虎の子の介護労働力が中国に流出する

以前、「ベトナム出生率は1.8、タイの出生率は1.4、だから介護スタッフを東南アジアから移民で賄うのは難しい」とツイート/雑誌「選択」6月号には、更に悲観的なシナリオが載ってた。「貴重な日本国内の介護スタッフすら、超高齢化する中国に流出してしまい、日本の介護は完全に崩壊する」

介護保険の枠内で、日本の介護事業者に勤めても、昇給の見込みがゼロ。リーダークラスに昇進しても、年収はせいぜい400万円/介護保険という制度の枠がない中国が、「求む介護スタッフ600万円」なんて求人をしてしまったら、たちまち介護のノウハウ持った人材が流出してしまう

介護事業所のリーダークラスって、日本国内では全く給与的には評価されてないが、世界的には評価される存在。ここまで介護のノウハウを持ってる人材は、実は世界的には少ない

日本の家電の技術者が、高給に惹かれて中国や韓国に流出したが、それと同じ現象が、今後介護で発生する

私見だが、高給を提示する中国の介護事業所に転職する日本のスタッフは、「地方の介護スタッフ」よりも「首都圏の介護スタッフ」の方が多いだろうな。地方の人は、たとえ高給でも、いきなり海外へ転職する勇気は持ち合わせてないが、首都圏の人は海外転職へのハードルは低い

つまり、介護崩壊は首都圏から始まる

「高齢者を地方移住させなければ、首都圏の介護は終了する」というのは、まさにこういうことです。海外に逃げ出しにくい、流動性の低い労働力を有効活用すべきなんです