2015年11月4日「不動産証券化フォーラム」メモ
主催:不動研、於JA共済ビルカンファレンスホール
★セッション1:リレー講演
・講演者
1.国土交通省 土地・建設産業局不動産市場整備課長 中田裕人氏
「不動産証券化のさらなる進化と果たすべき役割」
2.三井住友トラスト基礎研究所 海外市場調査部長 伊東尚憲氏
「海外不動産投資の魅力と今後の見通し」
3.三菱商事・ユービーエス・リアルティ社長 辻 徹 氏
「J‐Reitにおけるインフラ・PRE投資の先行事例」
4.ジャパン・シニアリビング・パートナーズ社長 藤村 隆 氏
「拡大するヘルスケア市場と投資戦略」
★国交省中田課長講演:国交省の取り組む政策を総花的に紹介。特筆事項には乏しい。
・日本の不動産ストックは2.400兆円、証券化された不動産は30兆円。少なすぎる
法人不動産だけでも470兆円、公的不動産も590兆円あるのに・・
・証券化実績:リーマンショックで急減したが、最近持ち直し
銘柄数も増え、時価総額も増加
Jリートによる資産取得も堅調
・Jリートのアセットが多様化。対象も地方比率が増えてる。
・インバウンド観光が拡大。最近は地方訪問も増加
・電子商取引が拡大→物流強化が必要
・地球温暖化対策で、業務部門(オフィス)のCO2削減が重要。産業部門は減ってるのに、業務部門は増加。
・今後、人口減をにらんで、コンパクトシティ化を推進したい。
・五輪をにらみ、東京の都市競争力をアップさせる。羽田の強化とか。
・圏央道が部分開通。東北道〜東名道が都心通らずに走行可能
→首都圏の物流が飛躍的に改善。これに伴い、物流施設が活発化
・北陸新幹線で北陸エリアが活性化された
・観光立国を推進したい
・電力制度改革とセットで、スマートシティを推進したい
・ヘルスケアリートを普及促進したい
・公的不動産(PRE)の活用推進したい。昨年、事例集を作った。
・空き家・低利用不動産のストックの活用を推進したい
・地方都市での不動産証券化を推進したい。釧路で実例あり。
★三井住友トラスト基礎研 伊東尚憲氏 「海外不動産投資の魅力と今後の見通し」
・2015年上半期のクロスボーダー不動産投資(添付資料52頁)
2014年と比較すると、対アジア投資が減り、対アメリカ投資が増えている
・世界主要都市のオフィス資産価値指数の推移(添付資料53頁)
→オフィス資産価値指数は、その国のCPI(消費者物価指数)に比例する
他国が軒並みアップしてるのに、東京だけ横ばいなのは、CPIが横ばいだから
・名目賃料=CPI+実質賃料で決まる。
実質賃料は、需給バランスで決まる。
・キャップレート=(リスクフリー)レート+リスクプレミアム+CPIで決まる
・不動産価格=キャッシュフロー÷キャップレート
・添付資料54頁上、世界主要都市の、トータルリターンや都市間相関度を図示(2006〜2015)
散布図の右上の都市は、『ハイリスク・ハイリターン』都市。シンガポールとか。
東京は、一番左下。ローリスクローリターン。
CPIが低いからローリターン。でも安定的。
また、各都市のリターン相関度を見ると、東京と北京でマイナスの相関
つまり、この期間では、東京と北京は逆の値動きしていたことになる。
→「東京と北京に分散投資する」ことで、ポートフォリオのリスクヘッジになる。
・世界各都市で、直近10年の空室率&キャップレートを図示(添付資料54頁下)
そこに2015Q2の空室率&キャップレートをプロットすると、
「どの世界都市も、空室率はこの10年で最低水準、キャップレートも最低水準」になってることがわかる
→「これ以上のキャップレートの低下は考えずらい」
・今後の市況見通し:「ゆるやかな上昇が続くのではないか?」
世界的な低金利なので、不動産投資への意欲は強い。
新興国が成長率鈍化、先進国が好調。当面は先進国が中心になる。
・ただ、新規供給増に注意。供給が増えると、賃料上昇が一服してしまう。
イギリスなどは、3〜4割のテナントを確保しないと、プロジェクトが進まない
(銀行がプロジェクトへ融資しない)
なので「需要を読みながら、開発していく」ことになるが、ここに来て需要が読めてきたので、
供給が本格化するかも。
(註:大手デベが自己の判断でビル投資する日本とは、事情が違うようだ)
・サイクルとしては
「空室率が改善→1年後に賃料が上昇→供給増で空室率上昇→賃料が抑えられる」
★三菱商事・ユービーエス・リアルティ「J‐Reitにおけるインフラ・PRE投資の先行事例」
