新幹線ボンド

疑問視されている北海道新幹線等ですが、
いっそのこと「利用者が建設費を負担する」スキームを作ればいいのです。

たたき台の案を提示します。

仮に2010〜2020年で新函館〜札幌間を完成させる場合、
2010年に
「新幹線完成時に、東京〜札幌間の新幹線利用ができるバウチャー」を
1万円で発行します。

で、バウチャー購入検討客は、10年間その権利を持ち続けます。
で、2020年に予定通り完成した場合、その権利を行使できる。
行使するのは2020年でもいいし、2025年に行使してもいい。

想定される東京〜札幌間の運賃+新幹線料金は、定価で2万円程度、
割引でも1.5万円程度でしょうから、実質的効果としては、
「10年間で資産が1.5倍になった」ということになります。
単純計算で利回り5%、悪くない投資です。

で、このバウチャーを東京証券取引所に上場する。
2010年に額面1万円で上場されたバウチャーは、
2015年には1.3万円になっているかもしれないし、
1.2万円になっているかもしれない。
いずれにしても、投資家にとって、「出口」(=換金手段)を
確保させておくことは重要です。

もっとも、東証での取引価格が暴落したとしても、
実際に使う予定がある人は、それで以って新幹線に乗ればいいのだから、
さほど損はしないでしょう。
(投機目的の人は損するが)

新函館以北の建設に1兆円程度かかると思われますが、例えばその半分の
5,000億円を新幹線ボンドとして資金調達する。
なにも2010年に一気に起債するのではなく、毎年500億円程度の
ペースで起債する。
額面を1万円とすると、総発行口数は5,000万口になる。

札幌都市圏250万人のうち、20%の50万人が、それぞれ20口購入したら、
1,000万口が捌けます。

旅行会社が先行して購入することも考えられます。
JTBとか近ツーが購入すれば、順調に行けば「安い原価でツアーが仕込める」ことになる。

道内企業が、東京出張用に仕入れることも考えられる。
例えば北海道電力とか、ニトリとか、セイコーマートとか。

勿論、投資として機関投資家が購入するケースも考えられますので、5,000万口が
全く捌けない、ということはないでしょう。
※捌けなければ北海道庁とかJR北海道JR東日本が引き取るのでしょうか。

このスキームがうまく行くのであれば、「リニアボンド」とか、
予讃線複線化ボンド」とか「羽越線複線化ボンド」とか、
いろんな事業に応用できそうです。

なお、出資者のリスクとしては、
★新幹線開業が大幅に遅れるリスク
★事業主体であるJR北海道が倒産するリスク
 (現状は政府100%出資なので考えづらいが)
★他の金融商品が高金利になってしまって、
 「利回り5%じゃオイシクない」リスク
などでしょう。

なお、新幹線開業後も、このバウチャーは東証
取引されることになります。
これはつまり、「JR運賃(特急料金)を市場が決める」ということになります。
バウチャーが行使されることにより市場から全て償却されれば、
市場の影響から遮断されますが、それまではしばらく市場が運賃を
事実上決めることになり、JR北海道の経営に影響を与える可能性はあります。