私鉄というビジネスモデルをアジアに移出せよ

2月17日
世界の鉄道利用者の4割が日本。利用者数は圧倒的世界一。しかもその9割は3大都市圏/批判的ブコメ多いが、今後アジアのマンモス都市も、日本的電車システムが導入されると思うぞ。というか導入しないと都市問題ヤバイ / “「鉄道世界一」は…” http://htn.to/QbHn1j

日本が「鉄道大国」になった理由は2つ。一つは、小林一三という天才の出現。これによって「鉄道会社による郊外開発」という日本独自の「私鉄ビジネスモデル」が誕生し、都市が膨脹して鉄道が発達した

もう一つ、大正時代の「大東京」が都市としての限界点を迎えたタイミングで関東大震災が発生した。これ以降、大東京は「鉄道通勤で職住分離させる」という都市改造を行い、限界点をあっさり突破して加速度的に膨脹する/関東大震災以前は、「通勤」はあまりポピュラーじゃなかった

実際、五島慶太小林一三ビジネスモデルを大東京に移入した訳だが、関東大震災が発生してなければ、或いは失敗していたかもしれない

関東大震災が発生してなければ、恐らく東京は「鉄道依存率が、欧米並」の、普通の都市になっていただろう。つまり、道路依存度が高い為、都市成長の限界に達して、恐らく2000万人程度で頭打ちしてたのでは?/鉄道最適化した都市構造のお蔭で3500万人都市になれた

日本が「世界一の鉄道大国」と自慢する要素が2つあって、一つが「3大都市圏の、圧倒的な通勤輸送」。でもう一つが「シンカンセン」。なんたって、アニメになる位/しかし、シンカンセンの競争力は、実は大したことなくて、東洋経済の記事も、それが言いたかったのでは?

東京は3500万人お化け都市で、外国の参考にならないから、外国にもよくある規模の1000万人大阪都市圏で議論/外国の1000万人都市の場合、都心10キロ圏は地下鉄が出来ているが、それ以遠に軌道系交通がない。大阪でいえば「大阪市交があるが、阪神阪急京阪近鉄南海が無い」状態

一応、国土間をつなぐ国鉄が存在してるが、あまり通勤利用がされてない状態。大阪で例えると、「路線としてはJRがあるが、一時間に1本もなくて、通勤利用は殆どされてない」状態

マニラなんか、都市圏人口2000万人なのに、鉄道ゼロだもんな/ここに大阪並みの鉄道ネットワークが出来れば、都市環境は劇的に変わる/バンコクも、人口は大阪並だが、鉄道ネットワークは大阪市交程度しかない

リプにあった通り、恐らくバンコクとかマニラでは、都心20キロ圏の人は「バス」で都市移動してるんだろうな。金持ちはマイカー移動/だから、バンコクの渋滞は世界一になる/大阪で言えば、西宮とか枚方の人が、バス通勤マイカー通勤してるようなもの

逆に言えば、マニラは鉄道ネットワークゼロだから「未だに2000万人止まり」なのかもしれない。大阪並の鉄道ネットワークを作れば、人口3000万人まで成長するかも/東京並の鉄道ネットワークを作れば4000万人になって本家東京を追い越すとか。

フィリピンはもはや人口1億人で、東アジアで唯一少子化しない国。マニラ以外に主要都市がないので、今後マニラ一極集中が加速する。鉄道ネットワークさえ揃えれば、人口世界一の都市になる可能性大

「一極集中」という観点だと、北京、上海、そして深セン広州が点在してる中国は、案外一極集中しないのかも。だから、これらの都市は、人口2000万人で頭打ちか?