・三菱商事UBS:3つのリートを手掛けている
1.日本リテールファンド:国内初、最大規模の商業施設特化型Reit
2.産業ファンド:国内初、唯一の産業用不動産特化型Reit
3.MCUBS Midcity投資法人:三大都市圏・オフィス中心Reit
(註:元松下系Reit)
・産業用不動産:景気に左右されにくいというメリットがある。
中長期的に安定したキャッシュフローが得られる
・Jリートがわずか12兆円なのに対し、インフラ不動産、インダストリアル不動産は数百兆円。
潜在的なキャッシュニーズがある。
・インフラ:維持コストが増大している。流動化のニーズ。
そこに、三菱商事の豊富なネットワークが活用できる
・産業ファンド:JALの羽田メンテナンスセンターとか、伊藤忠系の名古屋港石油タンクとかで流動化実績
・自治体系インフラへの取り組み:神戸市が地方債使って埋立開発した物流センターを流動化
→その話を聞きつけた広島県の、ロジセンターも流動化
・インフラの民営化:歴史的にはサッチャー政権がスタートさせ、その後2000年代にアメリカで普及
・総務省が地方公会計制度を改革しようとしている。
平成30年までに「複式簿記化」を要求
見やすい会計帳簿にして、自治体間の比較ができるようになる(地方会計の「可視化」)
→平成30年までに、一気に自治体でオフバランスニーズが活性化するチャンス。
だが、肝心の自治体担当者の動きが鈍い。時間的余裕がないのに。
・「東証インフラ市場」という器を用意したのに、新規上場事例ゼロ。
・当社だけが孤軍奮闘している状態で、広がらない。
「事例が少ないため、広がらない」という、鶏が先か卵が先かの悪循環
当社としては、わずかづつでも、実績・トラックレコードを積み増したい
・逆に言えば、市場としてはまだまだこれから、ブルーオーシャン
・海外のインフラなどは、以前は2桁の利回りだった→競争激化で利回り1桁に。
アメリカのインフラリート市場:700億ドルもある。
・企業年金・保険:利回り低下で悩んでおり、インフラ投資へ関心
★ジャパン・シニアリビング・パートナーズ「拡大するヘルスケア市場と投資戦略」
・添付資料P68,Reitのヘルスケアへの投資はH26から急増している。
・ヘルスケアリート:対象は大きく分けて「病院」と「住まい」の2つに分かれる
・添付資料P72、今後は「(介護型でなく)自立型で、利用料がミドルクラス」という施設に、ニーズが出てくるだろう。
自立高齢者の住宅ニーズ:日本では、今までマーケットが「殆ど、なかった」
→今後ニーズが出てくるだろう
・アメリカ:CCRCが2,000か所、70万人
日本版CCRCも期待されているが、現実的には・・・
・ヘルスケア:オペレーショナルアセット
「ハードとサービス内容が、マッチしているか?」がチェックポイントになる。
(サービスが充実してるわりに建物がシャビーではないか?或いはその逆ではないか?)
・チェックポイントとしては「施設の賃料負担力」が一番重要
「経営者の経営理念、資質」も極めて重要
マメに現地を見に行ったり、経営者と面談することで、「不正の抑止効果」が出てくる
・事故不正リスク:「従業員個人に起因する事故」「オペレーター企業の組織風土に起因する事故」であれば、
Reit側が「直接的に」責任を被ることは、ない。
(間接的には、ある。風評被害とか。)
一方、「建物・設備の瑕疵による事故」だと、直接的な責任を負うことになる
・場合によっては、オペレーターと一緒に、課題解決を協議することも(ステップイン)
・シニアリビング施設のオペレーター数:7,000社
上位20社で、シェアわずか7%。殆ど零細業者
「未成熟業界」
・認知症高齢者がどんどん増えていく。家族介護では限界に達する。
★セッション2:「年金基金に、不動産投資を増やしてもらうには?」
・パネリスト
1.三井住友信託 不動産営業第一部 アレンジメント担当部長 高井良 博 氏
2.野村證券 フィデューシャリー・マネジメント部 シニアコンサルタント 西迫 伸一氏
3.みずほ信託銀行 投資プロダクツ開発部戦略開発チーム参事役 小川 剛宏 氏
・司会:宮城大学事業構想学部教授 田邉信之氏
・よく言われている「年金が不動産投資を躊躇する理由」:?市場の透明性に不安 ?インデックスの不存在
・しかし、資金運用難&年金基金の積み上がりで、年金も不動産投資を注目するようになった。
これは一過性か?
