ネット利用は子供先行

イムリーな話題ですね。
毎日新聞HP
http://www.mainichi-msn.co.jp/today/news/20040617k0000m040082000c.html

インターネット:小5、中2が経験率で保護者を上回る
 インターネットの利用経験がある小学5年生は69%、中学2年生は80%に上り、
その保護者の経験率(約6割)を上回ることが日本PTA全国協議会(赤田英博会長)
のアンケート調査で分かった。子供がネットを使う時には自分が一緒にいると受けと
めている保護者が35%いるのに対し、「親が一緒にいる」と答えた子供は14%に
とどまっていた。ネットを巡る親子の意識の隔たりや、親の目が届きにくい子供の利
用実態が浮き彫りになった。
 アンケートは昨年11〜12月、無作為抽出した小5と中2の各3050人とその
保護者6100人に郵送で実施した。小5の約80%、中2の約87%、保護者の約
82%から回答を得た。
 8割近い家庭にパソコンがあり、子供専用があると答えた保護者も6%いた。ネッ
ト利用の経験率は小5の場合、子供のほうが保護者を5ポイント上回り、中2になる
とこの差が20ポイントに広がった。
 小5が自宅でネットを使う際、保護者の44%は「自分が一緒にいる」と答えたが、
子供の回答で「親が一緒」は24%で、むしろ51%は「自由に使わせてくれる」と
受けとめていた。中2でも同様の親子の隔たりがあり、親の目の届かないところで子
供がネットを使っていることをうかがわせた。
 子供に保護者がついていけていない現状も浮かんだ。子供とどちらがネットの知識
を持っているかを保護者に尋ねると、小5で26%、中2で45%が「子供のほうが
よく知っている」と答えた。「同じくらい」を含めて「子供のほうが同等以上」は小
5で26%、中2で59%に上った。
 子供はどんな内容についてネットを使っているのか−−。小5の場合、保護者の
73%、子供の58%が「親子で話している」と答えた。だが中2では、保護者67
%、子供42%と隔たりが広がった。
 赤田会長は「さまざまなギャップは、親が子供を信用しているとも言えるが、状況
を知らなすぎるとも言える。オーソドックスだが、家庭の中で親子の会話を増やすほ
か、メディアリテラシー(情報理解能力)について保護者にも研修をすることを考え
なくてはいけない」と話した。【千代崎聖史】

<情報倫理教材の作成に取り組む宝迫(ほうさこ)芳人・埼玉県所沢市立荒幡小学校教諭の話>
 インターネットの利用実態で、親子の間にかい離があるのは、予想の範囲内だ。子
供は親に比べてコンピューターには堪能だが、言葉遣いなどコミュニケーションその
ものが稚拙で、活字は特に誤解を招きやすい。家庭でのネット利用は野放しに近い。
現在も保護者会などで注意を喚起しているが、保護者はネットの現状を知らないこと
が多く、子供のプライバシーを気にしがちだ。交通安全教室のように、ネットの危険
性に対する注意を親子に促す場を設ける必要があるかもしれない。

 <メディアと教育に詳しい藤川大祐・千葉大教育学部助教授(教育方法学)の話> 
 子供たちは学校でインターネットを使っており、親よりも利用率が高いのは当然だ
が、この結果を佐世保の(小6同級生殺害)事件と結びつけて「不適切なネット利用
が広がっている」と考えるのはまずい。ネットで生き方の可能性が広がるのは確かで、
子供には利用の時間帯や長さなど適正な生活習慣の中で無理なく使うことを学ばせる
べきだ。保護者にとっては、自分たちがネットを利用するよりも、子供がどのように
ネットを使っているかを子供から聞く努力をすることのほうが大事だ。