教育ブレーク(1)音楽教育不要論

教育ブレーク(1)音楽教育不要論
(なんでも掲示板 00年9月、07年11月 投稿済)

                                                                                                                                                              • -

9月30日の朝日新聞から。
ハンガリー出身の数学者、ピーター・フランクル氏が、教育面で「なぜ日本では
世界史と日本史が分かれているのか?相互の繋がりが判りにくくなるではないか?」と
発言していました。
日本は島国で、歴史が独自に発展していた、という経緯はあるでしょうが、これからの
グローバル化の潮流の中では、やはり統合すべきではないでしょうか?

                                                                                                                                                              • -

科目論争に関連して、一度やってみたかったネタ。
ズバリ、義務教育に音楽は必要でしょうか?

義務教育とは何か?それは、日常生活をしていく上で、最低限の知識と技能を身につける
ことです。
ありていに言えば「読み書きソロバン」です。
で、読み書き=国語、ソロバン=算数はまあ必須でしょう。
で、社会生活の成り立ちを説明する「社会科」、自然の仕組みを説明する「理科」も
まあ必要です。
で、一応健康な体を維持するための「体育」、料理を作る「家庭科」も
まあ必要。
問題は「芸術系」の科目、「音楽」と「図工」です。
このうち「図工」は、日曜大工をするのに簡単な工作の作り方位は知っていた方が
いいのでまあ許すとして、問題は「音楽」です。

「音楽」が出来なかったから、と言って、社会生活上不便を感じることはないのです。
せいぜい「つきあいカラオケ」で、恥ずかしい思いをするだけです。
恐らく文部省及び音楽教師の面々は、「感受性の高い子供にするために義務教育として
音楽は必要」とか反論してくるでしょうが、大きなお世話です。
ならば音楽教育と感受性の相関関係を証明したデータを持ってきて下さい。
小生に言わせれば、音楽の時間を削って時間割にゆとりを持たせた方が、より感受性を
伸ばせるでしょう。
決して押し付けの義務教育では感受性は育ちません。
で、好きな人が選択科目で音楽を学習したり、音楽学校に行ったり、ヤマハの音楽スクールに
通えばいいのです。

因みに未確認情報ですが、アメリカでは義務教育に音楽は無い、と聞いています。

なぜ日本で音楽が義務教育になったのか、小生なりに推測すると、明治時代の文部省が、
文明開化のシンボルとして、各地に西洋音楽を普及させることを狙ったのでしょう。
日本の邦楽に無い強烈な旋律を持つ西洋音楽、それを教育を通じて普及させることにより、
日本の片田舎のどこにでも、「維新」「文明開化」の「マインドコントロール」を
行なっていったのです。
なにせ音楽によるマインドコントロールは強烈ですから。
あと、国民皆兵の時代、軍隊の行軍のリズム感を子供にたたき込むことも狙ったもでしょう。

しかし西洋流音楽が世の中に行き渡り(街を歩けば西洋音楽のBGMだらけで、
ハッキリ言って行き渡り過ぎ)、むしろ日本流の邦楽が絶滅寸前の今、もはや音楽教育はその
歴史的役割を終えたのです。

こう書くと、「この作者は音楽が苦手でキライだからこんな反音楽論を書いている」と
誤解する人もいるでしょう。
しかし全く逆で、プロフィールにも書いてますが、小生はカラオケ・J-POPやビートルズ
大好きです。CDも150枚ほど持っています。
だからこそ、義務教育の呪縛から「音『学』」を解放して、真の「音『楽』」に
してみたいのです。
義務教育で音痴でイヤな思いをして、そのまま音「学」嫌いになったような人達を
出したくないのです。

                                                                                                                                                              • -

音楽教育不要論がこのHPにあります。

ついでに言えば、大学の「教養」として、体育の授業がありますが、これはもっと
ナンセンスです。
これがあるために、各大学は運動場の確保の為に高い金を払ったり、或いは
都心部での新設を諦めたりするのです。

声を大にして主張します。
こんなものイラナイ、「義務教育の音楽教育」
こんなものイラナイ、「大学の体育」

                                                                                                                                                              • -

上記の意見をなんでも掲示板に投稿したところ、結構反響がありました。

その中で、「子供の適性を見抜くのに、義務教育は必要では?」というご意見がありました。
そういう視点は、確かに重要かもしれません。
しかし、それって義務教育でやることなの?、という気もしますが・・・

