小生が中高生のころ、五島勉というオッサンが
「ノストラダムスの大予言」なんて本を出していた。
その中で、「1999年に惑星によるグランド・クロスがあって、
惑星の重力により天変地異が起こって人類は滅亡の危機に瀕する」
という予言があった。
(※グランドクロス=惑星が丁度「十」の字を描くように
直列し、その十字の交点に地球が位置する、というもの。
この惑星十字直列の重力の影響って、地球自体の重力の
0.000・・・1%しかない、というモノなんだが)
今から思えば噴飯モノであるが、当時の小中学生は、
(本気かどうか知らないが)結構信じていた人も多く、
だから五島勉は続編の本なんかも出して大儲けしたのであった。
で、ヨタ話で済んでいればいいものを、一部に
「本当に天変地異が起こる」と信じていた人がいて、
それに輪を掛けて「天変地異を起してやって権力を得よう」と
予言を悪用するバカがいて、それがオウム真理教である。
後世の歴史家、例えば2050年頃に日本社会史を研究する
している人が、「なぜオウム事件なんか起こったのか?」と研究する場合、
そのバックボーンとなる「ノストラダムスの大予言」、およびそれを
読んでいた小中学生サブカルチャーの研究が不可避となる。
例えば、小生の子供(2003年生まれ)に、将来中学生になったときとかに、
「昔は「ノストラダムスの予言」とか「グランドクロス」とかいう話があって、
1999年に人類は滅亡する、と考えた人がいたんだよ」と話しても、
「なんでそんなアホ話を信じたの?当時の人はバカじゃん」と
言われそうである。
1910年にハレー彗星が接近した時も、「彗星のガスで人類は滅亡する」という話が
あったらしい。
で、人々は一生懸命、「ガスが通りすぎる時間の間、息を止める練習」をしていたらしい。
今から思えばバカ話だが、1999年の日本人は1910年の当時の人を笑えない。
逆に、また2050年頃、「●●で人類は滅亡する」という話が流布されるのかもしれない。
そのころには、小生は、(生きていればだが)、「ワシの子供の時分にも、
滅亡話があったが、結局滅亡しなかったわい、ワッハッハ」と言って、
孫たちに安心するように話しているのかもしれない。