退職金の目的は、二世社員創出だ

8月5日
企業が採用条件(給与・福利厚生)を考える際に、真っ先に考えるのは「給与を引き上げて、いい人材をゲットしたい」/退職金を手厚くしたり、企業年金部分を手厚くするのは、まあそれも給与の変形だが、新卒採用の際のセールスポイントにはなりづらい。

新卒社員は、目先の給与を気にする人は多いが、40年先の退職金の心配までする人は少ない。つまり、退職金や企業年金を手厚くしたところで、リクルーティングへの即効性はない。/ではなぜ、企業(の一部)は、リクルーティングに効果なさそうな退職金等・企業年金を手厚くする?

退職金は、これは勤続年数を長くすれば累進的に金額を積み増すことで、離職防止効果がある。しかし企業年金は?

これは私見だが、企業が退職金や企業年金を手厚くする本当の理由は、「親子2代、世襲で就職してほしいから」じゃないかと思う。

例えば、親父が55歳で息子が20歳というケースで、息子が「どの会社を選ぼうか?」となった場合に、親父への退職金・企業年金が手厚ければ、親父は「俺の会社はいい会社だから、お前も入らないか?」と後押しする/逆に言えば、退職金等が手薄だと、親父は息子の自分の会社入りに反対する

これはカンブリアで、確かグンゼの特集を見たときに思ったこと。「グンゼは、親子代々の社員が多い」的な放送をしていたので、何でかな?と思ったときに、「退職金や企業年金は、世襲入社を促す役割を担っているのでは?」と仮説をひらめいた。