戦時中を生きた人は、いつの時点で敗戦を確信したか?

10月7日
野坂の後藤田インタビューで、「日本の敗戦を、いつ頃から確信したか?」な質問を後藤田にぶつけていて、「台湾から上京した際に東京大空襲に遭った3月10日」と後藤田が回答していて、野坂が「そんなに遅かったのか」とビックリしてたのが面白い

庶民レベルでは、恐らく昭和の18年、遅くても19年頃には敗色濃厚と判断してたと思うのだが、高給取りな高等官、陸軍将校の方が、「敗色を認めなかった」いや「敗色が判らなかった」ということ。案外そういうものなのかも知れない

日経「私の履歴書」で、確か湯川れい子が「山本五十六が戦死した」時点で、湯川の父が「これで日本は敗ける」と語ったらしい。これは敗戦判断の中では早い方だろう/野坂昭如によれば、高松宮はミッドウェーの敗戦、昭和17年時点で日本の敗戦を予想したらしい

似たような質問を、バブル経済に生きた人にしてみると面白い。「あなたは、バブル経済の崩壊を、いつ時点で予想しましたか?いつ時点で確信しましたか?」/高橋乗宣は、1990年初頭段階で、バブル崩壊を予言してたからな。これが一番早いのでは?

でも人によっては、1991年時点でも、「これはバブル崩壊じゃなく、一時的な調整だ」と言ってたりした/世間的に「バブルが崩壊した」が共通認識になったのは、1992頃ではないか?

「敗戦になかなか気付かなかった後藤田」の例からすると、バブル崩壊も、証券マンや不動産屋の方が「これはバブル崩壊じゃなく、一時的な調整だ」と強がって、なかなか崩壊を認めなかったんじゃないかと。案外、タクシー運転手の方がバブル崩壊を的確に把握できてたりして