極論すれば、その子に音楽の適性があるかどうか、見抜く必要って(少なくとも義務教育では)
無いんじゃないかな?
音楽なんて日常不可欠なものではないですし。

さて、「演歌を語るぞ」というHPを見ると、いろいろ面白いことが
書いています。
1)音楽の義務教育導入の理由
  ★音楽で歌うことにより心肺機能を高め、頑強な臣民を育てる
  ★正しい発音が出来る(標準語が話せる)
  ★唱歌を通して地理や歴史を学習させる。
   (鉄道唱歌が典型)
  ★さらに言えば皇民化愛国心を育てる
   (コーヒーブレークに書きましたが、「蛍の光」は「千島から台湾まで国土を守れ」と
    歌っています。3番以降は戦後削除されたのであまり知られていませんが)

2)にわかに西洋の音楽を導入することにより唱歌を作らざるを得なかったため、
  当初メロディーは賛美歌の転用が多かった。
  (外国人作曲家が、意図的に(キリスト教マインドコントロールを目的に)
   賛美歌の転用でどんどん唱歌を作っていった)
  →(キリスト化に)慌てた文部省は、日本人作曲家の養成を急ぎ、日本人による
   メロディーの唱歌を作るようになった。

3)一方の演歌は、自由民権運動からスタートした。
  つまり、西洋化・皇民化の「道具」としての「西洋音楽の義務教育」への
  アンチテーゼとしてスタートしたのです。
  →この考えは戦後の世界でも生きていまして、それこそ60年代のロックは
   体制側音楽(クラシック等)へのアンチテーゼ、という政治的テーマを持っていました。

いずれにせよ、現代に音楽を義務化する理由は全く見つからない。
★心肺機能を高めるのは体育で充分。それともまた徴兵制にするのか?
★「正しい標準語」はテレビを通じてガンガン子供達を洗脳している。
 むしろ方言の保護の方が課題。
★音楽を通して地理・歴史のマインドコントロールをする、という発想が前時代的。
★しかも一部の唱歌が賛美歌に由来があるとすれば、それこそキリスト教のマインド
 コントロールを義務教育で行なうことになり、政教分離憲法違反。
蛍の光皇民化思想に至っては論外。

このHPを見る前は、小生は「音楽をイヤな子に押し付けるのはやめた方がいいんじゃない?」
という軽い気持ちで「反対」してましたが、このHPを見て、小生はますます
「音楽教育は出発点が多分に政治的色彩・宗教的色彩が強い全体主義的なものであり、現代の
 自由主義の世の中から「排除」すべきもの」という確信を得るに至りました。

繰り返しますが、小生は音楽が好きですよ。
ただ、「音楽の政治利用」「音楽の宗教利用」は嫌い、というより危険なモノを
感じるのです。

                                                                                                                                                              • -

・・・となんでも掲示板に投稿したところ、四面楚歌になってしまいました。なので、これで
打ち止めにしようと思いますが、最後に3点だけ。

1)「才能を発見するために音楽を義務教育にすれば」とのご意見は、判らなくは
  ないですが、何も小中の9年間も行なう必要はないでしょう。
  そういう「才能」の有無は、多分小学校の、それも低学年でわかるのではないでしょうか?
 
  有無がわかった以上、見込みのある子は専門の教室(Ex:ヤマハ)に引き渡して、
  見込みの無い子は、貴重な時間をもっと別のことに使えばいい、と思います。
  それとも小学校で「才能」が見つけられなかった子が、中学校で見つかる?それは
  レアケースでしょう。
  
  又、逆に言えば、折角才能のある子を発掘しても、その子を「平均的な」義務教育の
  音楽の時間に縛り付けるのも、才能を伸ばす時間の浪費だと思います。
  小生の妥協案は、音楽の義務教育は小学校の3年迄(低学年迄)とし、それ以降は、
  才能のある子へはスペシャルプログラムを提供し、それ以外の(大多数の子は)
  別の(音楽以外の)プログラムを行なう、ということですが、いかがでしょう?

2)「義務教育とは、即ち血税が使われていることである」ことに無頓着じゃないですか?
  血税が「無駄」な公共事業に使われるのには最近の世論は反対しますが、
  一方の教育は「聖域」なのでしょうか?
  日本のマスコミ・世論は、とかく「30人学級推進」などのように、教育を聖域視し、
  子供を「天使」扱いにしますが、税金の無駄遣い、と思われる教育は見直すべきだと
  思います。
  これで日本がアメリカのように財政黒字国なら無駄遣いもまだ許されますが、
  日本は財政赤字国ですよ!!

