不動産よもやま話(32)数千万円レベルの土地の管理は個人がすべき

不動産よもやま話(32)数千万円レベルの土地の管理は個人がすべき?

(なんでも掲示板 06年03月 投稿済)

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数千万円レベルの財産は個人管理の方が目が行き届くのか? 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 3月29日(水)19時56分43秒


先述の通り、小生の持論は「兄弟から法定相続権を取り上げて、
国庫収入増加と相続手続の簡素化を図れ」ということである。

ところで、相続については、ベースとなる考え方として、
「できるだけ遺産は個人に帰属させて、国が吸収するようなケースは
 できるだけ避けよう」という考え方があるらしい。
(小生の考えとは逆ですね)

で、さらにその考えの根本を考えてみると、
「土地+建物が数十坪のしがない不動産を国が接収しても、
 管理するだけでも相当な費用負担がかかる。
 であれば、そういう「小さな不動産」については、
 被相続人の兄弟などの個人に管理させた方が、目が行き届いて有効活用され、
 長い目で見れば「国富」が増大する」
というコンセプトじゃないかと思う。

確かに説得力のある理屈ではあるが、一方で都市部の狭小土地は、
その狭小さゆえに有効活用されない、という宿命を持っている。
狭小土地は、まとめて大規模土地にして有効活用した方が
国富は増大するのである。

三鷹市下連雀7丁目1番の土地が全部で何人に所有されているのかしらないが、
仮に100人に所有されているとしよう。
この中の5人の土地が相続人不存在で国が接収したとしても、
一見「虫食い状態」なので有効活用はできないように見える。
しかし、この国有地と、通常土地との間で土地を交換して行けば、
うまく集約することができるかもしれない。

というように、長い目で見ると
「やはり国が接収して有効活用した方が国富が増大する」
ような気がする。



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相続税100% 投稿者:あじあ号 投稿日: 3月30日(木)23時59分32秒


これを主張する方がおられる。東大経済学部 野口教授他
これは、個人はその能力と努力に応じて収入を得るべきであり、親の財産が不平等では、
真の競争(平等)社会は実現しないというものです。
筋から言えば、もっともです。御意見を頂けませんか?
まあ、上限を一定額というのも良いかも知れませんね。

ところで、これの実現のためには、困った問題が生じます。
相続税の脱法行為を防ぐために、例えば、贈与税は100%にしないといけません。
例:親→ダミーの人→子を防ぐため。
税法の世界では、贈与税は、全ての財産譲渡税の中で最高率でないといけないという理屈があります。
その他、親が子を雇用した場合の所得税の率は?とか、やっかいでしょうね。



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土地の収用 投稿者:あじあ号 投稿日: 3月31日(金)02時50分31秒


> 都市部の狭小土地は、その狭小さゆえに有効活用されない、という宿命を持っている。
> 狭小土地は、まとめて大規模土地にして有効活用した方が国富は増大するのである。
そんなに否定される考え方ではないですよ。
小規模住宅地を土地収用して、優良住宅地にして売るという法律があったはずです
(うろ覚えなので、具体名が出ない・・)。

ちなみに、土地を私有にして、その売買を自由にする理由は、そうすれば、最も効率的な
土地利用をする者が、最も高い価格で土地を購入し、最も効率的に利用するとされるから
です。華山東京工業大学元教授

狭小土地も、理屈から言えば、同じ理由で私有地のままが良いはずですが、さて、何故
収用するのが効率的に使えると説明できますか?



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非常に大きな政府 投稿者:cornucopia 投稿日: 3月31日(金)02時11分35秒


管理人さま:
> 都市部の狭小土地は、その狭小さゆえに有効活用されない、という宿命を持っている。
> 狭小土地は、まとめて大規模土地にして有効活用した方が国富は増大するのである。
(中略)
> というように、長い目で見ると
>「やはり国が接収して有効活用した方が国富が増大する」ような気がする。

 といった考えを極限まで進めると、
「国土は全部国有にしてしまったほうがよい」ことになります。

 中国やCISといった国では一部を除き、街路が立派な都市が多い。
中国でも最近では事実上の土地私有化への移行が行われていますが、それでも
都市計画はやりやすいでしょう。国有化というより社会主義化の欠点として、
やたらに立派な公共建築を造り「中は閑古鳥」の例がみられましたが、現在では
これらの建物も商品見本市に使われたりしています(某博物館の抗日展示の
横で欧州車の見本市が開催されていたのに驚いたことがあります)。

 土地が全て国有で、国と土地を借りる側(企業や個人)との契約関係が明確
であれば、空港や自動車専用道等は造りやすかったでしょう。

 ところで日本は、法治国家になった当初(律令制がはじまったころ)は、
土地は建前として公つまり天皇に帰属させようとしていたということで
良いのでしょうか?

班田収授法
www.tabiken.com/history/doc/P/P050L100.HTM
と、公地公民制(Wikipedia)を読んでみましたが、素人にはよくわからない。



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国が土地所有したら最有効活用するとは限りませんよ 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 3月31日(金)07時55分26秒


山手線内の低層公務員官舎・・・

さて、不動産の場合、狭小地を高層利用しようとしても、
いくつかのカベにぶつかります。
★前面巾員制限
 許容容積率は前面道路の幅員に係数を乗じた数字。
 前面道路が狭い場合は、ゾーン指定容積率の消化もままならない。
★各種斜線制限
 道路斜線・隣地斜線等の制限により、高さが制限される
日影規制
★構造的問題
 上記意匠制限に問題がなくても、
 それこそ「ペンシルビルで50階建が建築できるか」と言えば、
 耐力的に無理

ということで、都市部においては、規模を拡大することが
絶対的に有効活用に直結する、と断言できます。

>狭小土地も、理屈から言えば、同じ理由で私有地のままが良いはずですが、さて、何故
>収用するのが効率的に使えると説明できますか?

この設問、あじあ号様のご両親に聞いてください。
現状の「地下鉄出口前の2階建て民家」というのは経済的に最有効活用状態では
ないハズですが、なぜ活用しないんでしょうね?

「地べたがいい」「自分の先祖代々の土地を手放したくない」という
「経済的には非合理的行動」を許容する制度になっているということです。