【出生率と関西郊外住宅地の高齢化】

2月14日
今日の日経、「出生率最低は京都市東山区」とある/渋谷区は万年最下位から脱出したんだな。それなりにファミリー向けマンションが供給されたのかな?/東山区って、マンション価格は東京並み。というかなかなか供給がない。「さもありなん」。
出生率ワースト10には、23区や政令市の都心区がずらっと並ぶ/その中で異色なのがワースト3位の大阪府豊能町。郊外ベッドタウンで、最近は住民の高齢化が進んでるからか?
そういえば、マンション評論家や街歩きライターで、「マンション供給と出生率」を研究してる人はいないなあ。少子化が進む中、国としても本格研究すべきでは?
「郊外高齢化ニュータウンだから、豊能町出生率は低い」仮説を立証するには、似たような属性の猪名川町出生率を確認する必要がある
豊能町猪名川町も、「山間部の、70年代ニュータウンで、旧住民比率が少ない」という共通項。/首都圏で似たような自治体はありそうで、ない。強いていえば埼玉県鳩山町か?
出生率ワースト10に、札幌東京京都大阪福岡の自治体が登場/逆に名古屋市中区、中村区あたりは登場してもおかしくないのに登場しない。名古屋市は単身女性が少ない?
少子化の研究・解決って「豊能町みたいな自治体が何故登場したのか」「名古屋市中区中村区は何故登場しないのか?」にヒントが隠されてる気がする
2月15日
関西の郊外ニュータウンについては、戦前の小林一三的郊外については研究著作は数多いが、戦後の郊外ニュータウンについては本格的研究が乏しい。首都圏で三浦展原武史などが研究してるのと好対象
東急田都的ニュータウンについての研究もあれば、西武滝山団地的研究もあれば多摩ニュータウン研究もあれば阿佐ヶ谷団地研究もある。バリエーション豊富/関西だとせいぜい千里ニュータウン研究しかない
多摩ニュータウンについては、住民高齢化について研究者が警鐘を鳴らしつづけ、その結果行政も危機感を持ち、ブリリアなんかもできた/一方、関西の山間部ニュータウンは本格的研究もされなかった為、警鐘鳴らす人もいなくて、高齢化を放置/その結果が豊能町出生率ワースト3入り
豊能町の隣の猪名川町なんかは、わざわざニュータウン開発に鉄道を通した。関西人なら誰でも知ってる、日本生命による大規模ニュータウン日生ニュータウン」だが、東京の人だとあまり知られていないのでは?
多分、日生ニュータウンの高齢化、少子化も酷いことになってると思うが、日本生命はテコ入れしないのか?/確か子会社の新星和不動産による開発だったと思うが、日生は新星和不動産をその後大林組に売却。だから日本生命は「日生ニュータウンは俺とは関係ない」なのか?
東京の郊外ニュータウンの衰退が問題視されてるが、東京より先に関西の郊外ニュータウンの方が衰退崩壊するのではないか?
広島とか仙台とか金沢にも郊外ニュータウンはあり、そちらの高齢化も確かに深刻ではある/しかし、広島などは「自家用車による通勤」も結構比率は高いし、都心への時間距離もそれほどじゃない。電車通勤が普通で、かつ梅田へ1時間掛かる豊能町猪名川町の空洞化は深刻
ダイワハウスの樋口氏の本に出てきた、大和団地の「羽曳野ネオポリス」なんかも高齢化空洞化が深刻だろうなあ/広島とか仙台とか金沢とか、都心のタワマン供給は大したことない。大阪市のタワマン供給は半端ない。大阪圏では、比率でいえば東京圏以上のスピードで都心シフト郊外衰退が起こってる
まあ関西で3000万円あったら、不便な日生ニュータウン内の戸建は買わずに、摂津市駅辺りの駅前マンションを買うわな
これは仮説だが、豊能町の「ニュータウン」にいる30代女性って、言葉は悪いが「売れ残り女性」が多数残ってるのでは?結婚が決まった女性は豊能町より都心寄りに新たに世帯を設ける。その結果、親と同居の単身女性が豊能町に残され、出生率計算をおしさげる
出生率ワーストの常連である渋谷区豊島区中野区、或いは福岡市中央区は「単身で未婚の女性」が多くて出生率を押し下げる/他方、豊能町(と、多分猪名川町も)は「親と同居してる未婚女性」が出生率を下げている。この2つのエリア、少子化の中身が違う
豊能町出生率を上げたいなら、結婚が決まった女性が都心寄りに流出することを食い止め、逆にマスオさんに豊能町に来て貰う必要がある。/その対策には「日生エクスプレス」の運転だけでは力不足。金に糸目つけなければ御堂筋線延長が特効薬だが・・
多分、豊能町みたいな自治体は、保育所のキャパシティに余裕があると思う。まずはそれを共働き層にアピールするとか
豊能町みたいな「大都市圏の周縁部で、高齢化が進み、共働き世帯から見放されたエリア」というのは、保育所キャパシティが余裕があり、通勤時間を無視すれば子育てしやすいことは、もっと周知されていい。この周知不足で、都心寄りに住んでる共働き世帯が「保育所に入れない」として2人目を諦める
東京みたいな巨大都市圏だと、逆に住民は「自分の行動範囲の事象が、東京圏全体に当てはまる」と勘違いしてしまう。視野狭窄に陥りがち/自分の周りが保育所不足だと、東京圏全体が保育所不足と勘違い/ここを周知するだけで、多少は少子化対策になる
鉄道マニア的には、「大都市圏周縁部と都心のアクセス時間を改善することで、郊外ニュータウンエリアに共働き世帯が移住できる、そこの保育所インフラを有効活用することができ、少子化が緩和する」となる。鉄道を活用した少子化対策
日生ニュータウンなんかは、住宅地として純化しているから、住んでいて面白みが少ない。共働き世帯を誘致しようにも、その辺がネック/山間部に立地してるのもネック。雪の時に閉ざされる、という点もあるが、心理的影響も大きい。「平家の落武者が山間部に住んだ」に通じる感覚
山間部ニュータウンは「行き止まり感」が心理的に閉塞感をもたらす/首都圏には山間部ニュータウンはないが、「行き止まり感」が共通するのは三浦半島エリアじゃないか?三浦半島エリアの人口減少が加速してるのは偶然じゃない
湾岸エリアの住民が開放的、積極的なのは、湾岸エリアが「全方位に開けている」からだと思う。対岸エリアに対してすら、アクアラインで開けている。「行き止まり」の真逆
@tate_it ゆりかもめしかなかったころは行き止まり感満載でした。りんかい線アクセスが出来てから、全方位的になってきた
都営三田線の板橋エリアがイマイチなのは、西高島平で行き止まりだからだと思う。当初計画通り東武東上線に直通したり、或いは武蔵野線まで延長してれば、三田線エリアのポテンシャルは上がったのでは?
まだ東川口で武蔵野線に接続する埼玉高速鉄道の方が、三田線よりポテンシャルがある
自分が大学時代には、都営新宿線は篠崎止まりだった。心理的閉塞感は半端なかった。/本八幡に抜けて、一気に閉塞感が解消された感じ。宿便が出て行ったような(笑)