公取は何を考えているのか?

公取が高知のガソリン元売の安売り競争に対して
「不当廉売」として警告を与えるらしい。

ではいくらに価格設定すればいいのか?
自由競争の結果原価割れの価格になったわけだが、
では公取が嫌悪する「カルテル」で価格を維持すればいいのか?

一旦カルテルだかなんだかで価格を「復活」させたとして、
再度流血値下げ合戦に陥ってはいけないんのか?

他のブログにもあったが、ガソリンスタンドは、ガソリンそのものが赤字でも、
車検やオイル交換などの他のサービスで収益を維持しているビジネスモデルである。
ビジネスモデル全体を捉えずに、目先の廉売だけ揚げ足をとっても何にもなるまい。

類似のモデルとしてはマクドナルドは「100円マック」は、出れば出るほど「赤字」である。
一方、ポテトなどは、100円マックより原価が明らかに安いと思われるのに、
クーポンでも170円しっかり取っている。
コーラにおいては、説明する必要もない。

つまり、100円マック単独では赤字だが、「セットでポテトとお飲み物いかがですか」と客を
ユーワクして、ちゃっかり客単価を500〜600円にしてしまって、利幅を回復するのがマック商法である。
小生などは、その商法に踊らされない、というより、単に塩味なだけのポテトを頼む意味が
見当たらないので「100円マックを2つ」という店が嫌がる買い方をしているが、
一般ピープルは「ポテトも一緒に買わないと気恥ずかしい」とでも思っているのか、
さほどおいしくなさそうなポテト付きのセットを買っていく。

公取がもし「本気」なのであれば、「100円マックは不当廉売だ」として警告を与えて然るべきだが、
そのような動きはない。
それはマックのビジネスモデルを公取が理解しているからだろう。

マックを是認してガソリンスタンドをいじめる、その趣旨が全く理解できない。

もし「原価割れで消費者にサービス提供を行ってはいけない」というのであれば、
不動産バブルで高値仕入れしたマンション用地で作ったマンションを、マンション絶不況の中
「原価割れ」で提供しているマンションデベロッパーは、全社が「不当廉売」になってしまう。
各社とも「不当廉売」はしたくないのだが、借入金負担が膨らむ中、少しでも速く現金回収を
図りたいため、採算割れ承知の上で廉売競争になっているのが2009年のマンション業界であるが、
公取の「教科書的価値観」では、このようなマンション業界も「不当廉売でまかりならん」のか?