70年代の団地肯定小学校音楽

脳内のモヤモヤ、のどに刺さった小骨/小学校の音楽の時間に「ぼくのおうちは〜、みはらしだい〜、1,2,3,4,5階です〜」という歌を習ったのだが、その歌のタイトルを、いくら検索させてもヒットしない/検索万能時代でも、1970年代の小学校音楽教科書曲は、検索できないらしい

まさか、特定地域、1970年代の大阪北部の小学校でだけ採用された歌、ということもあるまい

何が言いたかったのか、と言うと、「1,2,3,4,5階です〜」の小学校唱歌が、「団地の開発」とともに作られた歌じゃないか?という仮説を書こうとした。原武史の「レッドアローとスターハウス」を読んで、40年近く前の小学校の音楽授業で習った歌を思い出した

先ほどの小学校唱歌、最後は「パノラマが〜、素敵です〜、すてきです〜」で終わっていた/原武史も、「滝山団地からの見晴は素晴らしく、自分は周り(非団地エリア)に対する優越感を子供心に感じていた」と告白している

原武史氏は、今まで誰も研究してなかった「団地空間が政治空間や社会風俗空間に与えた影響」を研究して第一人者になった/団地空間が、小説とか歌謡曲とか小学校音楽唱歌に与えた影響、というのも、研究すれば面白いのでは?

「1,2,3,4,5階です〜」ということは、たぶんエレベーターのない団地なんだろうなあ。しかも4階でとどめず、5階建てになってる/三浦展の「奇跡の団地 阿佐ヶ谷住宅」によれば、日本住宅公団も、昭和30年代前半までは、階段団地の階数を4階迄に留める良心的開発をやってた

自分は小学校時代に4階に住んでいたが、11階建てのハイタウンだったから、最上階の見晴しはスゴかっただろう。/その歌を習って、「別に5階程度じゃ、大したことないじゃん」と感じてた

現在、「タワーマンションの40階に住んでます〜」な歌は、小学校の教科書に登場する余地はない/多分、「タワーマンションの40階〜」が、直感的に「義務教育にふさわしくない内容」と思われ、ているんだろうなあ。「自然の中の子育てがベスト」という発想に相通じる

逆に言えば、この「1,2,3,4,5階です〜」の歌が出来た時点(70年代?60年代?)には、無邪気に「近代的な団地に住むことが、進歩である」という文明万能史観に染まっていたんだろうなあ。

これは以前にも書いたネタだが、自分の知る限り、「僕の地球を守って」というマンガが、マンション化率が急速に進んだ東京を象徴した初めてのマンガになっている。途中、高層マンション(多分、分譲マンション)から子供が落下し、奇跡的に助かったことで超能力に開花するシーンあり