  個人的には、音楽義務教育に税金を使う(=音楽教師に給料を与える)より、例えば
  阪神大震災有珠山・三宅島等の被災者へ公的支援を行なう方がより公益に適うと
  思っています。

3)小生が音楽の問題をわざわざ取り上げた理由は、これを機に「義務教育として何が必要な
  科目か」「何が不必要な科目か」を、既存の常識・タブーにとらわれず議論しましょう、と
  いうことです。
  今回森君が導入しようとする「奉仕活動」なんてのも、「必要」か「不必要」か、
  大いに議論すべきでしょう。
  あるいはIT・ネット教育も。
  個人的には、緊急救命法とか、簡単な医学とかを教育した方が、音楽教育より
  より「使える」と思うのですが・・・ 

                                                                                                                                                              • -

科学に携わる方より「更なる理科教育の充実を」との投稿を頂きました。
しかし児童の受ける義務教育の時間が有限なら、税金も有限な訳です。
科学に携わっている人は理科教育の充実を叫ばれる訳ですが、
一方歴史に携わる人は「最近の若い人は何も歴史を知らない。だから歴史教育
充実させるべきだ」となりますし、美術に携わる人は「最近の若い人は何も
美術を知らない。だから美術教育を充実させるべきだ」と主張します。
これじゃあ、子供はいくら時間があっても足りませんよ!

個人的には、理科教育を充実してもいいと思います。でもその教育時間なり、
費用が捻出できないのなら、音楽教育を犠牲にすればいい、そう思っています。
それとも、現行の時間割に更にプラスして(音楽等を削らずに)理科教育を
すべきなんでしょうか?

                                                                                                                                                              • -

義務教育は税金で負担すべきだ、との投稿も頂きました。
小生は義務教育への税金投入に反対している訳ではないですよ。
義務教育に税金を投入するのは当たり前です。問題は、税金を投入するからには、
ある程度「常識的な範囲で」役に立つ教育をすべき、ということなんです。

以前は公共事業も、その効果についての検証もなしに、やみくもに行なわれた時期が
ありましたが、最近は有権者の厳しい目が注がれるようになりました。
教育にも有権者の厳しい目を注げ、ということを言いたいのです。

                                                                                                                                                              • -

↓は07年11月の投稿

                                                                                                                                                              • -

国算理社以外の授業時間を削減せよ!! 投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2007年11月11日(日)18時17分54秒


先日の日経のコラムで、JR東海の葛西社長が表記のようなストレートな
主張をしていて、思わず喝采を叫んだ。

小生の記憶によると、彼の主張は
主要先進国の中で、基礎教科である母国語や算数の授業時間は、
 日本が最低レベル」
「他方、基礎教科(国算理社)以外の授業時間は日本はやけに長い」
「これは子供の教育内容を踏まえての時間配分というより、
 「音楽」「体育」「美術」等の専門教員の雇用確保のために
 文部科学省が専門教員とグルになって「聖域化」している」
「このような「教育ギルド」は早急に解体しなければいけない」

・・・主張そのものは大賛同なんだが、そもそも鉄道屋がそこまで
教育に首突っ込んでいいのか?




                                                                                                                                                              • -

Re:国算理社以外の授業時間を削減せよ 投稿者:なかだ 投稿日:2007年11月11日(日)22時11分37秒


まあ、わからんでもないですが、芸術的感性を磨く教育はしていただきたいものだとは思います。




                                                                                                                                                              • -

れ:国算理社以外の授業時間を削減せよ!! 投稿者:あじあ号 投稿日:2007年11月11日(日)21時57分16秒


中央教育課程審議会(正確でないかも)座長の文芸評論家は、国語の授業は大切だが、
2次方程式なんて、社会で使ったことがないので、不要では?としていたそうです。
どう思います?




