イスラム国の出口戦略が必要だ

1月25日
イスラム国が「国家扱い」されず、国家承認する他国が現れないが、多分イスラム国がどんどん国家の体裁を整え、貿易などを開始したら、徐々に国家承認する外国が現れるかも。北朝鮮とか

事実上「国家」なのに、他国が国家承認しない状況、喩えれば「ソビエト連邦発足直後」みたいなものか。ソ連発足後しばらくは、どの国も「ソ連」の存在を認めず、国家承認もしばらくされなかった

ソ連も複数の国から「シベリア出兵」という介入戦争を体験。今のアメリカ等の「有志連合のイスラム国への空爆」と何らかわらん/「出兵」というと「戦争じゃない」ように勘違いするが、実質は戦争だから。日本から見たら第一次大戦よりもシベリア出兵の方がはるかに注力してた

1917直後の列強は、本気で「ソ連みたいな国家形態が、世界に存在してはいけない」と考え、白色ロシアを必死に支援。ただ、第一次大戦直後で、本格介入する余力は日本以外にはなかった/だが、ソ連がどんどん国家の体裁を整えるにつれ、列強も「既成事実」を事後承認せざるを得なくなった

だから、イスラム国も、あと数年もすれば、西側は既成事実として存在を認定せざるを得なくなるんじゃないか?事実上の首都であるラッカに外交官を常駐させたりするのでは?

イスラム国と外交関係なんてとんでもない」と憤激する向きもあるが、「あの」北朝鮮と外交関係を持ってる国もあるんだから、まあそんなもんだろう

1月27日

イスラム国に「人質の解放を求める」べく、あらゆるルートを駆使する、とのことだが、そもそも「お前たちの存在そのものを認めない」と国家承認を認めない先進国の要求を、イスラム国側が認めるわけがない/対イスラム国政策で欠けてるのが「出口戦略」。

「西側国内でのテロはやめろ、ネットでの宣伝はやめろ、そうしたら一定の領土は認めてやる」のような、彼らの「逃げ場」「出口」を確保してやる必要がある

建前論だと「あんな非人道的国家は、存在そのものが間違っている」だが、現実のテロの脅威を食い止めるには、彼らの「逃げ道」を確保してあげることで「共存」するしかない

2月1日
北朝鮮も一緒だよね。日本と交渉すると言いながら、もてあそんでいるだけ。湯川さんも、後藤さんも、横山めぐみさんも、早々に殺されていたと思うよ。 / “専門家「まともに交渉する気なくなったのでは」 NHKニュース” http://htn.to/vzQVcX

いわゆる『身代金目的の誘拐事件』って、誘拐犯から身代金要求が出されている時点で、半数程度は『とっくに殺害されている』のではないか?/そしてそういう事情は、国内の営利目的誘拐でも、イスラム国誘拐でも、変わらないと思う。

今回の事件で、案外日本の世論が激昂したと思う/戦前の中国大陸とか満州で、現地民間日本人が、支那国民党軍とか軍閥とか抗日勢力とかに拘束された際の、日本世論の激昂っぷりというのは、たぶんこんな感じだったんだろうなあ。

ここ20年で所謂『身代金目的誘拐事件』というのは激減してしまってる。また、『政治的目的の誘拐・人質事件』は国内では40年程度途絶えている/それはそれで『いいこと』なんだが、そのおかげで、『身代金誘拐事件・政治的人質事件』への対処ノウハウが、警視庁内部で伝承途絶えてしまってないか?

今回のイスラム国の件で、日本国内でも、外務省なり防衛省なりの中に『イスラム過激派を研究・対策する専門セクション』を新設せざるを得なくなるだろうなあ。現状は民間の中東専門家とかに意見拝聴している程度なんだろう。

で、その研究の為には、『イスラム過激派から足を洗った、元戦士』みたいな人物もリクルーティングして、『イスラム過激派隊員というのは、一体どういう思考パターンを辿るのか?』という点を検証する必要が出てくるだろう。

これはデータを見てみたいのだが、日本国内の『中東専門家』の数って、『アメリカ国内の中東専門家の数』『イギリス国内の中東専門家の数』の10分の1未満だろうなあ。まず中東専門家を増やすところから始める必要がある。