・西迫氏「自分は年金の運用コンサルしている。
各企業で人事労務部とかから年金運用セクションに異動した人などは、運用リテラシーが殆ど無い」
・関心の2極化。
一部の基金は高い関心持ってるが、大多数の基金は関心がない。
・添付資料90頁、年金基金は、他の一般投資家と比べ、明らかに不動産投資が少ない
・海外の年金基金は、もっと不動産投資している。
一方、日本の不動産基金は、そもそも規模が小さい。
実物不動産投資出来るだけの規模がなく、できるのはせいぜい上場リート投資のみ
・日米で、年金の規模に差
日本:100兆円というお化け(GPIF)がとびぬけているが、10兆円クラスは少ない。JA程度。
大企業の年金で1兆程度。1,000億円とか100億円というのが大半。
アメリカは、100兆円という基金が存在しない一方で、10兆円クラスが数多い。
・規模が1兆円あると、直接不動産投資や私募ファンドへ投資できる。
これが1,000億円程度だと、私募リートがマッチする。
私募リートは、1,000億円程度の年金ニーズを取り込んで、急成長した。
・日本の年金:年度初めに「運用計画」を作成し、それに従って運用していく
これだと、機動性がない。急に出てきた不動産案件を、取得できる仕組みになってない。
(その点、私募リートは、予め資金計画日程が読めるので、投資しやすい)
・でも、リーマン後、年金基金にとって「投資するモノが無くなった」ので、
インカムゲインが期待できる不動産に興味持たれるようになった。
あと、ボタティリティ少ない私募リートにも興味
・私募リートに興味持たれているが、物件取得には苦労している。
下手な物件を組み入れると、リート利回りが低下してしまうから、増資できない。
今は「踊り場」状態。
一部年金は、国内私募リートが物件買えないから、海外私募リートに関心。
・年金:内規で「不動産と株式の、投資比率」が定められている。
→株式が下落すると、「全資産に占める不動産資産の割合」が相対的にシェアアップすることになる。
そうすると「内規を超えてしまう」ので、「内規を維持するために、不動産セクター資産を売る」
ということになってしまう。
(株式市場の下落が、不動産市場に伝播する)
・小川氏:「年金に不動産が嫌われるのは、過去2度の失敗経験が大きい」
1.バブル期 2.リーマン
いずれも「投資のタイミングと、投資スキームを、間違えた」
・バブル期:各年金ともに、「インフレヘッジ」を目的として不動産に投資
つまり、インカムがあまり期待できない物件を、こぞって買った
→バブル崩壊で、価格も利回りもダメになった。
しかも、当時はリートもない時代なので、複数の投資家で不動産を「共有」していた時代だった
→AMもPMも適正に管理できなかった。コントロールする人不在。
そのままズルズル、価格が5分の1、10分の1に下落
・2000年以降の不動産証券化:高いレバを掛けてしまった。
リーマンで破綻。リファイナンスの段階で配当ゼロになったり。
当時の年金担当者:よくわからないママ、「高いリターン」につられて投資していった。リテラシーがなかった。
逆に言えば、ファンド側は、「説明責任を果たしていたのか?」
・年金運用担当者同士でヨコの情報交換の場がある。「年金情報」という業界紙もある。
AIJなんかも問題になっていた時代だが、年金関係者の中では、
「不動産投資って、そんなものでしょ?」という会話だった。
(損が出て当たり前、という感じ。)
・高井良氏:ファンドのBS状況を、リーマン前と比較したい
デットスプレッドはリーマン前の水準に近付いているが、LTVはハイレバになってない。
エクイティ部分:2007年には、海外オポチュニティファンドが結構来ていたが、
これが2014〜15年になると、アジア系で多様化している。台湾、中国、シンガポール
