二地域居住のパッケージ賃マン

老後は「夏は北海道、冬は沖縄」のような二地域居住に憧れる人も多い。
が、なかなか二地域居住は普及しない。
この場合、2拠点で住居を用意しなくてはならなくなり、費用のハードルが高くなる。

これを「抱き合わせセット販売」することで、費用のハードルを少しでも下げられないか?という提案。

例えば
「北海道の賃貸マンションに5月10日から11月9日まで入居できる権利」と
「沖縄の賃貸マンションに11月10日から5月9日まで入居できる権利」を抱き合わせ販売する
そうすると、「夏は北海道、冬は沖縄」をいう夢の生活が実現できる。

で、ここで素朴な疑問。
「北海道の11月10日〜5月9日、沖縄の5月10日〜11月9日は、どうするの?」
いい質問だ。

⇒A「北海道に5〜11月、沖縄に11月〜5月」の賃マンセットを売り出す裏で、
 B「北海道に11〜5月、沖縄に5月〜11月」のセットを別の人に格安で売るのである。

Aセットは月10万円の賃料を取るなら、Bセットは月5万円で売る、という感じ。
Aセットは「なるだけ気候がおだやかなのがいい」という人が買い、
Bセットは「スキーも海水浴も」というアクティブシニアが購入する、そういうイメージ
Aセット・Bセットをそれぞれ売ることで、両方のマンションの稼働率を100%近くにしよう、という作戦である。

従来的なリゾート会員の発想だと「利用する日は自由に指定できる」という仕切りにしてるから、
ハイシーズンに予約が殺到して、それ以外は閑古鳥になる。
このシステムは、利用期間をフィックスにしてしまって、売り切っちゃう。
だから、稼働率が「読める」ので、安定経営が可能になる。

逆に言えば、北海道で開発する賃マンと、沖縄で開発する賃マンの戸数は、揃えないといけないが。
売り出す賃マンは、新築にこだわらず、中古マンションのリノベーションとか、それこそリゾートマンションの
コンバージョンでもいい。
越後湯沢の中古リゾマンと、熱海の中古リゾマン、いずれも供給過剰で半スラム化しているが、
これをリノベーションして、
「冬は越後湯沢、夏は熱海セット」と「冬は熱海、夏は越後湯沢セット」の2種類を売り出してもいい。
需要としては「冬に越後湯沢、夏は熱海セット」の方が高値で売れそうだが、
「自分は老後を安く過ごしたいから、逆張りで安く過ごせる冬熱海・夏役後湯沢セットがいい」
という人も出てこよう。

北海道が戸数100戸で、沖縄が戸数90戸、てな感じで微妙にアンバランスな場合は、
差分の10戸は仲介で個別賃マンを用立てするイメージだろうか。
管理の都合上、なるだけ散在させずに1棟に集約したいところではある。

基本は3LDKの新築ないしコンバージョンとする。
1LDKは「夏住人・冬住人の共通部屋」にして、
1部屋は「夏住人専用部屋」(鍵をかける)、1部屋は「冬住人専用部屋」とする。
専用部屋に、夏住人冬住人それぞれ、家財を置く。
また、玄関キーはカードキーにして、季節によって使用制限を掛ければいい。

夏住人は専用部屋に夏用衣服や蔵書を保管する。
で、冬になったら、冬マンションに保管している冬服を着る、というイメージ

夏・冬共用備品として用意しておくのは
ソファー、ダイニングテーブル、テレビ、エアコン、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、食器(割れたら弁償)。
迷うのはベッドと布団・リネン類。これは共用じゃなく、別々の方がいいのかな?

こうしておけば、夏マンション⇒冬マンションへ移動する際も、「貴重品とノートパソコンと身の回り品」だけ
持っていけばいいだけになる。

立地はいろんな組み合わせが考えられるが、できれば「バブル期の乱開発したリゾマンのコンバージョン」
という方向で考えてほしい。
「越後湯沢=熱海」とか。

一方で、都会派向けに「札幌=福岡」、港町派向けに「函館=長崎」なんてもの面白い。
できれば夏マンションも冬マンションも、立地条件は似せた方がいい。
一方が電車立地なら、もう一方も電車立地にする。
一方が釣りのメッカ立地なら、もう一方も釣りのメッカ立地にする。
一方が温泉立地なら、もう一方も温泉立地にするとか。