物件調査がマンションより厄介な戸建仲介が嫌われる

一行ネタ。不動産仲介マンのオンジョブトレーニングな話/「マンション」の仲介と、「戸建」の仲介では、物件調査は圧倒的にマンションの方が簡単。戸建の物件調査は、私道がどうとか、斜線規制がどうとか、給排水管がどうとか、地盤擁壁がどうとか、とにかく調査項目が多い

戸建の仲介で、物件調査が不十分で、後々トラブったら責任問題になる。/だから、まず新人はマンション仲介で馴れさせた後で、戸建の物件調査の仕方を教育する

横浜辺りの仲介店に配属されると、物件調査力が鍛えられるらしい。高低差とか擁壁とか、ややこしい土地が多いから

都心部にしか店舗がないような仲介会社の営業マンは、戸建仲介の経験が乏しいから、物件調査力は乏しかったりする。営業力は別なんだろうが

中古のマンションの方が中古戸建より売りやすい、もっと言えば「値下がりしにくい」と言われる一因として、「戸建と違って物件調査がラクだから、仲介営業マンが好むから」という理由も、無視できないと思う

多分、マンションだと1時間程度で終わる物件調査が、戸建だと半日は掛かるんだろうな。役所に行かなきゃならなかったり/2000万円の中古マンション仲介と2000万円の中古戸建の仲介があったら、物件調査がラクな仲介マンションを優先して扱いたがるのが人情

しかも、隠れた瑕疵なんかは、マンションより戸建の方が圧倒的に多いから、同じ値段ならよけいにマンションの方を扱いたがるのが人情

こういう「仲介営業マンの作業負担量に起因する、マンションと戸建の流動性の研究」というのは、誰かやってないのか?

インスペクション義務化とかしてしまったら、よけいに中古戸建の仲介実務が増えてしまうから、営業マンはよけいにマンション仲介をやりたがるだろうな、、

でも、郊外の割と成約率が高いエリアで仲介件数をこなし、経験値を高めた上で、中堅になってから都心の仲介店に異動させる、な人事ローテーションも考えられる。都心部の物件は単価が高い分、競争も激しく、なかなか経験値が上がらない

昨日ツイートした「仲介マンから見たら、物件調査がラクなマンション仲介の方が戸建より好まれる」な話、言い換えると、「マンションデベロッパーが、物件調査を代行して行っていて、その後の取引関係者は、デベの調査結果に乗っかっておけばいい」ということだよね。

戸建仲介時の負担になる「物件調査」手間を緩和するには、登記所辺りが、各宅地の法規制・斜線規制・地盤・給排水管等のデータを集約し、希望者に閲覧させる仕組みを用意すればいいのかな?/戸建特有の「情報のレモン非対称問題」って、建物の老朽化以外にも、物件調査の面でも起こってそうだ

日本みたいに、隣との境界も不明確だったり、私道がぐちゃぐちゃだったり、上水配管が隣地を通過していたり・・・という国に置いては、マンションの方が戸建てより「隣地関係において、権利関係の安全性が高い」んだよね。ぶっちゃけ、マンションデベロッパーが権利関係を整理してくれている

国が地籍調査をサボってきたシワ寄せが、宅地取引に現れているのかもしれない

区画整理されたニュータウン戸建だと兎も角、モクミツエリアな狭小戸建なんか、どのような権利関係の「地雷」が埋まってるのか、怖くて仕方がない

23区内において、新築戸建の方が新築マンションより安いという現象、マンションの建築費の問題もあるけど、「狭小戸建ては、隣地等との権利関係で、見えない地雷があるのではないか?」という懸念でディスカウントされた結果も、あるんじゃないか?

ある意味、マンションというのは、標準化・規格化されたパッケージ商品なんだよな。全く規格が存在しない宅地より、はるかにハンドリングしやすい。だから二次流通もしやすい。