【→7月17日 サ高住は団塊世代が後期高齢者入りするまで余る?】

6月21日
★社会全体の介護コストを引き下げるには、介護対象者や介護予備軍が分散してるより、集団になってる方が望ましい。(介護提供者の移動コストが減る)コンパクトシティと同じ理屈で、社会全体としては「サ高住」制度は間違ってない
団塊世代が介護対象になる「2025年問題」と言うのがあるらしい。その為に「サ高住を2020年迄に60万戸用意しなきゃ」と国は焦っている。現時点のサ高住は11万戸だから、あと7年で49万戸用意しなければならない。年間7万戸ペース
★「サ高住を年間7万戸ペースで供給」と言うのがいかにハイペースなのか、部外者には分かりにくいが、「全国の分譲マンション供給戸数が9.4万戸/年」と比較されれば、いかにハイペースなのかが判る。或いは「全国の貸家住宅着工が32万戸/年」との比較とか。
★しかし、目下のサ高住の入居率は全国平均で70%程度と高くない。つまり、現時点では、あまり需給バランスはタイトじゃない。現時点の介護世代(後期高齢者世代)の世代数は団塊世代より少ないため、需給が締まっていない。
国交省(というより厚労省)が「焦って」いるのは、2020年直前になって、サ高住を緊急整備しようとしても「間に合わない」から。毎年、コンスタントに7万戸ずつ供給していって、2020年に累計60万戸、と計画しとかないと、「直前の1年で20〜30万戸供給」は不可能だから。
★だが、実際に運営するのは民間。「2013〜2020年の間の、団塊世代がやってくる前の、需給ミスマッチ期」のツケを、民間が払うことになる。そこまで民間も「お人よし」じゃないから、民間はサ高住供給に慎重。
★純経済的には、「2020年になり、サ高住不足が顕在化=経済的に割りに合う、と誰の目にも明白になる」ようになって、始めて民間投資は動く。行政からすれば「空白の7年間」は大したことじゃないが、民間側からすれば死活問題。
★要するに、「『ハコを作ったのに、需要が追いつかない』7年間の利益不足を、行政側が補填する」ようなスキームにしないと、「2020年にサ高住60万戸」は実現しない。