日経の受け売り的ですが、バンコク 、マニラ、ホーチミンハノイジャカルタ、、、という都市に、大阪並の鉄道ネットワークを移出すれば、物凄いビジネスチャンスになる。小林一三ビジネスモデルは、中国はノウハウないので真似出来ない

@sukeokina1983 晩年の五島慶太は、北海道の国鉄を買収して、自前で経営して発展させる野望を持ったらしい/しかし息子の五島昇が猛反対し、五島慶太死去後、東急は北海道国鉄買収を撤回/北海道に東急系のバス会社が多いのは、その名残り

五島昇は北海道進出を見送った代わりに、田園都市プロジェクトを完遂して大成功させた。田園都市プロジェクトって、都市計画の教科書的には「千里ニュータウン多摩ニュータウン」より下の扱いですが、これトンでもない計画ですぞ

東急電鉄ホーチミンで都市開発するが、あれ鉄道そのものは東急は作らないんだよな/鉄道そのものを日本の私鉄に作らせないと、鉄道ネットワークが拡張しない。

東急電鉄ホーチミンに入れ込む一方で、東急不動産ジャカルタにぞっこん。お前ら、どこまで兄弟ケンカしてるんだと小一時間

例えばマニラに東京並の鉄道ネットワークを作るとしたら、その企業規模は「東京メトロ京急+東急+小田急+京王+西武+京成」となるのだから、トンでもないビジネスチャンス/JR東の首都圏部分も加わるな/そういう大チャレンジする私鉄は現れないのか?

だから、東洋経済の「日本が鉄道世界一というのは、勘違い」という記事には、半分同意できるが、半分同意できない。「私鉄ビジネスモデル」は日本唯一のもので、世界に移出出来る/問題なのは、そういう移出にチャレンジしたがらない日本の私鉄の臆病さだろう

30年後とかに、「マニラの私鉄500キロ、バンコクの私鉄300キロ、ジャカルタの私鉄400キロ、いずれも日本の私鉄○社の運営です」な未来キボンヌ/意外と在阪私鉄の方が海外展開するかもしれない。東京以上に「先が無い」から。京阪とか。

現代なら「鉄道郊外にアウトレットパーク、ららぽーとを誘致して、土日の鉄道集客を図る」というのもアリなんだろうな。三井辺りはやりかねない

そもそも、「上場郊外鉄道会社」って、世界的には日本以外に存在するのか?上場鉄道会社は世界的には「全国的鉄道ネットワーク会社」位なんじゃないか?

「私鉄は日本独自のビジネスモデル」と書いたが、実は「日本独自のビジネスモデル」というのは、案外多い/欧米には「全国区のゼネコン」「全国区のハウスメーカー」は存在しないらしい。鹿島とか清水とか積水ハウスは、日本独自のビジネスモデル

「総合商社」も日本独自のビジネスモデルらしい/「全国紙」も日本独自だよな/逆もある。欧米と比べて、日本は「地場食品スーパーの比率が高い」らしい。スイス系企業に勤めてる人が、本社から「何故日本は地場スーパーが多いのか?」と質問されて答えに窮したらしい

よく「世界の都市で、家賃の高い順にランキングしました」「マンションの高い順にランキングしました」な比較がある/あのデータ、どの地点で比較してるのか?都心か?都心10キロポイントか?都心からドアドア1時間ポイントか?/実質的に意味あるのは「都心からドアドア1時間ポイント比較」だと思う

「都心からドアドア1時間ポイント比較」なら、圧倒的な鉄道ネットワークの東京都市圏は、他の都市よりも「都心から遠くても、ドアドア1時間で行ける」ことになるから、実質的には「安く住める、安くマンションが買える」

単に都心10キロ圏なら、確かに東京の家賃は高い/しかし、都心20キロ圏でも、ロンドンやパリの都心10キロ圏と同等の交通利便性ならば、「東京都心20キロ地点」と「ロンドン都心10キロ地点」で比較すべき、となる

私鉄網が発達してる東京のメリットは、つまり「外国だと都心10キロ圏ポイントでしか味わえない利便性を、都心20キロ圏でも享受できること」だよな/よって、都市圏は2倍×2倍の、4倍に拡大できる

乗客数世界ランキングで、「日本以外の駅の一位」は、せいぜい町田駅程度の乗客数らしい。逆に言えば、「町田駅は、外国でいえば都心並の交通利便性がある」ということではないか?