・「コア4」(オフィス、レジ、商業、物流)はキャップレートがリーマンに近づいている。
でも賃料はリーマン当時まで戻ってない。
コア4以外は活況。
・高井良氏の三井住信:9月末でエクイティ残高1,800億円。
うち上場リートが500億円で、私募系は1,300億円。
1,300億円のうち、750億円が私募リート。ここに来て急激に増えた。
他方、私募ファンドは減ってる。無事エグジットしたのが多く、一方で新規設定がない。350億円減。
また、海外系も少し増やしている。
・年金基金も悩んでる。
安定したインカムが期待できる商品のニーズが強く、その意味では私募リートが一番いいのだが、
なかなか増えない。
1.もっといい物件に、出てきてほしい。
海外投資家に言わせれば、「東京などは、いいビルの宝庫」状態。
2.ファンドの下落相場に対応できるよう、セカンダリー(流通)が増えてほしい
・年金が投資できるような「インフラ」は整ってきた。インデックスも整備されてきた。
なので、「言い訳が出来ない状態」に、なってきている。
年金担当者の間でも認知が進んできたので、あとはいい物件さえ供給できれば・・・
・物件取得がうまくいかないから、増資しない(できない)
・需要サイドは一巡した。今は待機状態
・私募リート:踊り場状態
15リートになり、うち11リートに年金マネーが入っているが、実態は、
年金マネーの56%は上位2リートに集中している。GPIFが入ってくれれば・・
・「特定資産に行きましょう」とアドバイスしづらい状態
・情報格差を一つ一つ潰していくべき
P92の図7‐1にあるように、年金が求めていること上位2つで
「投資インデックス」とともに「不動産評価の信頼性の向上」がある。
・リーマンの時は、ファンドは「鑑定価格より上」で買っていた。
それが今は「鑑定価格より上で買うことは、ない」
・・・ある意味「不健全」
堂々と、「このような理由でバリューアップ出来るから、鑑定価格より高く買う」と、何故言えない?
★セッション3:Jリート等の今後の戦略
・パネリスト
1.ジャパンリアルエステイトアセットマネジメント 社長 片山浩氏
2.三井不動産投資顧問 常務取締役 森 郁雄氏
3.ケネディクス 社長 宮島大祐氏
4.ブラックロック・ジャパン リアルエステート部長 南 亮一氏
・司会:ジャパン・アセット・アドバイザーズ 社長 南一弘氏
・司会が片山氏へ「大手リートとして、今後どう展開していくか?」
片山氏→リートとしては、上場以来やってきたことを続けていく、成長を目指す。
都心Aクラスビルは安定してる。それを中心としたポートフォリオとして安定成長していく。
ただ、直近は物件高騰し利回り低下。「どうやってリートを成立させていくか?」
→「外部成長よりも、内部成長させていきたい」
増資をさせずに成長していく。投資口を希薄化させない
空室率も下がり、賃料を上げられる。大型供給も止まって、需給が締まってる
・司会が森氏へ「機関投資家は今のマーケットをどう見ている?」
森氏→私募ファンドから私募リートへ移ってきている
私募ファンドが「ハッピーにエグジットさせ、ファンドクローズしてきている」
私募ファンドがクローズする一方で、私募リートが増えているので、ネットでは残高変わらず
・私募ファンド関係者は「私募ファンドをやりたいが、慎重」というスタンス。だから新規私募ファンドが出ない。
皆「意欲は強い」が、痛い目にも遭ってるから・・
・私募リートも、立ち上げ当初は苦労した。その後成長。
→私募リートは、今は「踊り場」。これ以上、買う意味があるの?な感じ。
CAPレートが下がりすぎている。
・私募リートへの投資家:「しばらく、ステイしてくれ(動かないでくれ、買わないでくれ)」との声がある一方で、
「成長してくれ」という声もある。後者はノルマ課されている担当者か?
・日本の「成長戦略」って、何?
