やまぐちソーラーファンド2014メモ

★昨日「やまぐちソーラーファンド2014」の説明会に出たので、感想をば。

★ファンドの仕組みは
 http://www.yace.co.jp/
 を参照されたし。

★期間20年で利回り2.1%(手数料別途・解約原則×)なので、純粋な「投資商品」と考えると、
 魅力はそんなにないのかもしれない。
 「社会貢献しながら、少し利益も」というコンセプトだと思う。

★面白いのは、元本を20年分割償還していて、つまり毎年一定額が振り込まれる、というファンド設計。
 つまり、定年退職シニアが毎月分配型ファンドに投資しているのと同様に、
 「退職者にとってうれしい商品設計」になっている。

★さらに、何かあった時の承継者を指定できるようにしている。
 おそらく、高齢者が子または孫を指定できるようにしているのだろう。
 高齢者が「子や孫に、何か社会的なものを遺したい」という遺志を尊重、ともいえる。
 その意味でも、高齢者目線に立った商品である。 

★「20年」の期間は、固定買取価格の期間を意識したのか?

★説明画面を見ているうちに、「出資したとしたら、この太陽光パネルを見て回りたい」という気分になる。
 自然エネルギーファンドの「副次効果」として、アニメの聖地巡礼のような「投資先巡礼効果」が、あるのでは?

★一部の投資家に有名な「さわかみファンド」の沢上さんが来ていた。(初めて見た・・・)

★最近はソーラーファンドも、銀行からかなり融資がつきやすくなっている。
 だから、わざわざ市民出資を募らなくても、融資だけで資金調達できてしまう気もする。
 →この点を飯田さん(市民エネルギーファンドの草分けな人)に質したところ、
 「市民出資分を自己資本扱いに出来るので、その分資金調達で有利になる」との説明。

 要は、マイホーム建てる際でも、「頭金が少ないと、不利なローンしか借りれない」のと同じ理屈である。
 「その辺の理屈を理解していない事業者も、結構いる」とのこと

★市民ファンドで、メガソーラー35,000kwクラスも計画しているらしい(福島で)
 結構市民出資でも大きいのが出来るんだな。おみそれしました・・・

★ただ、やまぐちファンドの場合、23箇所への投資なので、『投資分散効果』はある、とのこと。

★投資分散効果を考えたら、1つの県に集中させずに、いろんな県に分散させた方が有利ではあるが、
 それだと管理がしずらいんだろうなあ。

★説明会、結構スキームについても、自然エネルギーについても、結構詳しい人ばかり来ていた気がする。
 自分は匿名組合スキームも、太陽光の仕組みも、固定買取制度も、ある程度リテラシーがあるから、
 まあわかっているのだが、そういうリテラシーがないと、なかなか理解できないのかもしれない。
 一言で言えば、『少しハードルが高いのでは?』

★参加者から、「ソーラーパネルの向きを、南向き傾斜にしているが、東・西傾斜の方が有利な筈だ」
 との意見が出たり、「積雪荷重が少なく、一方で台風の多い山口県では、このパネル角度が最適」との返答が
 出たり、結構マニアック。

★個人的には、このファンドスキームは、もっと広く普及すべきだと思うし、対象も電力だけじゃなく、
 広義のエネルギー(太陽熱・地中熱)や、さらには農業ファンドにも応用すべきだと思っている。
 ただ、そうしたくても、現状のように「リテラシーの高い人だけしか、出資できない」の状況では、
 広がりに限界があるような気がする。

 もう少し、「リテラシーは低いが、環境のために何かしたい」という人も、気軽に説明会に参加する・出資できる、
 そういう「敷居の低さ」が求められていると思う。

★たとえば、ウチの近くに自然有機食品の店があって、結構ママたちが買いに来ていたりするのだが、
 そういうところにチラシを置かしてもらって、口コミ宣伝する、そういうルートも有効じゃないか?

★今後、太陽光は不透明になるから、恐らく風力・地熱にファンド対象はシフトするだろう。
 既に「温泉熱」は計画しているようだが、アセスが緩い2,000KW級地熱も手掛けるのかな?
 このクラスはオリックスと中央電力が手掛けていて、中央電力は「ふるさと熱電」と銘打って地域密着地熱を
 打ち出しているのだが、市民ファンドもそのクラスの地熱をやり始めると面白い。
 (と思ったら、大和ハウスが家庭電力小売参入・地熱検討のビッグニュース)

★あるいは、蓄電池に対するファンドとか。今はペイしないのかもしれないが、何とかならないか?

★2016電力自由化で、「市民エネルギーの電力を買いたい」というリクエストに答えて、希望者へへ小売する
 スキームを作れたら面白い