名古屋の乗客数なんて、東京の鉄道乗客数と比較すれば「大人と子供の差」があるのに、名古屋駅の乗客数は、「日本以外の世界の駅一位」よりも、多い/東京基準では「自動車都市」とされる名古屋も、世界基準では立派な「鉄道都市」

新幹線について言えば、色々揶揄されるが、正直、中国の方が「高速鉄道大国」だと思う。既に「日本の在来線の距離を上回る高速鉄道網が中国に存在する」ことを知ってる日本人は、どれだけいるのか?

総延長で言えば、中国は「この20年間で、東海道新幹線山陽新幹線はおろか、羽越新幹線、山陰新幹線、四国新幹線なんかも完成させてる」勢いで高速鉄道を量産してるイメージなんですな/つまり、日本と比較すると「高速鉄道の敷設ノウハウに長けている」

日本だと羽越新幹線とか山陰新幹線とか四国新幹線とか言うと「無駄遣い」「サルしか乗らない」と揶揄されちゃうが、それを短期間で完成させてるのが今の中国です。

中国高速鉄道は、以前死亡事故起こしてるから色々揶揄されるが、日本も福知山線事故起こしてるので、人のことは言えないと思う

日本の「郊外私鉄文化」が日本社会の有りようを大きく変えたように、中国の「高速鉄道社会」も、今後中国社会を大きく変えるのでは?

あと、ヨーロッパだと、高速鉄道も安価に乗ることが出来る。料金バリエーションが多くて、日本に例えれば新横浜駅とか大宮駅始発の新幹線を設定して安価に提供してる/そういう料金面でも「日本は、高速鉄道大国じゃ、ない」と思う

あと、こち亀両さんが語ったらしいが、「相互乗り入れシステム」は革命的なシステムで、これで丸ノ内大手町エリアから、我孫子だろうが多摩センターだろうが東葉勝田台だろうが乗り換え無しで行ける/地下鉄規格的に相互乗り入れが難しい大阪は、それで発展が阻害された面がある

@09541134 パリは詳しく知りませんが、ソウルは訪れた印象では「高層化、マンション化が日本より進んでるなあ」な印象。というか、一戸建てをあまり見なかった/だから、割りと都心の近くに住めるのでは?と思った次第

小林一三五島慶太関東大震災が「東京の郊外化」を促進したのだが、「一戸建て文化を維持させたままの郊外化」だったんだな/都市の拡大手法としては「タテに伸びる」、つまりマンション化という手法もあったんだが、東京の場合、昭和の時代まではマンション化はあまり進まなかった

戦後、東京に人口が集中したのは「満州を失ったから」という理由もあるよな。戦前は満州が人口増加の受け皿になってた

「日本の高校システムが、日本人の鉄道リテラシーを高めてる」仮説を唱えてみる/日本の場合、中学までは徒歩圏内の中学に通うが、高校進学すると「電車通学」するようになり、「鉄道経験」するようになる。かくして、日本人の大半が「鉄道経験を積み」、鉄道リテラシーが上がる

アメリカなんかだと、ハイスクールもスクールバスだろうから、「人生の中で、鉄道経験のない大人」も相当いるんじゃないかと。だからアメリカ人の鉄道リテラシーは、著しく低い

日本の田舎鉄道だと、乗客数の過半が高校生だったりする/鉄道の収支維持の為に、中学校も統廃合して、「中学から電車通学」にしてもいいのでは?電車通学代を行政が負担したとしても、過疎中学校維持コストより安いのでは?

@ka_0505_ka 都内は小学校統廃合というより、お受験を経て私立小学校に合格した子の通学をよく見かける、、

あと、サピとかへの「塾通いの小学生」とか/日曜日とか、最寄じゃない教室に通う小学生とか電車に乗ってたりする。「開成中学特訓」とかの特別授業は、全教室で実施せずに教室限定で開講するから、「最寄の経堂教室じゃなく、代々木上原教室」みたいな「塾通学」が発生する