マスコミブレーク(33) 環境アセスを下回る交通量でどこが悪い?

マスコミブレーク(33) 環境アセスを下回る交通量でどこが悪い?
(なんでも掲示板 01年9月 投稿済)

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今日の毎日新聞で、「地方の高速道路では、環境アセス調査を下回る交通量しか
走ってない」と一面トップで特集していた。
平均してアセスの7割しか走行量しかなかった、とのことで、アセスを上回る
交通量を示した高速道路は少数しかなかった、と問題視している。

しかし、この記事は、実は変な記事である。
環境アセス、というのは、目的としては「その事業の実行により、環境にどれだけ
影響があるか?」を調査するものである。
そのため、その数字は、「予測される交通量のうち、もっとも多い交通量」が
採用されて、環境への影響を調査されるのである。
なので、「予測される交通量のうちもっとも多い交通量」と「予測される交通量のうち
恐らく最も『ありうる』交通量」とは差が出てきている。

この毎日新聞の記事は、「通行量の少ない高速道路に税金が使われて、ムダだ」と
いうことを言いたいようだが、その場合の比較すべき対象は「最も『ありうる』交通量」
にすべきであろう。
事実、事業開始時に、日本道路公団なり国土交通省などは、採算予測として、
「最大値」「最小値」「中間値(妥当値)」を発表しているのであるが・・・
それで、実際の需要が妥当値や最小値より少なかった、ということであればそれは
問題であろうが、最大値より少なかったから、と言って、即問題ではないはずである。
むしろ、ごく少数であるが、アセス時の予測値を上回る交通量を示した地方高速道路が
あったようだが、そっちの方が問題にすべきではないのか?
つまり、アセス予測を上回る交通量、即ち環境汚染があるからである。

どうもこの毎日の記事、勘違いが甚だしい記事である。

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