不動産よもやま話(45)公園の役割に「表現の自由の場の担保」もあ

不動産よもやま話(45)公園の役割に「表現の自由の場の担保」もある
(なんでも掲示板 07年03月 投稿済)

                                                                                                                                                              • -

公園の役割 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 3月 4日(日)12時58分32秒


都市の専門家や行政は、
「日本の公園は少ない」として、拡充を目指している。

で、彼らが考える「役割」とはなにか?

1.緑地の確保、ヒートアイランド解消
2.防災の拠点、延焼の防止、救援活動の拠点
3.国民の健康増進の為のスポーツ場所の確保
4.幼児・児童の遊び場、教育の場
5.地域コミュニティーの中核の場

・・・などがあるだろう。

しかし、終戦後〜昭和40年代は、上記「1.〜5.」の役割は、
実は「後順位」の役割であった。

終戦後の公園の最大の役割は
日本国憲法に基づく集会の自由・表現の自由を担保するための
 活動の場」であった。
なので、日比谷公園・代々木公園・清水谷公園などは、戦後政治史において
重要な役回りを果たすのである。

別に朝鮮総連日比谷公園使用許可問題について
どうこう言いたいのではない。
ただ、行政における現在の公園整備のコンセプトにおいて、
「政治的表現の場」という視点が完全に欠落していることが、
いかがなものか、と思うのである。

何も行政に限ったことではない。
Google先生に「公園の役割」というキーワードで検索しても、
「政治的表現の場を担保する場所」という開設の記事は、少なくとも
上位ヒットページには存在しない。
キーワードの「表現」や「憲法」を加えても、その傾向は変わらない。

ウィキペディアの「日比谷公園」の記述でも、
日比谷公園が日本の政治史に果した役割の記載はゼロである。

つまり、公園が日本国憲法上のアイテムである、という認識自体が
「過去の遺物」になってしまっている。
・・・それでいいのか?



                                                                                                                                                              • -



公園に求められるアイテム 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 3月 4日(日)13時19分20秒


実は、先述の「公園に求める役割」によって、
公園整備の内容は、がらっと変わる。

自宅から徒歩1〜2分のところにあるような「児童公園」に
求められる機能は、
「4.幼児・児童の遊び場、教育の場」
が最優先であり、なのでブランコや砂場、ジャングルジムが置かれる。

最近では犬の散歩の立ち寄り場としての機能もあるが。

この種の児童公園では、スポーツ施設、と言っても大したことがない。
草野球が出来れば御の字。
防災拠点として備蓄倉庫を整備、というのもそんなにはされていない。

勿論公園なのである程度緑地になってるが、砂場とかもあるので
さほどではない。

これが、23区の各区に1〜2箇所あるような公園になると、
それなりの広さがある。
ブランコとかもあるにはあるが、野球場とかテニスコートなんかも
設けられる。
防災拠点として、備蓄倉庫も置かれる。
ヒートアイランド対策として、相当緑化される。

で、「公園に政治的役割を持たせたい」場合、一番重視されるのは
「だだっぴろいこと」である。

この条件は「スポーツ施設の確保」「防災拠点」という目的とは
一致するのだが、実は「緑地の確保」という条件とは二律背反な
関係になる。

あと、変にブランコとかの児童遊具があると「邪魔」になる。

なので、都市公園整備計画上、
A公園はヒートアイランド対策を最優先にした公園、
B公園は児童の遊び場の公園、
C公園は政治的集会の開催を前提にした公園・・・
と目的意識を持たせた方がいいのでは、と思う。