                                                                                                                                                              • -

中教審 投稿者:時を娶ろ 投稿日:2007年11月12日(月)01時24分28秒


> 中央教育課程審議会(正確でないかも)座長の文芸評論家

正確ではない。
俗に中教審と呼ぶのは中央教育審議会のこと。
中央教育審議会の中に初等中等分科会があり、
その初等中等分科会の中に教育課程部会がある。

11月7日に「ゆとり教育」の見直しを内容とする
学習指導要領改定の中間まとめを了承したのは
教育課程部会。

中教審の会長は山崎正和氏(この人は確かに文芸評論家)
初等中等分科会の分科会長は梶田叡一氏(兵庫教育大学学長)
梶田氏は中教審の副会長でもあり、
教育課程部会の副部会長でもある。




                                                                                                                                                              • -

れ:国算理社の授業時間 投稿者:まる 投稿日:2007年11月11日(日)22時53分18秒


音楽、体育、図工の授業時間数はそれほど多いという印象はないのですが、
総合学習の時間がムダ中のムダです。週3時間程度もあるようで・・・。

私が小学校6年生になったとき、「ゆとり教育」が始まるというので、
前年まで6時間目まであった授業が、5時間目までになり、6時間目は
「ゆとり学習」に充てるとなりました。当初は、なぜか花壇を畑に変えたり、
田植えしたりしていたのですが、その後、なし崩し的に、6時間目はなくなり
ました。

私立中学受験組は、受験勉強に充てるし、そうでない児童は遊びの時間が増えたようで
学力の格差に寄与したのでしょう。

http://www.mext.go.jp/b_menu/houdou/11/04/990406o.htm

                                                                                                                                                              • -

理科・社会 投稿者:なかだ 投稿日:2007年11月12日(月)09時50分0秒


むだといえば、小学校の理科や社会の中にやたらでてくる、たとえば下のようなやつ。

・お店の人にきくときは、きちんとお礼をいう
・半月がしずむのは真夜中になるので、観察はしない

この手の語句が教科書中にずらずらと書かれ、テスト問題に出たりするんですよね。こういうのが社会や理科の勉強なんでしょうか。




                                                                                                                                                              • -

教育課程審議会 投稿者:あじあ号 投稿日:2007年11月12日(月)19時48分39秒


http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/kyouiku/index.htm#gijiroku
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/12/kyouiku/meibo/971101.htm

当時の三浦朱門会長(日本芸術文化振興会会長、作家)が、報道によると、
2次方程式不要論を主張したとのこと(出典が今思い出せないのですが・・)。




                                                                                                                                                              • -

2次方程式 投稿者:あじあ号 投稿日:2007年11月12日(月)20時06分33秒


http://math-sci.hp.infoseek.co.jp/QuadEq.html
色々調べてみると、三浦朱門氏の奥様の曽野綾子が2次方程式を使わなかったと
のことです。うーん記憶が曖昧で失礼しました。









れ:二次方程式 投稿者:まる 投稿日:2007年11月12日(月)20時39分58秒


中学校で二次方程式を学習するのは、別に実生活で二次方程式を活用して計算するためでは
ありません。二次方程式の解き方を通じて、論理の積み重ねで、解が求まることを理解し、
とにかく論理的、数学的な思考の訓練をすることにあります。

数学のトレーニングを積み重ねた学生は、頭の回転が速くなり、新しい概念を理解する際でも
比較的簡単にすばやく習得できるというメリットがあります。

他の学習でも同じ事で、日本語も十分に習得できていない小学校段階で英語を学習すること
の是非が議論されていましたが、英語を勉強することで、日本語と対比し、日本語を
他言語との比較で客観的に理解することができるので、メリットが大きいと思います。





                                                                                                                                                              • -




(実社会で役立たないにもかかわらず)保護者に有償負担を強いる音楽教育は、義務教育には全く不要

投稿者:スルッとKANTO 投稿日:2009年 7月 5日(日)01時09分12秒


先日の日経で、
「不況によって学費を支払えない家庭が増えている」
という特集記事があったが、その中で
板橋区は鍵盤ハモニカについて、従来全部購入させていたのを、
 本体は学校購入して、吹口だけ児童が購入するような仕組みに変えることにより、
 4,500円保護者の負担を減らした」というニュースを見た。

小学生の子どもがいる家庭では常識なのかもしれないが、
小生、「義務教育で4,500円以上の教材費を求められる」という事実を
知らなかったし、唖然とした。

というか、小生に言わせれば、
「あまつさえ、音楽教育は義務教育課程では不要(他教育へ割ける時間を侵食する)のに、
 ましてや保護者に対して有償負担を強いるとは論外」なのである。

小生が廃止を主張している義務教育課程内における音楽教育・美術教育の
保護者負担教材費の明細を、機会があれば調査してみたいものだ。