パラレルワールドニュース社通信〜「死刑執行人制度、始まります」

【この話はフィクションです!!】

さて、SF界には、今我々が暮らしている世界と、「ちょっとだけ違っている」、
パラレルワールドが存在しているそうです。
(「パタリロ」によくパラレルワールドの話が載っています)

で、とあるパラレルワールドから伝えられた報道を転記します。

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「死刑執行人制度、来年5月スタート!!」

従来の死刑制度では公務員である死刑執行人が、刑の執行を行っていました。
しかし、「司法・刑罰制度への市民参加」を目指して、
来年5月から「無作為抽出された市民が、プロの死刑執行人と一緒に死刑執行を行う
死刑執行人制度」がスタートします。

本日11月28日に、死刑執行人の候補者へ調査票を送付しますので、
12月15日までに返信下さい。

「死刑執行人って、どんなことするの?」
「プロの死刑執行人と一緒に、死刑囚を取り押さえ、13階段を昇らせ、
 ハンギングを実行してもらいます。
 プロの死刑執行人も一緒ですので、心配いりません。」

「仕事が忙しくて辞退したいんだけど」
「死刑執行人法では辞退できないことになっています。」

「人を殺すなんて、素人にはできないと思います。」
「大丈夫です。壁の落書きを見るような安易な気持ちで、
 死刑囚を処刑して下さい」

「死刑囚の家族に恨まれ、お礼参りされてしまうんじゃないか心配」
「大丈夫です、死刑執行人の名簿は極秘ですので、死刑囚の家族に
 ばれることはありません。」

「死刑執行して死体を見てしまうなんて、PTSDになってしまうんじゃないか心配」
「PTSDになるかもしれませんが、メンタルケアの窓口を用意していますので大丈夫です」

「死刑執行なんてこと、滅多にない出来事なんで、ブログとかで書いてしまいそう」
「死刑執行人になったことを不特定多数に漏らしてはいけません。処罰の対象になります」

「プロの死刑執行人からも、死刑執行人制度への反対論があったり、野党からも見直し論が出ているけど?」
「死刑執行人制度は国会で全会一致で成立しました。今更見直しはできません」

「そもそも、死刑制度に反対する思想の持ち主を強制的に死刑執行に加えるのは、憲法違反では?」
内閣法制局は合憲としています」

 
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なんという無茶な制度・・・死刑執行人制度がない世界に住んでいて、良かった、良かった。

・・・えっ?「裁判員制度がないパラレルワールド」があるんですか?
・・・行きたい・・・