海外投資家も、なんとなく「日本は成長するもの」と思っているが、それを具体的に
うまく説明できない感じになってる。一種のムード。
・ケネディクス:6つの上場リート、1つの私募リートを運営
ケネディクスの方針として、「上場リートは総合型にせず、それぞれに特化型を作っていく」
それぞれに社長を配している。
効率としては悪くなり、手間もかかるが、
一方で「それぞれの社長が、それぞれの分野で専門家になってくれる」というメリットも
・司会「宮島さんの次のターゲットは?」→「次に何をやる、とは言いづらい・・・」
・伝統的不動産は、プレーヤーが多数
一方、倉庫などは、一昔前は不当な評価を受けてきた
→それが、どんどん拡大し、CAPレートも下がっていった
・非伝統的な不動産、ヘルスケアとかホテルとかは、もっと拡大できると思ってる
・ヘルスケア、運営は苦戦してないのに、株価が苦戦している
・ブラックロック:世界の巨大ファンド
資産規模4.7兆ドル、うち8割は株や債券へ。2割がオルタナティブ資産
・司会「ブラックロックは、日本経済の先をどう見てる?」
→「大きな期待をしつつも、見ている」
「どこかの国(例:日本)に集中投資する」というスタイルは、当社にはない。
スタンスは「各国にバランスを取りながら、運用していく」
・日本:デフレからの脱却が、ようやっと見えてきた
デフレな国に投資する投資家はいない。
・日本の魅力:「政治の安定性」
以前の日本は「5年間で首相が5人」な状態だったが、ようやっと「決められる政治」になってきた
・安倍政権から「官民対話」ということで、弊社幹部がニューヨークから来て政府と対談した。
安倍政権の方向性は間違ってない。内部留保を設備投資へ振り向けてほしい
・『日本の不動産を、どう見る?』→『デフレでないことが、大前提』
・オポチュニティファンド:『リターンが20%』というのが、不文律
(日本のリターンは、オポファンドを満足させる水準では、ない)
・日本の不動産:プライシングは高いが、金融環境はもっと良いので、
イールドを取れる点は魅力。投資はしやすい。
・国債がこの通りの低金利、ではそれに不動産のプレミアムをいくら乗せれば適正か?
(実物不動産の場合、『流動性が低い』ことによるプレミアムも乗っける必要ある)
・東京:オリンピックもある
オリンピックそのものより、それがインフラ再整備、不動産再整備になる点が重要
・日本の不動産について、アメリカ系ファンドからの問い合わせが今春よりも増えている
雰囲気は「早く日本の不動産に行きたいので、何か『背中を押す材料』が欲しい」という感じ
アメリカ系のカネが、仮に本格的に来たらスゴイことになる。
・オフィスは供給過多か?
「海外から需要を持ってくる」ことが重要
日本が劣ってる点:「税金」
今検討されている税率まで下がったとしても、香港シンガポールよりも税率は高い
時限的でもいいから、下げられないか?
・司会「投資家が求める、次のポートフォリオは何?」
→やっと私募リートの認知度がアップした。
次は「海外」とか「インフラ」とか、話には出てくるが、具体化しない
今でも色々なバリエーション出来てるし・・
・司会「私募ファンドと私募リートの違いは?」
→投資家によって違う。リーマンの反省で、長期安定な私募リートが出来た
「上場と私募の双方やってる、ケネディクス社のスタンスは?」
「ケネディクス社:広いニーズに応対したい」
私募ファンドは、ケネディクス社の生い立ちとなる商品。(思い入れがある)
一方、私募リートは、投資家にとって『国債からの受け皿』となる
・司会:「いわゆる不動産時計、東京は今何時?」
司会:「この質問、日本の人に聞くと弱気で、12時という人が多い(これから下落)」
「これが海外の人に聞くと『6時だ』(これから夜明けで、本格化)という人が多くて勇気づけられる。
さてパネリストの見方は?」
・ジャパンリアル片山→「12時、というと、リート的には内部成長だけで外部成長しない世界。
6時というと、これから外部成長していく時間になる。
となると・・・今は9時過ぎというところか?」
・三井不、森「9時」
・ケネディクス「7時かな?」
下落は(不動産じゃなく)金融から始まるもの
今は金融が○。レバレッジも健全だし、スプレッドも○。
また、この10年で、日本の不動産の透明性・流動性はかなり良くなった
巨大投資家も来てるし・・・
ただ「6時」ということも、ないだろう。「全て不動産に投資」という環境でもない。
ある程度はキャッシュにしておくような状況。
・ブラックロック:「この質問、カネの質によって、変わってくる」
コアなマネーにとっては、7時〜8時
一方、オポチュニティーなカネにとっては、12時5分(12時を、『過ぎている』)
・リーマン発生時も、当初は『デカップリング論』なんて言われて、『日本には波及しない』なんて
言われたが、結局波及した。
・新興国が×で、原油価格も×。それでもリスクマネーは必ず動いている。
・『健全な調整』は、むしろ起こるべき。
不動産時計の針は、逆戻りだってあるのだから。
・司会:「自分自身は9時、いや8時だと思ってる。入ってくるカネの量が違うと感じている」
・上場リートの銘柄が、多すぎると声もある。投資家からもそういう声が。関係者はどう考える?
→「合併のチャンスなのでは?」「個人投資家の知識が増えてるから、今後選別が進む」
ケネディクス社長が「多くてもいい」と発言した時点で、自分がタイムアウトで退出