮支配を
消極的には支援するだろうが、積極的支援まで行うかどうかは疑問である。
それこそ、中国を刺激してしまうからである。