不動産よもやま話(43)マルチハビテーションと住民票・国勢調査

不動産よもやま話(43)マルチハビテーションと住民票・国勢調査
(なんでも掲示板 06年09月 投稿済)

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マルチハビテーションと住民票・国勢調査 投稿者:スルッとKANTO 投稿日: 9月 8日(金)13時05分20秒


日経新聞に、政府が「地方活性化」の切り札として
マルチハビテーションの推進へ動き出した、という記事があった。

つまり東京人に「地方に移住してください」と言っても
あまり移住してくれないので、
「移住しないまでも、週末や夏冬に過ごしてください」
と唱えるわけである。

これで地方経済を活性化しよう、という下心ミエミエなのだが、
法整備体系が整っているとは思えない。

日本の各種法制は、住所地が1箇所の住民を大前提としており、
住所地が2箇所以上だと「住所不定無職」の犯罪者並みの
扱いになってしまうのである。

そもそも住民票の定義が極めてグレーである。
よく単身赴任者や下宿生などが「どちらに住民票を置こうか?」
という話題になる。

住民基本台帳法自体、「住所地は1つであるべき」という建前で作られており、
マルチハビテーションに追いついていないのである。

http://oshiete1.goo.ne.jp/kotaeru.php3?q=1458214
教えてGoo:単身赴任の場合の住民票はうつしたほうがいいのでしょうか?」

http://www.the0123.com/kenkyu/vol10.html
「当プロジェクトの単身赴任者調査では、単身赴任者の6割が住民票を移動しておらず、
行政統計の見えないところで多くの単身赴任世帯が存在していることが
明らかになっており、90万人という数値は現実的なデータかも知れません。」

住民基本台帳法に「違反者には過料」と脅迫しておきながら、
さて「住所」の定義については明確にしていないのである。

このため、多くの単身赴任者が
「自分が住民票を移しているのは(移していないのは)
 住民基本台帳法違反じゃないだろうか?」と
ビクビクしながら暮らしているのである。

これは、法律が現実に追いついていない、といわざるを得ない。

マルチハビテーションを推進するのなら、例えば
「このケースではどちらに住民票を置いてもいいですよ」とか
「両方に置いていいですよ」とか、指針を定める必要があろう。

国勢調査も然りであり、マルチハビテーションしている生活実態を、
どこまで調査が追うことができるのか、今後の課題である。